【IoT用語集】IMESとは?

はじめに

IMESは、屋内で位置情報を提供するインドアメッセージングシステムのことです。

人工衛星から測位をはかる電波を発出し、位置情報を提供するGPS等のGSNNサービスは、屋内に人工衛星から電波を届けることができないことから地下街やビルといった屋内での位置情報提供が課題となります。

これを解消する技術として、日本のJAXAにより開発されました。

IMESは、GPSおよび準天頂衛星みちびき(QZSS)による測位情報の相互参照および地上にあるメッセージ送信機の組み合わせにより、室内での数メートル単位での位置情報を提供することができます。

特色として「階数」の情報をつけることができ、位置情報に付随情報を付加させることもできます。

IMESの技術的特徴

IMESの技術的特徴は、「準天頂衛星システムユーザーインターフェース仕様書」により定義されています。

メッセージの送受信

IMESは、位置情報をメッセージにより受信機で知ることができるサービスです。具体的にはGPSサービスにより割り振られたGPSと同じ周波数・電波方式を用いてIMES用送信機により電波を送信することにより、受信機側で位置情報を受信するということになります。

利用する周波数は、GPSのL1と同じ1575.42メガヘルツです。しかし、IMESは位置情報を計測する仕組みは持っていません。

衛星により提供される測位サービスで与えられた位置情報に、室内用の付随情報を付け加えてIMES送信機からメッセージ信号を受信機に送信することとなります。送信機から送信されるデータは、「準天頂衛星システムユーザーインターフェース仕様書」によりメッセージタイプとして4種類が規定されています。

メッセージ#1と2は緯度と経度、階数情報を送信するもので、制度により1と2が分類されます。それ以外にメッセージタイプ#3として12ビットのShort IDが、同じく#4としてMedium IDが仕様書により規定されています。

送信機が室内に複数あれば、信号の強弱により位置情報を選択する仕組みも備えています。

微弱電波-電波局の免許が不要な送信機

IMESの送信機は出力が極めて微弱なので電波法第4条第1項に該当する無線局には該当しません。このため送信機設置のための法的なハードルは、比較的低いものと言えます。

その一方で、利用条件が送信機同士やGPS・QZSSからの測位信号の干渉を防ぐ目的から定められており、こちらは厳格に適合する必要があります。

衛星番号PRN・国土地理院位置情報コードの割り当てによるデータの正確性

IMESにはGPSの衛星番号が10個割り当てられています。すなわち、このことにより送信機からの基本位置情報はGPSからの正確な情報であることが保証されるため、IMESの位置情報は信頼性が高いといえます。

また、位置情報に関する詐欺的行為を予防する目的で、この番号割り当ては厳格に行われています。これにさらに国土地理院から閲覧可能な位置情報コードが割り当てられているので、個別の施設の位置情報の正確性が担保されます。

IMESの限界

スマートフォンでのIMES情報受信には、専用のファームウェアをインストールしなければならずスマートフォンのGPS機能はそのまま使うことはできません。

また、送信機からのメッセージは位置情報を表して自発的に測位することができないこので、マスターデータが更新されないと最新の位置情報が反映されないといった限界があります。

位置情報が日本の施設に限られており、IMES信号そのものも国内規格であるのでGPSサービスに対して国境を越えて位置情報の補完サービスを提供することにも限界があります。

これらの理由ためIMESのみの単体では付加価値が低いとされ、他の類似技術・類似サービスと組み合わせることにより付加価値の高いサービスにする道が模索されています。

屋内計測の方法あれこれ IMESの類似技術・サービス

Beacon測位 Bluetooth Low Energyと組み合わせて位置情報をビーコン端末から提供するサービスです。Apple のiBeaconが著名な技術で、屋内位置情報の提供サービスとしてすでに一部に普及しています。

スマートフォンのBLE機能を用いることができることから多くの利用者からアクセスが可能と言えますが、アプリケーションのダウンロードがないと使えないことはサービスの幅を広げる要因になると同時に利用者数を増やす壁にもなるとされています。小型専用端末の開発・普及も模索されています。

Wifi測位計測 Wifiはすでにネットワークが張り巡らされており新たな投資は必要ありませんが、基地局の密度を相当に高めないと正確な位置計測がしにくいところが技術的にはデメリットです。

歩行者自立航法 

歩行者がスマートフォン等で計測した位置情報を蓄積・参照することにより特定の施設位置を推定するといった計測技術ですが、誤差も次第につみあがっていく特徴があり、正確性の担保が課題になります。

地磁気測位 建物等から放出される地磁気データを蓄積・参照し、位置を推定する測定方法ですが、こちらも鉄道設備等地磁気に影響を及ぼしやすい設備により生じる誤差が課題となります。 

まとめ

IMESは、類似技術との組み合わせにより室内での位置情報提供を進めるものと考えられます。ダイレクトマーケティング・施設内の案内・医療技術・ICタグを組み合わせた生産管理等、今後の用途の広がりが期待される技術として注目されます。

2018年のみちびきの一般ユーザー向け本運用を契機にどのように発展していくか、楽しみです。

AIの採用により製造プロセスの完全自動化、応答性の高いマシンを実現。コグニティブ・ファクトリーを可能にする 世界のIoTに関するレポート公開中