【IoT用語集】IoT プラットフォームとは?

はじめに

IoTプラットフォームとは、IoTサービスを提供するための共通基盤となるソフトウェアまたはハードウェアのことです。

アプリケーション開発環境・アプリケーション・クラウドサービス・サーバによるデータ収集・蓄積・分析・サーバの監視・セキュリティ・通信など、IoTサービスを提供するために必要となるサービスを一つのソリューションとして提供するサービスをIoTプラットフォームと呼んでいます。

実例を挙げますとIBMWatson IoT、日立製作所のLuminada、マイクロソフトのAzure IoT 、AT&TのAT&T IoT、アマゾンのAWS IoT、GEのGE IoTなど、大手IT事業者・電機メーカー・通信事業者などがこぞってIoTプラットフォームサービスを提供しています。

IoTプラットフォームの構成要素

IoTサービスは、モノのインターネット=Internet of Thingsから集約される数多くのデータから、消費者の動向・物の管理状況・エネルギーの消費傾向などサービスのキーとなるデータを分析・抽出して、ユーザーの生活の質・生産するモノやサービスの付加価値を高めるためのサービスです。

通信・データ・デバイスの構成要素+アプリケーションソフトウェアの組み合わせでソリューションは無限に広がる可能性があります。

これら、IoTサービスに必要不可欠な構成要素をそろえておくこと、また、IoTサービスに必要なアプリケーションソフトウェアや通信ミドルウェアの開発環境までもそろえておくことがIoTプラットフォームの目的および存在意義です。

各社のIoTプラットフォームを横断的にみるとおおむね「通信」「データを蓄積する」「アプリケーションの開発環境」の3要素が共通に備えている機能ということができます。

IoTプラットフォームのサービスアーキテクチャ

IoTプラットフォームのアーキテクチャは、サービスの中身を自由に出し入れする三層からなる「はこ」のように考えることができます。

大まかにいって、上位層(主にサービスを提供するアプリケーション群、データ取得や分析・センサのコントロールなどが代表的なサービス)・中位層(主にデータ蓄積を行うサーバおよびアプリケーション群)・そして、下位の通信および開発環境の三層に分かれ、それぞれのレイヤにアプリケーションと通信機能が含まれクラウド化されています。

IoTプラットフォームのエコシステム

ところで、上記の構成要素を一から作り上げることは、開発者にとってもユーザーにとっても非常に負担が大きいことです。

IoTデバイス共通の通信プロトコルやハードウェアの規格は共通化できますが、共通化されていない・されにくいIoTサービスの構成要素をユーザーまたはアプリケーションソフトウェアの開発者やベンチャー企業が逐一調達することは現実的ではありません。

IoTプラットフォームは、調達コスト・工数を削減することになりますのでサービス提供のアイディアがプラットフォームを介して実現するまでの時間・コストを大幅に短縮できることになります。

こうして中小の事業者からジャイアントと呼ばれるベンダーまでより良いソリューションを作り出すことに資源を集中させることができます。ユーザー側にとっても当然ですが、主要なIoTサービスをプラットフォーム単位で選択できることは、時間効率が高いことです。

このように産業界全体の規模で「エコシステム」が成立することがIoTプラットフォームの存在意義です。いままではITサービスにおいては、ユーザー側に立っていたベンダーが、おもにデバイスを通じてIoTプラットフォーム提供事業者として市場で認知されていることです。このことも「エコシステム」であることの証拠の一つと言えます。

各IoTプラットフォームの特色

IoTおよびプラットフォームのアーキテクチャは、既述のとおり「はこ」のようなものですので各ベンダーからリリースされているプラットフォームには、「はこ」の中身によりどういう分野に強いか・どういう利用が想定されているかといった特色・傾向が見られます。

サービス寄り・開発環境提供寄り・ハードウェアへの依存度など、ベンダーの強みごとに特色がみられます。ベンダーの強みに従ってユーザーは、IoTプラットフォームを選択することが通常です。

スマートシティ構想にみられるエネルギー消費の動向のような極めて大きなデータを自治体単位で処理・蓄積するサービスを考えた場合、処理の安定性・迅速性が必要になります。

こういう場合は、IoTデバイスまたはIoTデバイスに近い上位層でデータを集めるだけでなく、分散処理も進める「エッジコンピューティング」に強いIoTプラットフォームが選択されることになるでしょう。

産業用ロボットの制御などIoTデバイス側でモノを動かすことを中心に考えた場合、ハードウェアを安定して制御するための開発環境やアプリケーションが重視されることになります。こうした場合は、すでにある産業用ロボットに関するアプリケーション技術を持ったメーカーによるIoTプラットフォームが選択されるでしょう。

まとめ

上記に見たようにIoTプラットフォームは、デバイス・サービスを効率よく利用し、また、サービスに必要な要素を開発する環境ということもでき、プラットフォームを提供する事業者・デバイスやソフトウェアを提供する事業者、ユーザー、すべてを巻き込む「エコシステム」であることが特徴です。

今後どういう付加価値が提供されるか注目が集まっています。

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