【IoT用語集】ウェアラブルデバイスとは?

はじめに

ウェアラブルデバイスまたはウェアラブルコンピュータとは、着用できるコンピュータ端末のことをいいます。眼鏡型・指輪型・腕時計型・衣服型・ペンダント型等の形状をもち、小型のCPUを搭載し、省電力で動作する特徴が共通の特徴です。ウェアラブルデバイスとして最も有名な製品は、アップルのApple Watch, 開発中の製品としてはGoogle Glassなどがあげられます。

もともとは「小型軽量」で身に着けられるほど持ち運びの便宜性が高い端末をウェアラブルデバイスと呼んでおり、1960年代まで起源をさかのぼることができます。近時ではセンサー技術との組み合わせで、手や指を使って操作しなくてもデータを収集できる端末を主にウェアラブルデバイスと呼んでいます。ウェアラブルデバイスによるアクティビティトラッキングが米国などで爆発的に流行し、日本でもアクティビティトラッカー付きスマートウォッチのユーザーを増加させたことがウェアラブルデバイスの成功例として知られています。

ウェアラブルデバイスの用途

現在までのところ、ウェアラブルデバイスの実用化およびプロトタイプの発表は、下記の用途のために行われてきました。

  1. コンピュータ一般の用途
    小型軽量のコンピュータとして、スマートフォン・スマートウォッチなどがあげられます。
  2. 知覚を補助する用途
    センサーと組み合わせることにより、補聴器機能・眼鏡機能も従来のものよりユーザーの個別のニーズにこたえることができます。スマートグラスにより、地図の表示・道案内なども行われます。また、VRゲーム端末としての利用はすでに商業ベースに乗っています。
  3. アクティビティトラッカーなどの行動モニタリング
    ジャイロセンサー・心拍数計・体温計などと組み合わせて、行動をモニタリングして、スポーツの能力や体力をアップさせるなどの目的で行動モニタリングを行うことができます。
  4. 健康状態モニタリングシステム
    高齢者の遠隔治療や、救急医療への応用も行われています。
  5. サービスマネジメント
    ウェアラブル端末で、顧客のショッピングモールでの滞留時間を計測する、美術館・博物館のサービスを向上させるといった用途のために利用されています。
  6. テキスタイル
    洋服のデザインの一部として、あるいは上記の用途のためにウェアラブルデバイスを「洋服」として利用するものです。eTextile、Smart Garmentなどと呼ばれることがあります。

IoTとの関係

ウェアラブルデバイスは、IoTにおけるデータ収集に用いられる端末として主要なもののひとつです。用途のところですでにみたように、人の行動に関する情報や、健康情報を多く収集することができます。技術的にはセンサーと通信機能(主に無線LANやBluetoothが現状では使われています)がウェアラブル端末に搭載されていることがデータ収集を可能にしています。

人の行動をショッピングモールや娯楽施設で腕時計型の端末でトレースすると、消費者が興味を持っている商品がなにか、リアルタイムでデータを収集して把握することができるほか、好みに合わせたクーポンの発行もリアルタイムでできるようになる、など、マーケティングへの効果に期待がかかっています。

また、働く人の健康管理に役立てる、歩数計などを通して健康目標を達成させる用途などは、すでに事業所・健保組合などで利用されているウェアラブルデバイスによるサービスであり、IoTによるデータ収集の例であるということができます。

広がるウェアラブルデバイスの業務利用

現在までのところ、個人利用が多くみられるウェアラブルデバイスですが、今後は業務目的のソリューションがマーケティング・医療以外の分野でも拡大することが見込まれています。

たとえば、作業現場のストレスを発汗・心拍数などでモニタリングして、現場の環境調整に役立てる、ヘッドマウントディスプレイおよびカメラを利用して、現場の危険個所に関するアラートを送るなどの命に係わる現場仕事への積極的活用も考えられています。また、キッチンや作業場の設計でよく「動線」に着目して、人間工学的に正しい建築・設計を行うことが重要と言われていますが、動線を実際の人の動きにあわせて把握し、厨房レイアウトに反映させるといった試みも行われています。

事務仕事主体のITサービスから、工場労働や現業労働のためのソリューションとして、ウェアラブル端末+IoTソリューションが大いに期待されているところです。

課題となるプライバシー保護

ウェアラブルデバイスでは、健康情報や、個人の好み・指向に基づいたプライバシー情報・吉備情報を多く扱うことになります。そのため、暗号化によるデータの匿名化およびデータの最小化がデータ法制上、適法なデータ収集と利用のため、重要な技術的課題となっています。暗号化はウェアラブル端末で行うと、データの量が多くなったり、デバイスの電力消費量が多くなったりすることが知られていますが、「より小さくデータを区切る」「必要な情報だけ取り出して開示する」技術の模索が続いています。

まとめ

ウェアラブルデバイスを用いたソリューションは、IoTソリューションの日進月歩的な進化により可能性が広がる一方ですが、通信技術・省電力化技術・データの匿名化および最小化など技術的な課題も多くあり、最先端エンジニアの興味関心を引き付けそうでもあります。用途の広がりにも期待が集まることから、当分ウェアラブルデバイスの話題がIT関連メディアの中心トピックの一つであり続けそうです。

【IoTレポート】インダストリアルインターネット(IIoT)と製造業の将来、2021年までの予測 世界のIoTに関するレポート公開中