精密動作機械でIIoT対応を実施するには?

複数の動作を行う機器は、Industrial Internet of Things(インダストリアル・モノのインターネット)への接続が求められます。
著者、Mike Bacidore、編集長
2017年1月18日

Control Designの読者の方からの質問: OEMを手がけており、1台で複数の動作を行うことができる新しい装置を開発中です。この装置は、主動・従動ローラー、テンションコントローラー、巻き戻し、巻き上げ、可変コンベヤ、精密3軸ガントリーおよび自動転換位置調整などを備えています。用途としては、単純なACインダクションモーターからステッピングモーターや精密サーボコントロールまで、動作制御に幅広く対応します。

当社の営業部としてはこの新しいOEM機器を、「精密動作」や「IoT対応機能」などの専門用語を絡めた最新技術として売り出したいと思っています。機器に対する様々な動作制御上の要件に対し、最適なモーター、送りやサーボを各軸に対して混合させて合わせるべきでしょうか、もしくは単純にすべての軸にサーボを使用するべきでしょうか?同様に、1つのコントローラーですべてを制御したほうがよいでしょうか、もしくは動作制御を分けるべきでしょうか? 当方では、この新しい次世代型OEM機器にはどのような動作制御が最善であるかを模索しています。

併せてお読みください:The IoT starts with common and proper things(IoTは共通で適正なモノから始まります)

シングル・プラットフォーム

精密動作制御は、ネットワークの更新速度、位置決め精度、処理能力と駆動ループの完結速度に加え、記載されている機能と安全動作能力によって定められます。

IoT対応とは、OPC-UAとEthernetなどのクラウドとの通信に必要な規格に対応していることを意味します。一方、弊社ではIndustrial Internet Consortium (IIC) (産業用インターネット連合)やIICのSmart Factory Task Group(高性能工場作業部会)における基本設計をまだ定義している途中の為、IoT-対応の機械と呼ぶのは難しいでしょう。

制御の際には、必ず単一の制御プラットフォームを使用してください。複数のコントローラー間でモーターを同期させる場合は、技術上の労力、コスト(ハードウェアとソフトウェアのライセンス)、性能(コントローラー間の通信時間)、設置面積と配線が必要となります。1つのソフトウェア開発環境で開発されたプログラムは、1つのネットワーク上にある1台のコントローラーの1つのプロセッサー上で作動して、HMI、動作、I/O、PLC、ロボット、安全、状態およびエネルギーの監視を実施することになります。どのような規格にも対応できる、技術がここにあります。

サーボと送りとVFDのどれを選択するかについては、 2 つの考え方があります。少しお金を掛けてサーボを標準化して、保守経費を減らし性能を向上させることが可能ですが、サーボとVFD、あるいは送りを混合させて使用することになるでしょう。そのことによって、制御性がより良くなり、コスト競争力を高めることができます。

例えば、パレタイザーのメーカーでは、2種類のオプションを提供しています。どちらも同じインバーター・ドライバーとソフトウェア機能ブロックを使用しますが、これらはサーボモーターとインダクションモーターのどちらも動作させることができます。ここで使用されているモーターは、空圧調整機構を完全に置き換えたものであることから、唯一の全電気式パレタイザーとして差別化しています。さらに高い性能が必要なお客様に対しては、インダクションモーターをサーボで置き換えた全サーボのオプション(同じ駆動ラック、同じコントローラー)を提供しています。

John Kowal
取締役、事業開発
B&R Industrial Automation

中央集中制御

複合機械用の動作制御ソリューションを機能させるためには、対象となる機械の構造を把握する必要があります。ご使用中の機械の構造により、送り込み部分、機械の異なる機能および送り出し部分といった、機械の各部分を区分けします。

すべての機械モジュールが区分けされている場合、技術モジュールを利用することで単一用途の部品として使用できます。これが典型的なコントローラベースのソリューションです。コントローラーは、機械の頭脳の役割を果たし、技術モジュールを利用してすべてを制御します。機械の軸のほとんどがサーボ軸である場合は、サーボ軸のみを使用するのが最善です。しかし単一駆動ソリューションを使用して、標準モーターやサーボモーターを駆動することができます。

技術モジュールによるコントローラベースのソリューションを使用した場合、機械の情報は一箇所に集められます。コントローラーをインターネットとクラウドに接続すると、必要な機械の情報を入手でき、お客様のIoT要件を満たすことができます。

Daniel Repp
自動化ソリューションの事業開発管理
Lenze Americas

併せてお読みください:モーターのサイズ決定についての計算、助言および公式

 

長所と短所

今や自動化においては、Internet of Things(モノのインターネット)が最も一般的です。もちろん、基本にある考え方は、エネルギー管理、自己診断および電子メールの通知などの個別の機能を十分に実行できる高い性能を持ち、接続されるコンポーネント(ドライブ、センサー)によってつくられる基本設計に向かっています。しかしながらこの点においても、そのようなレベルの頭脳を持つハードウェアコンポーネントはほとんど無く、この複合構造全体に対応するために不十分であることは明らかです。

PLC、動作コントローラー、インダストリアルPC (IPC) は依然として機械の一部で、外部に接続して、データ収集、診断の実行、分析、サービスおよび保守を行います。複合装置内に制御システムを実装するには、集中型アーキテクチャと分散型アーキテクチャという異なる2つの方法があり、それぞれ長所と短所があります。

集中型: 通常は、IPCまたは高性能モーションコントローラーで駆動します。この方式では、1台のコントローラーでシステム全体の動作制御、理論制御および処理制御要素を操作します。

長所:

・コントローラーが1台 (初期費用の低減)
・プログラムが1つ (すべての変数と情報が同じプログラム内に揃っている)。

短所:

・プログラムが複雑 (コードですべてを扱う必要がある)
・モジュール性の喪失 (機械の部品を追加したり、取り外したりする場合にコードを大幅に変更しなければならない)。

分散型:通常は、プロセスPLCまたはIPCを使用してシステムを監視します。アーキテクチャが持つ様々な機能は、一部分のコントローラーが処理する各々の機能を伴うモジュールとなります(タスクに応じて、動作コントローラーもしくはPLC)。

長所:

・ローカルプログラムの作成、保守およびトラブルシュートが容易
・モジュールの構築、書き込みおよび整備が容易
・IoTに近いアーキテクチャ (高性能コンポーネントをあまり使わず、高性能モジュールを実現)。

短所:

・各モジュールにコントローラーが必要 (初期費用が高い)
・各モジュールコントローラーが監視用のコントローラーと情報を交換する必要がある(通信状態を正常に保ち、変数交換を正しく行うためにコーディング作業が必要)。
・どのアーキテクチャを使用するかに関わらず、OEMで複雑なアーキテクチャの開発に利用できる有効な手段が少ない。
・1つのパッケージ内に発注されたPLC、HMIプログラミングおよびドライブを含むプログラミングソフトウェアを使用。このことでソフトウェアの開発が進みにくくなり、保守・整備要員が1つのプラットフォームに集中することになる。
・場所によっては、1つの業者が全ソリューションを提供可能となる。これが、コントローラーと通信する様々なハードウェアコンポーネントを作成する時間と労力を一番少なくする方法である。
・同一業者がすべてを受注することが禁止されている場合(エンドユーザーの指定もしくは該当する業者が提供する中に利用できない機能上の特定要件がある)は、市販機器からに対応するハードウェアを提供する業者を選ぶ。できれば、ライブラリやプログラミング例を提供する業者がよい。

Simone Gianotti

動作製品マネージャー

Schneider Electric

空圧位置決め

用途によっては、空圧による位置決めや動作制御を代替的に利用することがあります。このことは、特に洗浄が必要となる分野やIP関連製品分野では、精密送り制御にかかるコストを削減できることから、投資利益率が向上する可能性があります。自動化に伴う動作の中には空圧制御に適した動作が数多くあります。繰り返し高速動作や、線形/回転動作などがこれにあたります。電気的なソリューションと比較すると、空圧は熱を蓄積せずに100%デューティーサイクルを提供することが可能な点で優れており、バルブレベルの診断や状態監視ソリューションなどのIoT対応機能を行う状態監視に適しています。

Mark Densley
製品管理-制御の主任
Aventics

コストと性能のバランスをとる

営業部門の要望と実際に販売するものとの間には開きがあります。機械の設計者と技術者は、コストと性能のバランスをとることが常に求められています。必要な個所すべてにサーボを搭載し、高性能の制御を選ぶことが必ずしも最善の選択肢とは限りません。

コントローラーについては、組み込み制御もしくは可能な場合はインダストリアルPC (IPC) を使用することをお薦めします。モジュラー、メーカー共通のコードを作成し、既存の動作機能ブロックを使用してください。また、EtherCATなどの同期動作フィールドバスを適用してください。組み込みサブコントローラーを3軸ガントリーに使用することで、機械制御は全体的に簡素化されます。ただし、コントローラーを複数の場所にとりつけると、その分お使いの機械のコストが増加することになります。
モーター技術においては、サーボが必ずしも最善の選択肢とは限りません。ACモーターとドライブは、ローターの慣性を適切に選ぶことによって、コンベヤ、マスター・フォロアーやテンションシステムなどの用途で十分に性能を発揮します。一般的には、サーボがその性能をもっともよく発揮できるのはロボットや高速ガントリーシステムであり、高トルク・イナーシャ率が非常に有利に働きます。しかしながら、大型のガントリーシステムでは、サーボはキレが悪くなり、むしろACモーターのほうが要件にかなうものになります。僅かな馬力を適用することで、ステッパシステムを活用することが可能です。いずれにしても、モーションフィールドバスにリンクできる駆動システムを選んでください。そうすると、機械配線の数が減り、動作制御が簡単になり、機械のトラブルシューティングへ対応しやすくなります。また、データ収集効率が上がり、機械の保守性が高くなります。また、接続されたデバイスは自動的にプログラミングされ遠隔操作ができるようになります。

この遠隔操作というのは、とても大事な機能です。何かトラブルがあった場合、お客様は迅速な対応を期待しています。安全かつ信頼性の高い遠隔デバイスを使用していれば、お客様からトラブル発生のご連絡があったときに、滞りなく対応することができます。

Scott Cunningham
技術マネージャー
KEB America

単純から複雑へ

市場に出ている最新製品ラインには、コントローラーのプラットフォームやフレキシブル多軸システムがあり、自動コントロールタスクおよび動作コントロールタスクを行います。そういったタスクには複雑なものも単純なものもあります。多軸システムが必要な場合は、モジュラーVFDをお使いいただけます (図1)。これらのモジュラーシステムを使えば、可変速度コンベヤ、テンション制御、引き上げ用途といった単純な制御用途だけでなく、精密サーボ制御やマスター/スレーブ機能といった複雑な用途にも対応できます。エンコーダーのフィードバックの有無にかかわらず、同期もしくは非同期モーターを作動させることができるため、全軸に取り付けられる数量のサーボを購入する必要はありません。このような最先端の機構が備えられているので、お客様はその用途に合うソリューションを確保しながら、価格に見合ったモーターを選択することができます。コントローラーを何台使用するかについては、企業高性能の強力なコントローラーを使用して複数の軸を操作することで簡素化を実現し、一台の機械で何台ものコントローラーを使う必要がなくなります。これらの高性能コントローラーを使用することで、アプリケーションモジュールの選択肢の幅が広がり、位置決めからロボティックまでの範囲から選ぶことができます。また構成が簡単でプログラミングの経験は不要です。上級ユーザーに対しては、完全に操作可能なプログラミング環境を利用して、ユーザーの設定要件に沿って装置をプログラミングすることができます。

多軸

図1: 多軸システムが必要な場合は、モジュラーVFDをお使いいただけます。

Jason Oakley
電子製品/アプリケーションエンジニア
SEW-Eurodrive

フレキシビリティーが決め手

記載された用途と機能に基づき、OEMは市販の自動化製品 (RFセンサー、視覚システム、接着または加熱制御) に対してインターフェースを開いている制御プラットフォームを最適な状態で利用することになります。制御は、記述されているモーター技術のすべてについてインターフェースとなる能力を有している必要があります (図2)。

読者に最終的に選ばれる制御は、ロボティックや巻き上げ/テンション機能用に既に開発された機能ライブラリを提供し、ユーザーが作成する必要がないものです。例えば、巻き上げ制御やロボティックについては、OEMは予め設計されたライブラリや機能ブロックから選ぶだけで、ホイールを再度工夫する必要はありません。このことにより、この種の作業では、新たに演算や数値計算をするのが一般的ですが、その必要がなくなりますので、エンジニアの作業時間が大幅に削減できます。

皆様から寄せられたご質問のうち、単一制御と分配制御の違いについてお答えするためには、OEMの機械が最終的にどのように販売されるかについてご説明する必要があります。記載されているすべての機能を1つの制御系で取り扱うことができることは確かですが、OEMが装置の部品を個別に販売する場合は、1つの装置が複数の制御系を備えているほうが有利になる場合もあります。

このOEMの営業部に力を貸すためには、精密動作に関して一番重要なことは、どの駆動方式を選ぶかということです。装置の重要な動作部品にサーボを使用した場合の動作精度が一番よいことは明らかです。

IoT対応を考えるうえで、このことは大きな意味があります。OEMの営業チームにとっては、IoTが装置のエンドユーザーにどのように役立つのかを理解していただくことが重要です。読者の方々が述べているアプリケーションの種類の中では、IoT対応であるということは、装置の接続性がよく、適切なデータ分析が行えるということです。言い換えれば、IT機能を介して、別の制御系にアクセスできるということです。こうしたIT技術を使えば、クラウドへの接続や、モバイルデバイスを介した重要な情報の視覚的な表示、機械データの管理・意思決定ダッシュボードへの同期、予防的な保守エレメントの提供が可能です。これらの能力によって、エンドユーザーであるお客様のフレキシビリティを高めることができます。このフレキシビリティは非常に重要です。なぜなら、IoTのニーズというものは企業ごとに特有かつ固有のものだからです。

制御能力

図2: 現在の制御における新しい能力によって、機械メーカーは全く新しくお客様個別の形で開発を行い、モバイルデバイスベースのインターフェースを含む機械と相互に関わり合い、監視し、管理することが可能となります。

Dave Cameron
営業、電気、駆動および制御担当重役
Bosch Rexroth

リアルタイム制御

ほんの7,8年前と比較して、精密動作ははるかに実現しやすいものになりました。その理由の1つは、制御技術者がリアルタイム制御システムやEtherCATのようなリアルタイムのフィールドバスを使用できるようになったからです。このため他のフィールドバスのようにデータ生成を中断することなく、現在値と設定値を随時読みだすことができます。分散クロックのような高度な機能によって、測定値やシステム全体で発生したイベントに対してきわめて正確なタイムスタンプを押すことができます。このような流れに伴い、駆動装置サプライヤーとエンコーダーサプライヤーが同じリアルタイムのフィールドバスでの標準化を始めてきています。同じ正確な時間ベースにあるフィールドバスを使用する際は、アプリケーション内のサーボモーターですでに使用されているエンコーダーよりもより高分解能を持つ外部エンコーダーを使用することができます。現在、メーカーはサーボエンコーダーの能力を高めてより高い分解能を備えてきており、その結果、ドライブが基準外部フィードバックを構成しやすくなりました。位置を正確に検証することで、動作制御全般がさらに正確なものになります。

IoTコンセプトは既に機械制御の領域に入っており、膨大な量の非常に精密なデータにアクセスして、そのデータを分析することができるようになっています。動作アプリケーションにIoTが受け入れられつつある最大の理由はこのことにあります。軸トルクまたは速度などの動作に関連するデータを保存し、ダッシュボード内で閲覧することができます。ダッシュボードを利用すると、イベントの発生状況を把握することができます。イベントの中には、予測可能なものも予測不可能なものもあります。幸い、PCベースの制御アプリケーションを使用すれば市販の高価なIoTハードウェアおよびソフトウェアを使わずに済むため、その分のコストが削減できます。MQTTまたはAMQPなどのクラウド通信用の実証済のオープンプロトコルを使用することにより、PC制御にさらなるメリットが得られます。ローカルアクセス、または、安全なクラウドベースのメッセージ業者経由の遠隔アクセスのどちらであっても、このデータへのアクセスはシステム組み込みのソリューションにより、とても容易になっています。

機器に対する様々な動作制御上の要件に対し、最適なモーター、送りやサーボを各軸に対して混合させて合わせるべきでしょうか、もしくは単純にすべての軸にサーボを使用するべきでしょうか?

モーターサプライヤーとの作業では、お使いになっている用途について数々の実行可能なオプションが示されることになります。ただし、具体的なシステム構造に関しては、サプライヤーよりもお客様ご自身のほうがよくご存じだと思われます。従いまして、動作設計ツールや、その他お手持ちのアプリケーションに対応するよう調整できる定寸ソフトウェアもご使用ください。

サーボモーター技術と駆動システムのコストは低下しており、サイズも小さくなっています。価格重視のアプリケーションにサーボモーターを使用することが可能となっております。電力段は、容量性の再生可能エネルギーを取り扱うことができ、コスト削減の役に立っています。駆動側のステッパー技術は劇的に向上しており、モーターとドライブの寿命を延ばす一方、いくつかのサーボソリューションとの性能差がなくなりつつあります。現在のコントローラー最適化設備の性能は向上しており、速度を固定せず、繰り返し動作プロファイルもない動作に関する用途でもステッパーを使用することができます。技術的な進歩が求められる一方で、コストの低減が必要となります。例えばステッピングモーターをサーボモーターに切換える必要がある場合は、プラットフォームはハードウェアを柔軟に変更できることが重要です。PCベースの制御システムに付きものの抽象性という本質によって、アプリケーションのプログラミングにおける手直しを減らし、フレキシビリティとコードの再利用性を高めることを容易にします。

例えば、コンベヤシステムは、機械の基本的なエレメントと見なされる場合が多いです。しかしながら、縦型のコンベヤや、テンショナーやカウンターバランス重り付きのコンベヤが必要である場合は、設計プロセスよりも前に調整することができるソフトウェアが非常に重要です。このことも、単純な装置から複雑な装置まで、装置内のある特定の場所に設置するとしたらサーボとステッパーのどちらがいいかを選ぶときの参考になります。 (図3)。

アプリケーションの動作要件を完全に理解するには動作プロファイルが必要となます。作動中に負荷もしくは負荷に掛かる力が変化する場合、または複雑な動作プロファイルを作成する必要がある場合、動作プロファイルは特に必要となります。工学方程式を使って自動計算をすることにより、アプリケーション全体で正確な加速とトルク要件を容易に理解することができます。このことは、選択したモーターがその用途で動作するかを検証する役にも立ちます (図4)。

PCベースのコントローラーに内蔵された高性能プロセッサーと組み合わせたリアルタイムのフィールドバスによって、一体化されたプラットフォーム内の動作システム設計を効率化することができます。アプリケーションにこのような性能が不要であっても、複雑な同期を回避するために外部コントローラーと同期可能なシステムが必要です。動作用に使用されているインダストリアルEthernetフィールドバスの中には、特殊なスイッチやハブを必要とするものがあり、コストとセットアップ時間が追加されることにご注意ください。それらによって、OEMは機械メーカーとの競合力を付けたり、むしろ競合することすら妨げられることになり得ます。制御下か否かは別として、EtherCATは、完全な動作システムバスとして使用可能なプロトコルの例であり、スイッチは不要です。考慮すべき最後の重要な面は、業界の動向です。より多くのサーボ、ステッパーおよびベクトルドライブのメーカーがEtherCATの様なフィールドバスに対応するに連れ、機械メーカーが時代遅れや非適合となることを懸念せず組み込んで、真のけん引力を持って受け入れられていることを示しています。

可変

図3: コンベヤシステムは多くの場合機械のより基本的なエレメントとして見なされていますが、縦型のコンベヤや、テンショナーやカウンターバランス重り付きのコンベヤが必要である場合は、設計プロセスの前に調整の可能なソフトウェアが極めて貴重なものになります。

動作プロファイル

図4: 工学方程式を使って自動計算をすることにより、アプリケーション全体で正確な加速とトルク要件を容易に理解することができます。

Matt Prellwitz
駆動技術アプリケーション専門家
Beckhoff Automation

シームレスな統合

制御に関する複数の規則を統合したいとお考えのOEMの皆様から、質問がよく寄せられています:論理制御用のPLC:ローディング、アンローディング、組立そして検査用のロボット制御:巻き上げ、テンション制御と登録を含む、印刷、変換、組立および梱包作業用の動作制御:および切削、穴開け歩その他の機械加工作業用のCNC制御。もちろん、一台の機械で多くの複雑な作業を行っているので、これらの工程のすべてのデータを共有し、機器が最適な状態で動いていることを確認することが重要です。可視性に関するこのようなニーズはIoT対応の動作の原点となるものです。弊社では、e-F@ctoryと名付けたコンセプトをご用意しており、ERPやMESから工場の機械の中の個別のコンポーネントに至るまで、シームレスに統合することを可能とします。当社では、この技術を開発して自社工場の生産性と効率を最適化し、今ではコンポーネントの市販用IoTソリューションを、お客様にもお役立ていただいています。

e-F@ctoryの核となる部分では、プラットフォームにPLC制御、動作制御、ロボット制御およびCNC制御を1台のコントローラーに統合しています。お客様の例では、動作用CPUでテンション制御、巻き戻し、巻き上げおよびコンベヤならびにガントリーと自動転換調整を操作します。PLC CPUは機械のシーケンス、I/Oおよび他の機器との通信を管理します。MESインターフェースモジュールを使って、PCやミドルウェアを加えることなくMESのデータベースと直接接続することができます。クリップボードやメモリースティックは不要で、データ入力を手動で行う必要もありません。サーバーからジョブを取り出し、レシピをダウンロードし、自動的に製品転換調整を構成し、生産統計値とトレーサビリティデータをレポートするために使用可能です。

当社では、ステッパードライブではなくサーボやVFDを使用します。その理由は、データ収集にあります。位置決めが必要な軸では、閉ループフィードバックで位置決め精度を確保するためには、サーボドライブとモーターに対する代替手段はありません。サーボモーターのエンコーダー位置は、サーボドライブと動作コントローラーで常時監視されています。これは、速度、トルク、負荷イナーシャおよびリアルタイムのエネルギー消費を含むその他のデータと同様、工程の監視・改善のために利用できます。その一方で、ステッパーモーターは開ループシステムです。位置指令はステッパードライブに送られますが、エンコーダーを使用していなければ、モーターがその目標位置に到達してその後位置決めが外れていないという保証はありません。ステッパードライブとモーターもかなりのエネルギーを消費します。多少の投資が必要ですが、サーボドライブとモーターをアップグレードすることで工程をシームレスに可視化し、エネルギー消費を軽減し、ステッパーでは実現できない位置決め精度と速度が得られます。

可変周波数ドライブはコンベヤ作業やその他の速度制御作業としてはコスト効率の高い方法で、モーター始動機に比較して大幅な省エネルギーが可能です。可変周波数ドライブを使うと、IoTの導入を簡単に行おうとする場合に、省エネルギーと工程監視を行う際の選択の余地が広がります。

装置内のいろいろな場所にあるコントローラーを統合し、1つのCPUで複数の装置を制御しようとする必要はありません。PLC、動作、ロボットおよびCNC CPUを1台のコントローラー上に混合させて、双方の世界から最善を選ぶことが可能で、単一のコントローラーの容易さでジョブを行う最善のツールとなります。これらの機能は、皆様の機器を競合相手に対して差別化するセールスポイントに、直接なっていくのです。皆様のエンジニアが称賛する統合が簡単なソリューションによって、皆様のシステムには営業部とお客様が望む正確な動作とIoT機能が備わっているのです。

Bryan Knight
製品マネージャー・自動化ソリューションチームリーダー
Mitsubishi Electric

オール・サーボのソリューション

すべての機械に当てはめられる答は1つではなく、多くの場合、同じ種類の機械に異なる適用を行うと、その適用の仕様によって異なるソリューションとなります。重要な要素はコスト、性能、様々な製品を制御システム内にまとめて接続することが簡単であること、および様々な技術に対するユーザー体験となります。

ここで述べる1つのソリューション、オール・サーボソリューションは、たくさんの用途でお役に立てるでしょう。

・広帯域幅の精密動作の結果、印刷、変換および梱包アプリケーションにおける高品質成果と処理。

・機械コントローラー内のソフトウェアをEtherCATなどの一般的な高性能モーションバスと併用することにより、システム統合時間を短縮。

・モーションバスにより、機械開発者はサーボドライブ、ステッパードライブ、安全デバイスおよび市販デバイスを統合するフレキシビリティを入手。EtherCATのようなモーションバスの普遍性により、機械制御システム内に統合可能な本ネットワークに対応する数多くのオートメーション製品があります。

・効率化された機械制御システム用にすべてのEtherCATを中枢コントローラーに接続。分散システムが推奨される場合は、相互に通信している複数のコントローラーを使用することが可能です。

・モーションバスは、デバイスへの指令や受領情報、または中枢コントローラーへの診断やステータス情報などの情報の受け渡しのために構築される。

・サーボドライブ同士を接続して再生軸から生成軸へ出力を伝えることができ、そのため外部発熱電力・再生抵抗が不要。

・サーボドライブには様々なフィードバックデバイスがあり、位置決め精度、アプリケーションで求められるコスト目標および耐久性レベルを最適化。

・多軸ガントリーを備えた装置では、コントローラーとサーボドライブが動作することによって複数のドライブの動作が連動する。それによってガントリー動作を適正に制御するために必要なダイナミック動作補正を行うことが可能。

・サーボモーターには複数の種類があり、機械上の以下の各モーターについて同期が可能:極めて高い精度とダイナミックな応答が必要とされる場合、従来の円筒形のモーターから、ダイレクト・ドライブのロータリーまたはリニアモーターへ。

サーボのすべての性能が必要ではないコスト重視の設計を行う場合、もしくは高出力モーターが必要であるような場合は、システム内で使用するコントローラーも、ステッパーやVF交流駆動インダクションモーターなどのシステムサーボなしのモーターに統合することができます。前述の通り、EtherCATネットワークを使用すると統合しやすくなり、共有できる情報の範囲をすり合わることができます。

Carroll Wontrop
主任システムエンジニア
Kollmorgen

シミュレーションされた制御

アプリケーション要件を満たす最も合理的な方法は、そのモーターが装置の中のどの部品に搭載されるのかを考慮し、適切なモーターを使用することです。したがって、モーターと動力源については、異なる種類のものを複数備えておくことが一般的です。中央集中制御と分散制御の比較について書かれた文献は数多く手に入りますので、どちらかを選ぶときに参考になります。とはいえ、ある程度複雑な機器に関しては基本設計をどうしたらよいか決めかねるという気持ちも、非常によく理解できます。そこで、シミュレーションが大きな役割を果たすのです。制御システムと同じように、機械の動作のシミュレーションを行うことは、様々なシステム基本設計と制御システムの動作を評価するためのとても良い方法です。Tetra Pakの事例研究では、機械設計についてのシミュレーションシステムの用法を紹介しています。

Jace Allen
主任技術専門家-シミュレーションと試験システム
dSpace

同期サーボ

現在の同期サーボモーターと各々の制御のコストと機能に鑑み、可能な限り同期サーボモーターに基づく設計を検討することをお薦めします。電力要件が大きい、例えば20 kW以上であるような場合が唯一の例外で、それらの場合は非同期のサーボモーターが用途には適当でしょう。ただし、何れのモーターの種類にも構成可能な駆動システムを常に検討してください。

中央集中式動作制御プラットフォームは、プログラミング、サポートおよび使いやすさの面でより有用であるようです。モジュラーハードウェア要件がある場合のみ、非中央集中式制御システムが好ましい選択肢となるでしょう。

William Gilbert

変換器市場マネージャー

Siemens Industry

著者について

Mike BacidoreはControl Designマガジンの編集者です。Gold Regional AwardおよびSilver National AwardをAmerican Society of Business Publication Editorsから受賞した経験を有するコラムニストです。mbacidore@putman.netに電子メールをお寄せください。