【IoT用語集】Raspberry Piとは?

はじめに

ラズベリーパイとは、シングルボードコンピューターの一つで、ラズベリーパイ財団によりコンピューター基礎教育用のために開発された製品です。サイズがクレジットカードサイズ、しかし本格的な自作PCに匹敵する用途に利用可能です。

発表当初はそれほど普及が期待されていなかった、とのことですが、プログラミング教育に関係する人だけでなく、ロボットのコントロール用の端末としてもニーズがあることがわかり、爆発的に普及しました。現在5ドルから30ドルの間で製品ラインナップがあり、どの年齢層からも購入しやすく、また、シンプルな構造をもち、広い範囲のOSに対応・USB端子を持ち、拡張性にも優れていることから、公認・非公認双方のアクセサリーも多く市場に出回っています。

ラズベリーパイ財団によれば、2015年には全英でもっとも売れているコンピューターとなり、さらに2017年3月までには1250万代を売り上げ、汎用コンピューターの中で売り上げ台数が歴代3位になったとのことです。2018年3月までには1900万台を突破、2000万台の売り上げがもう少し、というところまで来ています。

製品概要 

現在入手可能な5モデルについて、主要なスペックは次の通りです。

  1. ハードウェア
    ラズベリーパイは数世代にわたるバージョンリリースがありましたが、ハードウェアは一貫してブロードコム社製のチップセットを使用しています。現在5モデルほどが入手可能で、スペックにも幅があります。パフォーマンスは上位機・下位機の間で財団によれば4-6倍の差がある状況です。

  2. CPU
    ARM Cortex700MHzから、1.4GHzのシングルコアまたはクアッドコアCPUを搭載しています。

  3. RAM
    512MB-1GBのものがあります。

  4. GPU
    ブロードコムがラズベリーパイ財団のアニバーサリープレゼントとして搭載した機能です。
    モバイル向けVideo Core IVが搭載されています。

  5. 対応OS等
    ラズベリーパイ財団はLinuxベースのRasphian、Debianといったオペレーションシステムをダウンロード用に配布していますが、対応するOSないしプラットフォームとしてはLinuxのほか、下記のように幅広く対応しており、このことがより多くのユーザーを引き付けている要因になっています。
    9front Android Things Arch Linux ARM CentOS Debian Fedora
    FreeBSD Freedombox Gentoo Linux Kali Linux Kano
    NetBSD OpenBSD OpenWrt Plan 9 Raspbian RISC OS
    Slackware SUSE Ubuntu Core Ubuntu MATE Windows 10 IoT Core

  6. ネットワーク接続
    USBイーサネット
    Wifi
    ブルートゥース
    が利用可能です。

  7. 周辺機器の接続
    USB接続の機器が利用可能です。4台までの接続ができるモデルもあります。また、HDMI端子・LANポートがあります。さらに、MicroSDに対応しているため、MicroSDをストレージとして利用することができます。ディスプレー・キーボード・その他センサなどの接続も可能で、IoTへの利用もしやすい端末になっています。

  8. Overclockについて
    ラズベリーパイは、処理スピードを対応スペックよりもあげてしまうオーバークロックを財団が黙認ないし推奨しているとみられていることでも有名で、財団はオーバークロックのためにチュートリアルを発表しています。

ラズベリーパイの用途

○ デスクトップPCのように使える
LinuxベースのRasphianを利用し、キーボードとディスプレーを接続して、通常のデスクトップPCのように使うことが可能です。UIもほぼ通常のPCと同様に使えます。

○ プログラミング教育に利用
もともとラズベリーパイ財団が、コンピューター教育目的に開発したコンピューターですので、Rasphianには、Pythonやグラフィックプログラミング言語であるScratchでの開発環境がプリインストールされています。

○ 各種デバイスまたはソリューションの開発に利用
たとえば、デジタルフォトフレームを作る、カメラを作る、パーソナルオーディオシステムを作る、インターネット接続を利用して、固定電話化する、ロボットのコントローラーとして工作を楽しむ、さらにこれらの端末の実用化をはかる、といったように、ラズベリーパイのコストが低く、サイズも小さくクレジットカードサイズであること・拡張性が高いこと・サーバとの接続も主要通信方式をカバーしているため「自由自在」であることから、特にIoT分野のデバイス開発・サーバクライアントソリューションの開発への活用が模索されています。

日本市場でも、ラズベリーパイを利用した受託開発を専門とする業者が登場しており、今後ラズベリーパイ専門のSEやプロジェクトマネージャーの需要も増加が見込まれるところです。

使おうとすれば何にでも使える

当初教育用の利用を予定していたラズベリーパイですが、結局工夫次第でどんな用途にもなじみやすいことが徐々に浸透し、近似ではマーケットにおいて、ラズベリーパイ開発という一つの分野として認知されるほと、ラズベリーパイの可能性には期待がかかっています。

まとめ

教育用コンピューターとして開発されたラズベリーパイですが、小さいサイズでありながら、IoTに必要な機能を網羅しているほか、デスクトップPCないしワークステーションとしても利用可能なことから、今後応用の実用化に期待がかかります。また、本来の教育目的でもPythonを用いたプログラミング環境を利用しやすいことから、AI・ロボティクスなど上級技術の習得まで可能であり、今後「ラズベリーパイで育った技術者」が日本でも多く誕生することが期待されます。

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