【IoT用語集】IoCとは?

【IoT用語集】IoCとは?

はじめに

IoCとは、Internet of Customer(顧客のインターネット)のことをいい、Internet of Things(モノのインターネットIoT)の先にあるものとしてSalesforce.com(SFDC)
やマイクロソフトが主唱している概念です。

2013年にSFDCのマーク・ベニオフCEOによるDreamforce基調講演におけるIoCの提唱に続き、2015年マイクロソフトとのIoC分野での提携プレスリリース、その他国内外ソリューションベンダーの追随によりIoCという用語が使われる機会が増加しています。

IoTがモノとモノをインターネットでどれくらい多くつなぐことができるかということを技術的な課題としている一方で、IoCの考え方は、IoTをつかってどのように顧客に対して付加価値の高いサービスを提供できるかに問題意識をおきます。

言い換えるならば、IoTを技術でなくサービスの側から見たものの言い方ということもできます。IoTで顧客に届けるサービスとしてなにができるのか、明確な答えがないまま機器をつなぐだけでは意味がないとの主張は確かにマーケット全体に説得力をもつものです。

マーク・ベニオフの2013年の「IoC宣言」ののち、振り返れば続々と大手ITベンダーがサービス寄りのビジネスシフトをとることになりました。

IoCを実現するためのIoTコンポーネント

デバイス

IoTデバイスはカメラまたはセンサ付きデバイス、人に直接身に着けさせるウェアラブルデバイス、電力消費量・気象等の観測データ記録用デバイス、無線ネットワークに接続可能な家電製品など無数に市場に出回っていますが、これらのデバイスにより時々刻々と記録をつけていきます。

デバイスで記録された情報は、スマホやPCといったゲートウェイ機器により可視化されます。

無線LANネットワーク

さらに、デバイスで記録されたデータはインターネット回線を通じてサーバに蓄積されます。蓄積されたデータは分析され、時にAIを通じて時系列データや顧客の行動を学習・予測し、ネットワークを介して再利用のために引き出され、データに基づいた活動が行われます。

クラウドサーバ

蓄積されるデータは膨大なものですので、クラウドサーバの利用がほぼ必須と言えます。

付加価値の高いIoCへ IoTサービスの特色と顧客志向

IoTサービスには下記に挙げるような特色があることから、個人・法人・その規模にかかわらず広い顧客層にサービスを提供することができ、かつ、それぞれのサービスの付加価値が高いものにできるとされます。

双方向性・パーソナル

① IoTによるサービスの特色として双方向性があります。双方向にデバイスを通じたコミュニケーションがあり、また、デバイスによって計測されるデータは無数にあることからひとたび顧客が識別されると、

  • 顧客1人1人のニーズを適時に汲む。リアルタイム把握・分析も可能
  • 顧客のプロファイル・生活史・健康データなど、多くの要素から顧客を把握可能
  • 極めて多くのデータを合理的に分析

といった効果が期待できます。

② サービスの豊富さ
デバイスの数だけデータが取得でき、それらのデータは分析・活用の対象となることからIoTからは「なんでもサービスになる」と言われることがあります。

③ 低コストでデータ活用を実現
IoTのサービスコンポーネントであるデバイスやクラウドサービスはそれほど高価なものではありません。

いままでデータ活用のための大規模投資を行いにくかったり、ニーズを吸い上げることが難しいとされていたNGOなどの非営利団体・福祉団体が、IoTによるデータ共有プロジェクトにサブスクライバ―等の資格で参加しデータ活用をおこなう道が開かれています。

ビッグデータによるスケールの大きなサービスが可能
IoTは一人一人のデータの積み上げで成り立つものですが、携帯電話普及台数が地球の人口を超えるほど普及し携帯電話がIoTのコンポーネントの一部となっていることから、すでに携帯電話からIoTサービス用に利用されうるデータとして取得・蓄積されたデータは膨大なものとなっています。

また、電子マネー・ウェアラブル端末から取得蓄積されるデータも年々増えていきます。 

これらの「ビッグデータ」の利用については、スマートグリッドのような広域のエネルギーマネジメントサービス目的や感染症予防などの目的でも利用され、スケールが大きいプロジェクトも多くみられることがひとつの特色と言えます。

Customerが民間企業に偏ることなく多くの人口を擁する地方自治体・中央官庁にも広がり、事例紹介がSFDC・マイクロソフト、IBMのコーポレートサイトにも登場しています。

まとめ

IoTはパーソナルデバイスを通じてダイレクトマーケティングを可能にし、リアルタイムデータ分析を行わせることができるため、ひとりひとりの「今」のニーズを把握することが可能であると同時に、クラウドサーバと結びついて、数十億の大量データを短時間に正しく分析するということも可能です。

IoTサービスの特色を生かして、いままでにないユーザーエクスペリエンスをもたらすIoCに今後注目が集まるところとなるでしょう。

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