【IoT用語集】Bluetooth Low Energyとは?

はじめに

Bluetooth は、近距離(無線PAN)通信の規格の一つです。低出力で数メートルから数十メートルの間で機器同士を無線で接続するために用いられます。周波数帯は、無線LANと同じく、2.4GHz帯を用います。IEEE規格では、IEEE802.15.1規格のことです。

従前のBluetooth Classic(Ver3.0 以前のものはこのように呼ばれます)に対してBluetooth Low Energy(以降、文中でBLEと表記します)は、2010年に、NokiaのWibreeという名称で開発されたもので2010年にBluetoothに統合されました。

Ver3.0までのBluetoothからは、省電力・省コストで通信や実装を行うことを意図としています。Bluetooth Special Interest Group(SIG)ではなく、Nokiaの単独開発により誕生したものですのでそれ以前のバージョンとの互換性はありませんが、3.0以前のBluetoothとは両立させて利用することができます。

技術的特徴

① 最少電力消費

BLEは、電力消費量を最小に抑えることを意図として設計されています。それまでのBluetooth Classicはデバイス側からスリープ状態のコマンドがあってはじめてスリープ状態に入るのに対して、通常スリープモードに入っているということがBLEの最大の特徴の一つとなります。

このため、消費電力はそれまでの10分の1に抑えられています。ボタン電池一つで何年も作動する端末も少なくありません。

② 周波数のホッピング

Bluetoothは、いくつもの周波数をad hocにホッピングして機器間の接続を保つ特徴を持っています。この点は、BLEにおいてもそれまでの技術を使用しています。

しかし、以前のBluetoothが79の周波数を使い電波のパターンにより相互の接続を認識していたのに比べ、周波数を40に整理しホッピングに使うエネルギー効率を最適化しています。

さらに、電波長を短くしたことでイベント単位での接続・動作認識を行えるようになりました。これらの技術により、より早く安定的に接続することが可能になっています。

③ ペアリング

Bluetoothで通信を行う機器と機器を接続することをペアリングといいまが、Bluetoothは電波で通信を行うので近くにいる無関係な機器と通信してしまうのを防ぐため、一般的には暗証番号によっての認証をおこないます。

この点については、BLEも同じです。最新のBLE5.0では、従来は機器対機器の1対1対応またはマスタ―機器と複数のデバイスをつなぐPoint to Point対応だったものが、多数のデバイスを同時に接続する機能(メッシュ機能)が取り入れられています。

接続については、ペアリングが不要です。しかし、各ノードが持っている認証機能のためにノード間でのペアリングが必要と考えられます。

④ プロファイル

プロトコルだけですと、機器同士の接続について探知が困難になるためBluetoothではプロファイルを必要とします。これが各機器で異なると今度は多くの機器をPCやスマートフォンのようなマスター(またはセントラル)機器に接続することは困難になります。

この点、BLEではGATないしGATTといった汎用プロファイルをベースとして、フレキシブルにアプリケーションソフトウェアでサービスプロファイル設定ができるようになっています。開発者側からすると、従前より機器を接続するための制約がなくなっています。

⑤ ブロードキャストとコネクション

BLEでは、

  • ブロードキャスト・・・一方的に一定の周期で信号を送信するブロードキャスターからオブザーバーにデータを受信させる通信方式。送信する信号をアドバタイジングパケットと呼びます。
  • コネクション・・・あるBLE機器と別のBLE機器の接続を図る通信方式との二種類の通信方式が定義されており、双方の通信方式を用途に応じて使い分けています。

たとえば、Beacon(ビーコン)からアドバタイジングパケットを発信して受信するデバイスに記録し、さらに集計端末に転送することにより入場者の数をカウントする・売り場の来客の滞留時間をカウントするといったBluetoothの比較的新しい用途は、ブロードキャスト方式の登場によって実現したものです。

BLEのバージョンと特徴
Ver4.1 LTEとの電波干渉を抑制
Ver 4.2 セキュリティ強化と伝送速度の改良
Ver 5.0 メッシュ機能の導入・4.0から伝送速度が2倍に、到達距離が4倍に
(最大400m)

用途

パソコン周辺機器・携帯電話アクセサリ・車載用カーナビ・ゲーム機・スマートウォッチなど、おもにモバイル機器に適合性が高いです。

しかし、小型省力化により電力消費量がそれまでの10分の1、ボタン電池で年単位の利用ができるBLEでは、汎用プロファイルの開発や、スピードの改善も手伝い、開発も応用も容易になりました。

マーケティング調査ツールなど今までの用途から一歩進んだ用途が考えられています。その上に、懸念事項であったセキュリティに関してもメッシュ機能による冗長化や、伝送速度のアップにより複雑な暗号をスピーディーに伝送できることから、医療分野での応用も進むことが期待されています。

無線LAN・それまでのBluetoothのデバイスと共存も容易ですので、IoTの実現にも使いやすい技術であるとされています。

まとめ

上記のように、従来に比べ格段に用途が広がっているBLEは、マーケティングの分野からさらにICタグに代わる用法も模索され、位置情報を提供するBeaconとの組み合わせやメッシュ機能を生かして物流管理を変革させる可能性まで指摘されるようになるなど、応用例の検討はとどまるところがないようです。

またオープンな規格でもあり安価に開発できることから、多くの開発者をひきつけています。間違いなくBLEはIoTの中心を構成する技術でもあり、登載台数予測は、2018年には320億台とされるなど、今後とも注目の技術であり続けそうです。

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