【IoT用語集】AllJoynとは?

はじめに

AllJoynIoT(internet of thing)を相互に接続するオープンソースのネットワーク規格です。

AllJoynは、クラウドを介在させず、機器同士を直接デバイス内にあるAllJoynコアライブラリを利用して接続させることができる点が特徴です。データは、XMLで送受信し、データの伝達はGet/Set などシンプルなメソッドを使って行います。

AllJoynコアライブラリは、OSや物理層の上におくことができるうえ、照明・家電など、デバイスごとに必要となるサービスフレームワーク(CDM Service, Common Device Model Service)がありますので、デバイスのメーカーは、OSの有無や種類を問わずAllJoynを実装することにより、デバイスを他のデバイスと相互に接続させることができます。

とくに組み込み用OSに対応するThin ライブラリのAll Joynは、伝送データも軽量化されており、レスポンスも早いことから、IoTのニーズに最も応えた通信技術として高く評価されています。

llJoynの沿革

All Joynは2008年くらいからそのコンセプトが知られるようになり、2011年に初めてQualcommによりSDKが公表されました。

2013年からは同社を発起人とするAllSeen Alliance という非営利団体により、Linuxベースのオープンソースプロジェクトとして推進されています。以降多くの企業・オープンソース技術者が参加し、プロジェクトとして発展しつづけています。

AllSeen Allianceは、家電メーカーの参加が多い団体であり、ソニー、エレクトロラックス、シャープ、ハイアールといった世界的家電メーカーの多くが参加しています。

AllSeen AllianceOpen Connectivity Foundationの統合

IoTが世の中から注目を浴びる一方で、通信規格は長らく統一化・標準化が進んでいませんでした。

しかし、AllJoynをプロジェクトとして推進してきたAllSeen Allianceは、より多くのデバイス相互の接続をはかり、開発のエコシステムを促進するため、2016年にOpen Connectivity Foundation(OCF)に統合されました。統合後もAllJoynはOCFのプロジェクトのひとつとなっています。

将来的には、Intelが中心となってOCFで推進してきたIoTivity規格とも完全に互換性を確保することにより統合される見通しで、長年の課題であった規格の標準化が実現し、いままでより多くのデバイスとの相互接続が期待されているところです。

ライセンス条件もApache2.0条件となり、さらに多くの開発者が容易にアクセス可能になるライセンス条件に変更されています。

All Joynで実現させるサービス

消費者にとっては、身の周りのあらゆるデバイスを使って、生活を向上できることが最大のメリットです。

例えば、外から帰宅した時に、一定の温度でお風呂が沸いている、スマートフォンから洗濯機のスイッチを入れて、仕上げも指定できる、といったことがリモートで簡単にできるようになります。すでに、エアコン・照明・テレビなどでデバイスの相互接続が実用化されています。

一方、製品を提供するメーカーにとっては、製品を販売して終わりではなく、消費者が製品を利用するライフスタイルそのものをサービスとして提供できるようになります。

製品をユーザーが買うということだけでなく、月極め等の一定期間のサブスクリプションモデルでサービス提供を受ける・住環境の一部として、家電によるサービスが家を買った時に組み込まれているといった家電との新しいかかわり方も考えられます。スマートホームは一つの実例です。

AllJoynの課題

① より多くのデバイスとの接続

これは前述のとおり、IoTivity との規格の統合により、デバイス相互の接続が今までよりも大幅に進むことが期待されています。2020年に、相互接続ができるデバイスがどれくらいか試算すると、500億台にもなるとのデータがあります

セキュリティ

いままでAllJoynは他の通信方式とは独立に相互接続を可能にするため、セキュリティの観点からは強いものと考えられてきました。

しかし、IoTivity との互換性の確保をすすめ、より多くの機器がつながることになると、サイバーセキュリティ対策や、適切な認証方法をとることなどの情報セキュリティ対策が本格的に必要になります。

とくに、家電メーカーには現在までのところ経験値が少ないことから、より経験値が勝るプレーヤーの主導により、IoTのセキュリティ対策を進化させる必要があります。

AllJoynプ六ジェクトの中心的役割をはたしてきたマイクロソフトをはじめとするOSベンダーは、その中心的役割を果たすことを期待されています。

③ その他

家電機器が一斉にネットワークに接続されることになると、インターネットのトラフィックが増大すること、サーバにも堅牢性がより一層求められることなど、AllJoynの固有の問題ではないとはいえ、影響を受ける要素が多くあることから、たとえばデータ量の軽量化・コミュニケーションサービスの再検討なども課題とされています。

まとめ

IoTは注目されている技術ですが、その通信規格については最近まで標準化のめどが立たずにいました。ですので、家電機器がどれだけ今後相互接続されるか、見通しが立ちにくかったのです。

ところが、とりわけ優れた規格であるAllJoynと、IoTivityの統合が起きたことにより、今後はより多くの家電機器が相互接続され、スマートホームのような近未来図が現実のものになってきています。

AllJoynとIoTivity の統合は途上であり、セキュリティなどの大きな課題もあります。しかし、すべての機器がインターネットでつながる世の中へ大きく前進した状況と言え、今後の展開は期待が持てそうです。

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