モノのインターネット(IoT)で中世にタイムバック

インターネットに接続できる機器はとても一般的でありながら、とても脆弱です。最近ハッカーによって、水槽を介してカジノに侵入するということがありました。その水槽には、温度と清潔度を測定するインターネットに接続されたセンサーがありました。ハッカーたちは、そのセンサーに入った後、それらを制御するために使用されているコンピューターにアクセスし、カジノのネットワークへとアクセスしました。さらにハッカーは10ギガバイトものデータをフィンランドのどこかにコピーすることまでもできました。

この水槽に注意することで、私たちはIoTデバイスの問題を見ることができます。私たちは本当の意味ではそれらのコントロールができていません。また、インターネットにはソフトウェアデザイナーや広告主が関わっていることが多いですが、実際誰が何をしているのかは明らかではありません。

私の最近の著書「所有:財産、プライバシー、デジタルによる新しい奴隷制」では、私たちの環境にこれまで以上に多くのセンサーが植え付けられているということに触れています。私たちが持っている水槽、スマートテレビ、インターネット対応の家庭用サーモスタット、スマートフォンは、私たちと私たちの環境に関する情報を常に収集しています。その情報は、私たちにとってだけでなく、様々な人にとっても価値があります。そのような人にとって、インターネット対応デバイスが情報を共有することは誰よりも希望しているでしょう。

たとえば、愛らしいロボット掃除機「Roomba」を思い浮かべてください。 2015年以降、ハイエンドモデルはユーザーの家の地図を作成し、その地図を使い家中を効率的に掃除します。しかし、ロイターとギズモードが最近報じたように、Roombaの製造業者であるiRobotは、その住まいのレイアウトを商業パートナーと共有する予定であると伝えています。

セキュリティとプライバシーの侵害はすでに組み込まれている

Roombaのような、他のスマートデバイスは、われわれが知らないバックチャネルを介して広告主と私的な情報を共有するようにプログラムすることができます。 Roombaのケースよりもさらに問題なものの例として、スマートフォンで制御可能なエロティックマッサージ機器WeVibeが、ユーザーどのような設定でどのくらいの頻度で使用していたかについての情報を収集していました。そしてWeVibeのアプリはそのデータをメーカーに送っていたのです。顧客はプライバシー侵害に気付き、それに反対すると数百万ドルの訴訟和解に同意しました。

これらのバックチャネルも深刻なセキュリティーの弱点です。たとえば、コンピュータメーカーLenovoは、「Superfish」というプリインストールのプログラムをコンピュータにインストールし販売していました。このプログラムは、ユーザーのウェブ検索の結果に、ターゲットとする広告を密かに挿入するためのものです。ユーザーが知ることなくWebブラウザのトラフィックを収集していました。たとえば、金融取引の銀行やオンラインストアとの接続など、安全に暗号化されたと思われるWeb通信も侵害していたのです。

根本的な問題は所有権にある

私たちがデバイスを制御できていない主な理由の1つは、ユーザーがデバイスを購入した後でも、メーカーがその所有権をまだ所有しているように考えている、もしくはそのように行っているからです。スマートフォンとして機能することができる機器でいっぱいのきれいな箱を購入したとします。企業側はソフトウェアを使用するためのライセンスを購入しその機器を製造していますが、そのソフトウェアを所有しているのだから、たとえその機器が購入されたとしても、ソフトウェアを管理することができると考えているのです。それは、自動車ディーラーが車を売りモーターの所有権を主張しているのと同じことです。

これは基本的な所有権の概念を無視しています。 John Deereはライセンスだけを持っておりトラクターは所有していないと農家に伝えています、そのため農業用具の修理もできず、修理工場に持ち込むこともできません。
スマートフォンの場合では支払いが分割払いとなっており、しかも早く取引されることが多ですが、そのようなクレームを流そうとしているのかもしれません。
今後、スマートなトイレ、インターネット対応のスマートテレビに同じルールを適用しようとしているのかもしれません。

封建主義への復帰?

誰が財産を管理するかということは長い歴史上常に問題視されてきました。中世ヨーロッパの封建体系では、王様がほとんどすべてを所有しており、他のすべての財産権は王様との関係に依存していました。農民は王様によって地元の領主に与えられた土地に住んでいました。農業や大工や鍛冶のような労働者は、仕事の道具を必ずしも所有してたわけではありません。

何世紀もかかり、西洋経済と法制度は近代的な商業的取り決めに発展しました。人々や民間企業はしばしば物品を売買し、土地や道具などの物を所有しています。環境保護や公衆衛生のようないくつかの基本的な政府の規則とは別に、個人的、もしくは法人的な所有権には条件がありません。

これは、私が私の車をピンク色の衝撃的な色にしたり、修理工場でオイルを交換したりするのを車会社が止めることができないことを意味しています。私は自分の車を自分で修理したり、改造しようとすることさえできます。私のテレビ、農業用具、冷蔵庫でも同じことが言えます。

しかし、IoTの拡大によって、毎日使っていたものを所有できていなかった古い封建的モデルのようなものに私たちを戻しているようです。 21世紀のこのバージョンでは、企業はアイデアを保護するための知的財産法を使用して、消費者が所有していると考える物理的なものを制御しているのです。

知的財産権の管理

私の携帯電話はサムソンのギャラクシーです。 Googleは、Androidスマートフォンをうまく動作させるオペレーティングシステムとGoogle Appsを管理しています。 GoogleはそれらをAndroidインターフェースに独自の変更を加えたSamsungにライセンスを与え、携帯電話を私に使用する権利のサブライセンスを私に付与しています。これらは、Googleとサムソンが取り決めたことです。サムソンは自分のために使用できるデータを取りたいと考えている多くのソフトウェアプロバイダーとの取引をやめています。

しかし、私の見解では、このモデルには欠陥があります。私たちは自分の財産を修正する権利があるはずです。侵略的な広告主をデバイスから排除する権利が必要です。ハッキングされた水槽の物語が示すように、我々はスパイ行為が嫌いだからという理由だけでなく、それらがセキュリティ上のリスクであるため、情報が広告主に取得されないようシャットダウンする機能が必要です。私たちが自分の財産をコントロールする権利を持っていないとしたら、私たちは本当の意味でそれを所有していることにはなりません。私たちは、デジタルな主人のに支払い借りているものを使っている、デジタルな農家に過ぎません。

今のところ恐ろしいものに見えますが、希望もあります。これらの問題は、関係する企業にとってすぐに悪夢となります。消費者にいくつかの権力を回復させる権利救済法案のための重大な超党派の支持がるからです。

近年、所有権再認識が進んでいます。これらの企業が何をしようとしているのかを認識して場合によっては拒否し、また応じられる場合には購入し、資産の使用、修理、修正の権利を積極的に行使できるという所有権の考え方は、私たちの文化の中では依然として強力であり、簡単には消えません。それは私たちにとってチャンスです。我々は私たちが所有権を取り戻すことを願っています。

原文はこちら: The ‘internet of things’ is sending us back to the Middle Ages

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