【IoT用語集】Nest Weaveとは?

はじめに

Nest Weave=ネスト・ウィーブとは、Nest Labs社のIoT端末を接続するための通信プロトコルおよび通信プラットフォームのことです。IoT製品には、機器同士の接続を安定的に保ち低電力の機器に接続しつつづけるため転送データを軽量化した通信方式による接続が必要です。

たとえば、LTE Advanced Proなどはこうした用途に特化した通信方式ですが、Nest Weaveも同じような目的で開発されたスマートフォン・IoT機器をシームレスにつなぐことを目指したオープンプロトコルです。ゲートウェイ・ルータを介さずにM2M通信が可能でなによりも「つながりやすい」との優れたユーザエクスペリエンスを提供しています。

Nest Weaveは軽量のデータフォーマットJSONをベースに開発されており、複数のプロトコルからなるネットワークにデータを転送し、かつ各機器に読み込ませることが可能です。

もともとNest Weaveは、Nest Labs製品専用の通信プロトコルとして利用されていましたが、Works with Nestプログラムで開発された製品・サービスの共通通信プラットフォームとして改良され2015年10月6日に正式発表されています。

ネスト・ラボは、2014年にGoogleに3200億ドルで買収され、現在はGoogleの親会社であるAlphabetの子会社です。ネスト・ラボのWorks with Nestプログラムにより開発された製品を接続し、サービスを提供するためのプラットフォームであったNest Weave は、Android IoTの通信プラットフォームであるWeaveに統合予定とされています。Weaveの優れた通信技術もGoogleの目の付け所であったとされています。

Nest Weaveの特徴

  • 信頼性 
    ネスト・ウィーブは、複数のネットワークによってメッセージを転送します。IPv6ネットワーク、6LowPAN、Bluetoothに対応するネスト・ウィーブは、Threadというもう一つの接続経路を持っています。

    メインの接続経路は機器同士をランダムにつなぐことができるメッシュ構造をもちますが、つねに接続はThread も通して行われるため一つの機器が故障しても接続を保ち続けることができる構造になっています。

    ネスト・ラボは、スマートホームにおけるドアの監視や煙探知機といったホームセキュリティ製品のように常時接続・電源が常時Onでないと実用性のない製品を多く扱っているため通信の信頼性は、命綱ともいうべき機能といえます。

  • 接続速度
    ネスト・ラボとその開発プログラムのサードパーティベンダーが取り扱うスマート照明やスマートロックといった製品は、即時に接続できないと製品としての意味がありません。M2M接続を可能にするWeaveは、遅延時間が100msとされ即時の接続を確保します。
  • 接続距離
    Weaveにつながれている機器は、それぞれが受信機であると同時に発信機であり、たとえばWifiの電波が家庭の隅から隅まで届きにくい場合、エクステンダーとして各機器が機能します。 
  • 省電力 
    Weaveは単四電池のような小さい電池を複数年にわたって電源として利用できるように設計されており、64KBのRAMを搭載した単一のMCUで動作することができます。
  • 接続設定が簡単 
    ネスト・アプリの利用でスマートフォンから平易な操作で接続設定を機器に対して行うことができます。
  • 非オープン規格とエコシステムの両立
    Nest Labsがグーグル傘下にあるとおりNest Weaveは、オープンな規格であるとは言えません。技術仕様についても基本的に非公開です。

    しかし、たとえばOpen Connectivity Allianceとの関係からクアルコム・テクノロジーの「Weave認定キット」による支援をうけたり、Thread がOpen Thread のコミュニティと協働関係にあったりとオープンソースコミュニティとの関係性は良好に保たれています。

    また、IPv6ネットワーク、6LowPAN、Bluetoothに拡張可能なデータ転送方式を持っていること、共同開発プログラムであるWorks with Nestは広くサードパーティに開かれています。こうした背景により、Proprietary モデルでありながらも製品・サービス開発におけるエコシステムが確保されているものといえるでしょう。

Nest Weave採用製品とサードパーティベンダーの一覧

Nest Weaveを最初に採用することが発表された製品は、YaleによるスマートロックのLinus Lockです。このほかにも、BigAss Solutions、GE(スマート照明)、Hunter Douglas、iHome、Legrand、LIFX、Lutron Electronics、P&G、Philips Hue、Zuli Smart Plugs、Skybell(インターフォンシステム)、Tyco Electronics、WeMo(ウィモ)などがNest Weaveの採用を決め、Works with NestプログラムによりWeave 採用製品は拡大中です。

Nest WeaveとGoogle Weaveはどこが違うのか?

Google WeaveはAndroid IoTにおける通信プラットフォームですが、上記のようなサードパーティベンダーとの互換性はあくまでもNest のProprietary であるNest Weaveによって保たれているとされています。

しかし、今後両者の「統合」がどのように進むのか現在のところ明確なところは見えていないようです。

まとめ

IoTソリューションのニーズにあった安定的・低コスト・そして必要にして十分なデータ転送のできる通信を目指して通信プロトコルや通信方式の開発は、日進月歩で繰り広げられています。

その中でも、各メーカーの市販の民生機器を接続してすでにマーケットで安定的な評価を獲得しているNest Weaveには、IoT通信規格としてアドバンテージがあります。

今後、Android IoTでのWeaveの展開やWorks with Nestで協力関係にあるサードパーティ製品のユーザーによる評価を含めてNest Weaveには注目が集まります。

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