【IoT用語集】M2Mとは?

はじめに

M2Mとは、Machine to Machineの略で機器間通信のことです。Internet of Things (IoT)と似ていますが、異なる概念です。

まずM2MIoTと異なるのは、インターネットへの接続が必須ではない点です。機器間の情報のやりとりがあればM2Mと呼び、これにインターネットへの接続があればIoTと呼ばれます。

また、IoTがデータを用いたユーザー向けサービスの提供を伴うのに対し、M2Mは機器をつなげる技術そのものということもできます。

IoTは、M2Mを必須の要素としています。そうでないと機器からデータを吸い上げて蓄積・分析処理してサービスを提供できないためです。

さらに、提供するサービスから見るとIoTがビッグデータの分析を究極の目的としているのに対しM2Mが目指すところは、優れた通信と制御力による即時性のあるサービスの提供といったサービスの違いにも着目することができます。

下記にM2Mは、どのような技術なのか構成要素・規格などについて紹介します。

基本構成要素 

M2Mを構成する基本要素は下記のとおりです。

  • 基幹ネットワーク -インターネット・企業内イーサネットのように通信量の大きな上位ネットワーク
  • M2Mデバイス -センサーとデバイスを動作させるアクチュエータを搭載、通信機能を持つ
  • M2M サービスプラットフォーム -通信サービスのためのミドルウェア
  • M2Mアプリケーション -通信サービスとセンサ・アクチュエータの連携をとり、データの測定・アクチュエータのコントロール・データ転送などを行うソフトウェア群
  • M2Mエリアネットワーク-下位の通信ネットワーク。デバイスからゲートウェイをつなぐ通信ネットワーク
  • M2Mゲートウェイ-エリアネットワークから基幹ネットワークをつなぐ機器で異なった通信規格のデバイス同士をつなぐことができる

M2Mでの利用に適した通信規格

M2Mで利用される通信規格は、ワイヤレス通信規格が大半です。基幹ネットワーク 携帯電話・無線LANなどの従来からの通信規格が主に利用されます。

Wi-Fi LTE などエリアネットワーク 
小型のIoTデバイスの上に搭載される無線装置に適合した省電力・低コスト型の無線規格が利用されます。近距離でデータ転送を行うものが実用化されている技術の中心ですが、今後日本市場で実用化が進む100メートルを超える無線局免許不要のLPWAの各規格の実用化が期待されています。

② M2Mとワイヤレスセンサーネットワーク形態
M2M機器は、センサーによりデータを感知・収集することが必須の要素となることから、ワイヤレスセンサーネットワーク形態とほぼ同様のネットワーク形態がとられます。機器間をツリー型・メッシュ型・スター型・リニア型といったネットワークでつなぎ、上位のネットワークにデータをコーディネータ・デバイスから転送します。コーディネータ・デバイスは、M2Mゲートウェイデバイス、すなわちルータの役割をするデバイスが利用されます。

適用分野

適用分野には、多くのものがあります。

  • 省エネ エネルギーマネジメントシステム・スマートグリッドなど
  • ファクトリーオートメーション
  • 医療機器リモートモニタリング
  • サプライチェーン管理・物流
  • ITS インテリジェント交通システム
  • 鉄道車両遠隔監視
  • 環境リモート監視 
  • 放牧・養殖リモート監視
  • 広告表示
  • 決済システム関係

など、多くの適用分野があります。

人が24時間監視し、データを集積することが困難な現場・人手を今まで多く使ってきたのに対し少子高齢化の影響で深刻な人手不足が懸念される分野でM2Mの適用分野は、広がっていくものと考えられます。

自動運転システムも、将来的にM2Mが実現させる適用分野の一つです。

M2Mの実用例をあげると、

  • 博物館で観覧者行動をセンサーのついた小型デバイスで探知し、ゲートウェイを介してガイダンスの文字・画像データを小型デバイスに送信する
  • 家庭の電力消費量をセンサーと計測器で測定し最適な電力消費量を設定、コントローラーのついたゲートウェイデバイスで最適な消費量にコントロールする
  • 水田で稲につく病害虫をセンサーで探知・駆除のための装置の作動や、作業要請をすべてリモートで行う

といった例があります。

人手不足の克服・個人のニーズにあうサービスの提供・エコロジーといったニーズにこたえる用例が続々登場しています。

克服されるべき課題

M2Mについては技術標準化により、より効率的なエコシステムを作ることが模索されています。機器間通信の通信方式についてもそうですが、デバイス側に埋め込むチップセットソリューションについても標準化が行われることになるとベンダーの違いを超えて機器同士の通信を効率的に行うことができるようになるでしょう。

たとえばIntel、Samsung、 Broadcomなどが中心となって作られたOpen Interconnect Consortiumはソフトウェアについてオープンソースを利用したM2Mのアライアンスですが、アライアンスを中心により将来的に多くの産業分野を巻き込んだM2Mを実現する可能性があるといえるでしょう。

まとめ

M2MはIoTに欠かせない技術ですが、今後とも技術標準化・省コスト・省電力の通信方式の開発により、すそ野が広がることが期待されています。

IoTの目標がそうであるように、M2Mの目標も1台でも多くの機器がつながることですが、通信方式にみられるように現在M2Mにかかわるベンダーは群雄割拠といった様相でなかなか標準規格の登場には時間がかかりそうです。Open Interconnect Consortiumのような標準化団体の動きは、注目すべき動きと言えそうです。

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