【IoT用語集】Microsoft Azureとは?

はじめに

Microsoft Azureとは、クラウドベースのプラットフォームサービスでPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、SaaSを提供します。クラウドベースで

アプリケーション開発環境・DB・サーバ・ホスティング・ネットワークといったITサービスの基盤を提供します。

開発者・ユーザー双方にとって生産性が高く、フィードバックを通じて他のソリューションへ展開しやすい「エコシステム」をプラットフォームにより提供しています。

2008年にProfessional Developers Conference で発表、実サービスとしての提供開始は2010年1月、その後Windows AzureからMicrosoft Azureへの名称変更をへて現在に至っています。

Azureは、Microsoftが世界中で運営するデータセンターから提供され、米国自由法の適用や各地のデータ法制に対応できる点でホスティングサービスとしても利用価値の高いサービスとして知られています。

サービスアーキテクチャと機能

Microsoft Azureは、100以上のサービスから構成されています。基本的にはアーキテクチャの構成要素ごとに、提供サービスは次の三層に分類されます。

  • Infrastructure as a Service 仮想マシン・OS・仮想ネットワークを提供する層
  • Platform as a Service データベース・Webサービスなどのミドルウェア、ランタイムなどを提供する層
  • Software as a Service アプリケーション層

これらのサービス群にデータ分析・ネットワーク・セキュリティおよびID管理サービス・災害復旧サービスが機能として加わっています。

IoTサービスにダッシュボードを用いたリモート管理ソリューションを提供するAzure IoT Suiteといったサービスも登場し、アプリケーションを利用したサービスも今後利用の幅が広がる見通しです。

Azureの利点

① 大企業のニーズに対応
ネットワークインフラ・サーバなど基盤サービスは、すべてAzureが提供します。調達コスト・工数は最小限で済む一方、OSやミドルウェアについて一定の制限は、ついてしまいます。

しかし、アプリケーションソフトウェアは、開発環境であるPaaSの上で.NET言語であるC#/VB.NET以外、Java, PHP, Python, Ruby, Node.jsといった使い慣れた言語を自由に使って開発することが可能です。

大規模事業を行う大手企業にとっては、エンドユーザーであれソフトウェアベンダーであれ、自社のソフトウェア開発に信頼できる基盤を提供するといった意味で有用です。

それと同時に、AzureはSQL Serverをもとに開発され、仕様とツールを引き継いだためレガシーソフトウェアからのWebアプリケーションへの移行ニーズにもこたえられる特徴があります。

② Azureを用いた大規模プロジェクト
大手企業の基幹システム向けにAzureは以前からSAP ERPのサポートを行い、SAP認証を取得しています。2017年より、日本市場では、SAP S/HANAのワークロードをサポートするため大規模な仮想マシンGシリーズを投入しています。

③ 中小事業者のニーズに対応
アプリケーションについては、積極的にオープンソースとの連携をとっているためWordPress, EC-CubeやOpen PNEがAzureに対応しています。そのため中小事業者などオープンソースの需要が高い層にとっては、ストレージをAzureが用意しECサイトの運用・保守に専念することができます。

さらに、それまでのMicrosoftのIoTに関するオープンソースコミュニティとの協働を踏まえて開発されたAzure IoT SuiteによるIoTデバイスおよびソフトウェア開発環境も提供し、スタートアップやベンチャーのためにも生産性の高い環境を提供するとしているということができます。

課金システムが機能ごとに利用した分だけの課金を原則とすること、長期割引の体系が明確であることといった点も中小事業者のニーズをくむものといえます。

マーケットの反応

このように、各コミュニティの実態に即したサービスを提供できるという特徴およびセキュリティ・災害復旧対策といった信頼性の向上によりクラウドプラットフォームとして現在世界1位のAWSを猛追しているという状況です。

特に日本市場では、日本にデータセンターが設立された2014年以降、国内にサーバをおくことを要するデータ管理のニーズにもこたえられることからシェアの急上昇がみられます。

利用規約においても日本法・東京地裁をそれぞれ準拠法・裁判管轄地としているため米国自由法に基づくデータ押収などの強制執行にも対抗できる点、情報セキュリティ・コンプライアンス部門の支持を得られるといったメリットもエンタープライズユーザーには評価が高い点です。

課題と展望

現在AzureについてAmazon AWSとの比較で遅れをとっているとされる点が3点あります。AIへの対応、Linuxサーバへの対応、通信レスポンスに関するユーザーエクスペリエンスです。

AIについては、対応のためMicrosoftは2016年よりAzureのAI対応要員を大幅増員、AIサービスを2017年よりローンチするといった対応をとっています。

また、最近Red Hat Enterpriseに対応していますが、この点は大きくAWSに後れを取ってしまっています。

通信レスポンスは、平たく言いますとAzureは「遅い」ということになってしまいますが、リージョンデータセンターの増設の他に各リージョンに最適化された通信アーキテクチャ・エッジコンピューティングの積極的活用といったアップデートが待たれています。

まとめ

クラウドプラットフォームは、大規模サイバーアタックの脅威にユーザーが共同で対抗するためには必須ということができ、「クラウドかオンプレか」を超えて今や「業界標準」ということができます。

しかし、AWSに対しては「後発」になっているMicrosoft Azureは、徐々にその差を詰めてきています。今後、ますます動向に注目が集まるものと思われます。

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