【IoT用語集】ESCとは?

はじめに

ESCとはElectronic Stability Controlの略称を言い、自動車に装備される横滑り防止装置のことを言います。このESCが開発されたことにより、これまでドライバーの技量だけにこだわっていた自動車走行の安全性が、ESCの補助によって非常に高まりました。

では、ESCとはどのような機能で、どのような役割を果たしているのでしょうか。具体的な機能について説明します。

自動車の安定走行を支えるESCについて

ESCは自動車の安定走行をさせるのですが、ESCの役割として主に2つのものがあります。

① 自動車の高速走行を支えるESC
自動車の走行においては低速もあれば、高速もあります。一方で、自動車はスピードが高速になるにつれて、重心が不安定な状況となり、横揺れを起こしやすくなります。

例えば、以前の車では、高速道路で80キロから100キロ程度をだすと、自動車が横揺れを起こし、安定した走行ができない状況でした。また、ハンドルも小刻みに揺れることもありました。

もちろん、自動車のタイヤ自体のバランスや車両全体にかかる重量のバランスによっても横揺れの誘発してしまうこともありますが、横揺れの主な原因は自動車の重心やステアリングの角度、車と地面との角度であるとされています。

ESCは、車の角度を確認するためのジャイロエンサーと連動しながらその横揺れの要因を引き起こす自動車の重心や角度を察知し、自動車を安定にするための制御を行うことが可能となりました。

② 自動車の滑りを制振するために機能するESC
一方、自動車の運転において危険性が増す場面は、雨の日の走行や雪の日の走行です。このような天候の場合には路面と自動車のタイヤとの摩擦力が減り、滑りやすい状況となります。

滑りやすい路面においてはスピードを出さないように運転することになるのですが、不意に自動車が滑ってしまう場合、ドライバーはとっさの判断で急なハンドル操作をしてしまいます。

滑りやすい路面路上においては熟年のドラーバーにとってもハンドル操作が難しいのですが、
この急なハンドル操作によって車両のバランスが崩れ、事故を起こしてしまうことが多くありました。

しかしながら、このESCがその状況を助けます。ESCはその異常は動きを察し、自動的に全車輪に対して自動車を制振するためにブレーキをかけることにより、滑りによって発生した車両の空転を抑え、自動車の正常な状態に戻します。

ESCによる効果について

① 高の高い自動車も増加
ESCの開発により、自動車が高速走行でも安定性が増し、横揺れがしにくいものとなり、ドライバーの運転技量への依存度が減ってきています。また、ESCを搭載する車種も次第に増えてきている実情です。

現に、最近では車高の高いワンボックスカーを購入されるご家庭が増えています。高速道路においても、たくさんのワンボックスカーが軽快に走る姿がよくあります。

一見、車高の高い自動車は風の影響も受けやすいことから高速になるとバランスが崩れてしまう傾向があるのですが、ESCの技術により高速走行でも安定性をもって運転できるようになりました。

② 高速道路の制限速度の緩和
ESCのような自動車の安定走行に寄与する機能が次第に増え続けていますが、ここ1、2年の動きとしては、全国各地の高速道路において速度制限を緩める動きがあります。

現在の高速道路の制限速度は最高で100キロですが、カーブが少なく、スピードが出ても運転に支障がない、いわゆる高規格で建設された高速道路においては制限速度を120キロとする動きがあります。

このような動きの要因は、近年の自動車の性能が向上し、安全性が高まっていることを示していると言えます。

③ 自動車による事故の減少
ESC導入によって、自動車の安定走行をさせるようになりましたが、この結果として、自動車の事故件数も減少傾向にあるのは事実です。

特に顕著なのが、自動車の単独事故と単独事故による死亡事故率の減少です。平成8年では車両単独事故による死亡率が6パーセント強ありましたが、平成20年の統計では3.19パーセントに減少し、さらに減少傾向にあります。

自動車のハンドル操作を誤った単独事故自体は0ではありませんが、ハンドル操作を誤ったとしてもESCの効果によってその事故のダメージを軽減できるようになっています。

ESCの義務化について

ESCの導入により自動車事故の減少原因となっていることは事実ですが、日本においての普及率はまだ60パーセント程度にとどまっています。そこで、2010年から国土交通省の管轄のもと、乗用車へのESC導入を義務化する動きになっています。

新型車として発売の車種やフルモデルの車種への義務化から始まり、既存車種、および軽自動車にも義務化が適用されております。また、大型のトラック、バス、トレーラーにも義務化の動きがあります。

まとめ

自動車は、日常生活において欠かせないものです。安全性を高めるものとしてESCは欠かせない技術の一つといえます。

ただ、ESCがあるからといって無謀な運転をするのではなく、安全運転にはドライバーの意識が必要です。