【IoT用語集】MVNOとは?

はじめに

MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、仮想移動体通信事業者のことを言います。既存の移動体通信事業者のインフラを借りて利用料を支払い、独自にサービスを提供する事業者のことです。スマートフォンなどの端末を提供している企業のNTTドコモKDDIソフトバンク・y!mobile・楽天モバイル各社のネットワーク回線を借りる事業者があり、MVNOの最大の貸し手は現在NTTドコモです。

日本では、プロバイダ系・小売系・量販店舗系などの業者が格安SIMカードを売る形でデータ通信サービスを供給することがMVNOサービスの多数を占めています。

また、ディズニーモバイル・海外でのファッションブランドMVNOなどのようにグッズ・コンシェルジュサービス・チケット販売などのサービスと契約・タイアップして通信サービス以外のサービスに重点を置く業者もあり、おすすめのMVNOサービスは今後も多彩な展開が期待されています。

特徴

① 通信インフラを移動体通信事業者から借りる
自身で通信インフラをもちません。利用料を移動体通信業者に対してMVNO業者から支払い、あとは月額基本料金設定を行います。移動体通信事業者よりも安価な価格でサービスが提供できる場合がしばしばです。

② 無線局免許を持たない
通信インフラはもたないのでMVNO業者は、無線局免許を自身でもちません。NTTドコモソフトバンクKDDIのように免許を持っている移動体通信事業者から借ります。

しかしながら、電気通信事業法上の登録は、必要であると同時に主務官庁である総務省からの監督は受けます。また、本人確認・回線貸しの禁止(携帯電話不正使用防止法)業者間接続の際の接続義務や接続約款の作成交付義務(電気通信事業法)などの法規制には服します。

③ 独自の料金プラン・ブランド・サービスにより事業者の料金設定とは違う料金体系・サービス内容でもメールなどの通信サービスを販売することができます。

日本のMVNOサービス事業者のビジネスモデルは、既存の事業者より費用が安い「格安SIM」の提供で多くが成り立っています。

MVNOの目的

日本の場合、MVNOの最大の目的は、携帯電話産業への「新規参入の自由」が不当に制限されることを避けることです。無線局の免許制は、電波監理行政を円滑にし、通信を消費者に確実に届けることを保証しますが、営業の自由とのバランスが長らくの課題でもあります。

MVNOは、外資携帯電話会社も比較的参入が容易になっており、また、他の本業からの通信事業への参入が見込めるため携帯電話と組み合わせた多彩なサービスを創出することが可能であり、参入障壁が高いものとは言えません。中小事業者のMVNO参入例も多いです。

さらに、健全なサービス競争が可能ですので日本でも「サービスの実証テスト」を多くの業者によって競って行った状況にありますが、既存の移動体通信事業者とのサービス価格差も縮まり、また、技術開発競争で一日の長がある既存事業者への揺り戻しなどがあり、MVNO業者「群雄割拠」の状況から若干収斂してきたところです。

日本のMVNOとプレーヤー詳細

  • 一次事業者
    回線を直接借りて運営するタイプの事業者です。 
  • 二次事業者 
    回線を一次事業者から借りて運営するタイプの事業者です。一次事業者と二次事業者の間でサービスの品質に必然的な差は生じないとされています。二次事業者のサービス品質追求の努力次第ということになります。
  • MNVE 
    自分で電気通信事業のオペレーターを行わず、二次事業者に一次事業者として回線とオペレーションを提供する事業者です。

総務省のMVNOガイドラインの対象は、既存の移動体通信事業者であるMNO,MVNOとMVNEをカバーしています。

世界市場でのMVNO 特色のある各国のMVNO一覧

① ヨーロッパ 
ヨーロッパも日本と同じく通信の保証にアクセントが置かれる文化圏であり、通信事業の法規制が多くあります。そんな中で、EU統合・人の行き来が頻繁になされる状況にあって、「ローミングで法外な請求を受ける」Bill Shockという問題が頻発しました。

国境をこえて、うっかり国際ローミング機能をオンにしていたために法外な通信料を請求される問題です。国境を問わず、一律の料金で安心して通信・通話を行うために多国籍のオペレーターが共同運用方法を用いているMVNOのSIMは非常に好都合といえます。欧州地域がMNVO先進地域と言われるのは上記のような事情によります。

② 米国 
これに対して米国は、既存の「ジャイアント」通信業者と複数の

中小の業者が対等にMVNOにかかる使用料について交渉するのが非常に困難と言われ、MVNOビジネスがヨーロッパや日本ほど盛り上がりません。

格安SIMと既存通信業者の価格差は、それほど大きくない状況です。しかし、米国にも200ほどのMVNO業者があり、貧困層向けSIM・移民向けSIM・LGBTコミュニティのためのSIMなどコミュニティのニーズに合わせたサービスを提供するニッチなSIMカードビジネスがMVNOによりおこなわれています。

③ アジア地域のMVNO 
アジア地域全般では、まだMVNOビジネスは始まったばかりと言え、2015年より中国がMVNOを本格的に開始したのが大きな動きです。

まとめ

一時700を超える業者があったMVNOですが、日本では「ブランドMVNO」がそれほど盛り上がらず格安SIMの価格競争にも本家キャリアの値下げなどの影響で陰りが出てきています。

一方、サービス品質で定評のある業者・ポイントサービスや光回線とのセット割に優位性のある業者などユーザー層がはっきりしている業者に関しては、確実に利益を伸ばしている状況です。

2018年には、大手格安SIM業者が携帯電話ビジネスに本格参入することが予定されており、MVNOの状況に変化が生まれるか最近注目されています。

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