【IoT用語集】LTE-Advancedとは?

はじめに

LTE-Advancedは、第4世代(4G)携帯電話の標準規格の一つです。国際的な携帯電話技術標準化プロジェクトである3GPPによって2011年3月に仕様が発行され、2012年1月、国際電気通信連合(ITU-R)によってWiMAX2と共に次世代移動体通信の標準「IMT-Advanced」の規格の一部として勧告されました。

代表的な機能は

① 「キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)」
複数の周波数帯を用いて通信する技術で通信速度が倍増し、途切れることのない安定した高速通信が可能となります。

② 「MIMO(マイモ:Multiple Input and Multiple Output)」の高度化
アンテナと送受信機を高度化させ、一度に送るデータ(ストリーム)を増加させることができます。

③ 「CoMP(Coordinated Multi-Point transmission/reception)」
複数の基地局で協調してデータを送信するため混雑した電波状況でも通信の安定化を図ることができます。

といった機能で、これらの機能のうちいずれか1つ以上が実装されたLTEが「LTE-Advanced」と呼ばれます。それ以前の2009年3GPPによって仕様が発行されたLTEよりも機能的に進化したものです。

3Gからの改良点

① 速い
理論上の最大値ではありますが、最高通信速度が下り(基地局→端末)1Gbps以上、上り(端末→基地局)500Mbps以上と光ファイバー並みになります。LTE=3.9Gと比較しても10倍以上の速度を出すことが可能です。

速度が高速化すると同時にベストエフォートで速度表示することが常識であった携帯電話業界に2015年総務省が、その指針案(ガイドライン)により実行速度表示を推奨・キャリアが実効速度を積極的に表示するようになるといった動きもみられています。

速度で技術力の限界を超えたことが、公正性への疑義がしばしば問題になる、携帯電話関連サービスの広告のありかたにも影響を及ぼしました。

② とぎれない
複数周波数の利用によるCAにより通信の安定化が図られその結果、聞きとりやすい音声データの送受信が可能になっています。

③ 電波を整理・有効活用
3Gで普及した携帯電話ですが、地球の人口を超える数の端末が市場に流通しさらに無線LANなどの無線通信対応端末も増加し、電波は「慢性的な混雑」の状況にあります。

IoT時代に入り、より激しい混雑を回避する技術が続々と登場していますが、電波資源の有効活用のために複数の基地間で協調してデータ送受信する「CoMP」の機能は、有効な機能と考えられます。

利用周波数帯

基本的に、移動体通信事業者の獲得している周波数帯を利用することが可能で最大で100Mhz幅×2の帯域が利用できます。

  • NTTドコモの例 (利用している周波数帯をすべて使って、全国サービスを行うと仮定)

700MHz帯の10MHz幅×2、800MHz帯の15MHz幅×2、1.5GHz帯の15MHz幅×2、1800MHz帯の20MHz幅×2、2GHz帯の20MHz幅×2の計80MHz幅×2が最大で利用可能となります。

日本の携帯電話向けサービスとしては、2014年夏にKDDIが初めてLTE-Advancedサービス提供を開始したのを皮切りに翌年には他の事業者も相次いでサービスイン、現在に至るまで利用帯域の拡充を順次行っています。

IoTM2M向けLTE-Advanced Pro 大量データに対応、5G通信へ進化

4G高速通信の先にあるものとして極めて大量のデータであるビッグデータの収集に耐えられる通信の開発・実用化が次の目標となっており、すでに各キャリア・ベンダーともに開発・実用化を急いでいます。

その中で、LTE-Advancedをさらに進化させたLTE-Advanced Proの仕様がすでに3GPPから公表されています(LTE-Advanced 仕様書リリース13より)。

  • 高速大容量化
  • ユースケースの拡大

が「Pro」の目標で前者はLTE-Advancedの機能を基に機能強化が行われており、後者はIoT・M2M分野での応用範囲を広げる取り組みが行われています。

無線局免許の要否とLTE-Advanced Pro

音声電話のサービスには、すべて無線局の免許が必要です。しかし、免許がいらない周波数帯を用いてデータのみの通信を行なうことは、電波資源の有効活用に有益であることからLTE技術をベースにした通信方式も免許の要らない帯域で小出力の基地局を用いて行えるように改良されています。

代表的なIoT向けLTE規格としては、広いサービスエリアをカバーできるLPWA(Law Power Wide Area)通信の規格であるCAT-M1、NB-IoTなどがあり、通信キャリアを中心に実用化の途上にあります。

いずれも隙間周波数を用いて、出力は抑えると同時にデータ伝達の方式についてはいらない機能を落とし、軽いデータを大量に送信できるようデバイスにも工夫がされています。

2020年にはITU-R2020 勧告の要求事項に対応し、500億台を超えると目されるIoT端末が通信ネットワークにつながることに対応するためLTE-Advancedもこのように進化しています。

世界のLTEカバー率

移動体通信サービス全体に対しLTEのサービスカバー率でみると、すでにほぼ100%に近い数字を出している韓国に次いで、日本、さらに香港シンガポールクウェートウルグアイオランダバーレーン、米国といった国々が80%近くカバー率を記録しています。

まとめ

LTE-AdvancedおよびLTE-Advanced Proが、本格的に到来するIoTを通信から支える技術となっていると同時に音声品質の改善が、テレワークの普及を後押しする現象がみられるなど通信サービスの「質」が、国を変える時代になっています。

新サービスが出現すると電波資源が枯渇するといった現象もLTE-Advanceの時代には、政府間の調整・業者間の調整の問題ではなく「技術的に克服可能な課題」として認識されています。これらの「通信革命」が進行している昨今、LTE関連技術からは目が離せません。

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