【IoT用語集】Beaconとは?

はじめに

Beaconまたはビーコンとは、のろし・かがり火と言った意味があり、転じて位置と情報をともなう伝達手段のことを言います。電波を用いた電波ビーコンと赤外線等の光ビーコンがありますが、双方ともに位置と情報をともなう伝達を行う手段である点は変わりません。

従来からの無線技術におけるBeacon

航空管制で使われる無線標識局のことをビーコン局と呼ぶ場合があります。ある位置から一定の周波数の電波を発出することにより、標識代わりとするものです。

道路交通情報を提供するためのビーコン(従来型の交通管制システム)や雪崩ビーコンといった電波を発信し、障害物からの反射や電波が届く距離から計算をし、渋滞情報・通行止め・工事の情報や雪崩の発生予測のための無線機器や雪崩で遭難した人の位置を

確かめる無線機器のことをいう場合もあります。

コンピューターの世界でのBeacon

これに対して、コンピューターの世界では、ビーコンパケット・赤外線ビーコン・Webビーコン・Bluetoothを使ったBeaconによるサービスにみられるように、無線技術をつかって、位置と情報を通信する手段を応用した技術手段を指す場合に、ビーコンという言葉が使われます。

① ビーコンパケット

無線LANのアクセスポイントからは、ビーコンパケットという信号が発出されており、これによって接続可能な無線LANネットワークが検出できるようになります。

② 赤外線ビーコン

赤外線ビーコンは光ビーコンの代表例であり、路上に赤外線を放出するセンサーによって車の位置を検出し、渋滞情報を収集することに利用されます(新交通管制システム)。

あるいは、車体から赤外線を発射することにより周囲の障害物を探知し、安全に駐車できるよう誘導する駐車誘導装置に利用されています。ロボット・AIセンサーにもつかわれ、たとえば障害物を避けながら掃除をするロボットにも利用されている技術です。

③ Webビーコン

Webページやメールに埋め込まれた小さなまたは透明な画像のことで、アクセス解析に利用されます。IPアドレス、プロバイダホスト名、閲覧時刻、閲覧時間、閲覧したURLのほか、検索ワードも調査できます。

個人の正確な名前や住所などは調査できませんが、プライバシーの観点からは問題となり、かつてはWebビーコンを切る手段が盛んに論じられました。

現在ではWeb広告は非常に多く使われており、閲覧者にむけてカスタマイズされるのが当たり前のようになっていますので、WebビーコンなしにWebを閲覧することは難しいことになっています。

④ 無線LAN・Bluetoothを利用したBeacon

GPSが使う衛星電波がとどかない室内においては、無線LANまたは小出力の電波で情報を伝送できるBluetoothをつかったBeacon技術が位置と情報の通信に幅広く利用されています。

工場・オフィスの備品の管理などにおいては、ICタグ管理に代わる手段として省電力で手軽にデバイスに導入できるBluetooth4.0とBeaconの組み合わせが注目されています。

物流管理の手段としても有望とみる専門家もいます。コンピューターの世界におけるBeacon技術はこのように用例が増加していますが、特に大手ITベンダーが競ってサービスを提供しているマーケティング分野でのBeacon技術への期待が高まっています。

⑤ 応用例 iBeacon, Eddystone等のサービスによるダイレクトマーケティング

現在、位置情報をスマホのBluetoothを利用して店側に送り、顧客側はそのかわりにクーポンをもらうといったサービスにより顧客のニーズを正確に調査し、固定客を獲得する手法がBeaconを利用して盛んにおこなわれています。

その一つでAppleが2013年に発表したのが、iOS対応のiBeaconです。また、Googleは2015年にEddystoneという類似のサービスを発表しており、こちらはiOSとAndroid双方に対応しています。

具体的には、店側がマスターBLE端末から発信するアドバタイジングパケットを顧客のスマートフォンで受信し、受信した顧客が店側に顧客個人情報をフィードバックする、といった利用が行われています。

近距離無線技術であるBluetooth4.0が従前より普及し、その上、それまでのPoint to point方式の通信だけでなく、不特定多数に情報を流すブロードキャスト方式の通信に対応したことから、マーケティングへの応用が盛んになりました。

SNSが実際には来ない潜在的な顧客も対象としたコミュニケーションになりがちであるのに対し、実際にパケットを受信している顧客を対象にしているので、店側としてはマーケティング施策の確実性・予測可能性が増加することになります。

Bluetoothは、2010年に省電力・低コストのVer4.0 =Bluetooth Low Energy(BLE)が発表されて以来、登載台数は急激に増え、スマートフォン端末の80%がBLEに対応しています。

また、ウェアラブル端末の普及も今後見込めますが、非常に細いブレスレット型の端末にもBLEを埋め込むことが可能です。アプリに必ずしも依存することがなく、より直接実顧客に訴求できるBeaconの利用については、今後マーケティングの分野では特に利用が広がる見込みです。

まとめ

位置と情報を伝達する手段であるBeaconは、現在コンピューターの世界での応用例に注目が集まっています。

とくに、オンラインとオフラインの垣根を越えてヒトとモノを効率よくつなげる、あるいはモノとモノを効率よくつなげる手段として今後どんな新しいソリューションが出てくるのか楽しみな技術の一つです。

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