農業2.0:モノのインターネット(IoT)が農業分野に革命を起こす方法

昨年、メコンデルタのベトナム農家が気候の変動にどのように適応しているかを紹介しました。例年よりも乾季が長くなったことで、水の塩分が高まりエビの養殖ができなくなってしまった、2人のエビ養殖家グエンとファンキュイエンのケースと、一方でそんな池に綺麗な水を入れることでエビの養殖を続けることができたHoai Thuongのケースを紹介しました。
今年も乾季が非常に強い一年ですが、グエンが前回の失敗から学び、エビの池に水を入れ養殖をしたとしましょう。確かに良いスタートですが、実用に関連して考慮すべき他の問題があります。たとえば、いつ新鮮な水を混ぜるのか?どのくらいの頻度で水の塩分をチェックすべきか?そしてもし彼が町の外に行ってしまったらどうなるか?

このグエンの話は、世界の農業が現在直面している問題と、彼らがどのように運営しているかを示しています。人口の急速な増加、食事の変化、資源の制約、気候変動の問題は、農家が直面している問題です。

実際、食糧農業機関(FAO)は、2050年に予測される需要を満たすためには、現在の世界の食糧生産量を70%増やす必要があると見積もっています。それには種子や肥料などの投入の効率的な管理と活用が不可欠です。しかし、これらを効率的に管理することは、正確な監視なしには困難です。世界の農産物生産の4/5を占める小規模な農家たちにとって、適切な情報を得ることは生産の増加を助けます。
残念なことに、彼らの多くは未だにデータではなく過去の経験などの推測で作業をしています。
 
これらは、モノのインターネット(IoT)からの助けを得ることで解決に繋がります。 IoTを通じて、土壌の水分や作物の健康状態などに関するデータを収集するために、地面、水、または車両など、必要な場所にセンサーを配置することができます。収集されたデータはサーバーやクラウドシステムにワイヤレスで保存され、タブレットや携帯電話を使用してインターネット経由で簡単にアクセスできます。コンテキストに応じて、農家は、コネクティッドデバイスを手動でコントロールしたり、プロセスを完全に自動化しておくこともできます。例えば、作物に水をあげるために、土壌水分センサーを配備して、水のレベルが所定の値に達すると散水が自動に開始されるように設定できます。

グエンのケースに戻って、既存のIoTソリューションがどのように彼の助けとなるかを検証しましょう。第一に、水の塩分、温度、エビの餌にセンサーを設置することで、池やエビの状態を確認するのに役立ちます。これらのセンサーは、最適な塩分と温度レベルを維持するために、水のコントローラー、自動給餌器、およびエアレーターなどの池管理システムに接続され、淡水をいつ放出すべきかなどをグエンに知らせます。インターネット接続とスマートフォンを持っている限り、彼らは遠隔地でも淡水池をモバイルアプリケーションで制御できます。

農業者がIoTの採用により得られる利点は2つあります。第1は、農家がインプットの使用を最適化することによって生産コストと廃棄物を削減できることです。2つ目はIoTの、より正確なデータを使用して判断を改善することによって、利回りを向上させることができます。

開発途上国における、農業のIoT採用への課題は山積みです。まず、遠隔地では通信ネットワークインフラストラクチャが欠けている傾向があります。また、農家にとって、導入コストは依然として高価であり、IoTシステムを購入するためのはっきりとしたインセンティブが提示される必要があります。
 
良いニュースは、すでにこれらの課題に取り組み始めている組織と先駆けがあるということです。例えば、Mimosa Technologyは、農家の協同組合にハードウェア装置をリースすることにより、ベトナムの小規模農家がIoT対応の高精度な農業の導入のコスト負担を軽減しています。
もう一つの例は、インドのIoT新興企業であるEruvakaはイーグルベースの養殖池管理ソリューションを提供しており、これを使うことでグエンのような農家がリスクを軽減し、生産性を向上させるのに役立ちます。

可能性は無限ですが、農業にIoTを導入する場合は情報が不可欠です。このため、世界銀行はインターネット上でIoT4Ag(Internet for Things for Agriculture)の新しいウェブセミナーを発表しています。
私たちは持続可能な農業を促進する上でのIoTの可能性を認識し、この分野を先導する革新的な人々を紹介したいと考えています。また、我々は農業におけるIoTの応用と拡大の課題を認識し、これらを解決する方法の議論を促進することを目指しています。

原文はこちら: Agriculture 2.0: how the Internet of Things can revolutionize the farming sector