【IoT用語集】GSMAとは?

はじめに

GSMA=GSMアソシエーションとは、GSM方式とその派生技術を採用している移動体通信事業者やその関連企業からなる業界団体です。GSMおよび関連技術の標準化・開発、宣伝活動を目的に1995年に設立されました。

本部はイギリスロンドンです。現在では、携帯電話のオペレーター約800社に携帯電話機器メーカー通信機器ベンダー・ソフトウェアベンダーなどの関連産業に属する事業体300社から構成されています。
 
現在では、第二世代移動通信網であるGSM方式によらない移動体通信事業者(3G,4G、LTE)も多くなっていることから加盟通信業者が必ずしもGSM方式を利用しているものではありません。

かつて、安価で広い普及を目指した第二世代移動体通信網のシンボルとしてGSMがその名称として使われているものです。1987年に12か国の13オペレーターによりGSMAに関する覚書が調印されたのが始まりで現在に至っています。

メンバーシップ

GSMAのメンバーシップは二種類からなっており、フルメンバーシップは移動体通信事業者向けであり、アソシエートメンバーシップは移動体通信事業者以外で携帯電話のエコシステムに関連する活動を行う事業者に開かれています。

アソシエートメンバーシップはかつてハンドセットメーカーやソフトウェア業者の加盟が中心でしたが、現在では金融サービス業者や健康関連業界の事業者も加盟しており、通信により提供されるサービスの事業者の新規加盟が目立っています。

なお、メンバーシップは民間の事業体だけでなく政府系の事業体の加盟も認められていることから、GSMAは移動体通信事業であれば公共事業と民間事業とを総合的にコーディネートすることができる特色のある団体です。

活動の目的と活動内容

GSMAは、新技術をめぐる開発を行うと同時に規格やのぞましい規制の在り方を加盟事業体の利益のために推進するアドボカシー活動をしています。

周波数割り当て・ビッグデータの利用とその規制動向、新興市場でのデバイス普及率など、移動体通信業者にとって政策・法規制のいかんによりその将来が左右される不確定要素が多くあることから、アドボカシー活動や事業者同士がビジョンを共通にすることが重要な意味を持っています。

プログラム・アドボカシー

そこで、GSMAは活動の中心として「インダストリープログラム」をいくつかの事業について有しています。現在「未来ネットワーク(リッチコミュニケーションと音声LTEを推進)」「アイデンティティ」「IoT」の三分野のプログラムがあります。さらに、GSMAが運営するワーキンググループとしては、「ローミング」「相互接続」「詐欺行為とセキュリティ」「知的財産権」の各分野があり、他の分野の専門家コミッティと並行して活動を行っています。

各国の政策・規制をフェア・柔軟、そして将来への影響を考慮したものとし、かつ、移動体通信技術をタイムリーに、また、新興市場においてもフェアに実用技術として普及させることがこれらの活動の目的です。

社会貢献活動・サステナビリティ

移動体通信事業者の利益・移動体通信の永続的な発展のために、デジタルデバイドの解消や社会貢献活動もGSMA加盟事業体の課題として意識されています。

Big Data for Social Goodにより、NGOに環境保護・感染症予防活動向けのビッグデータを提供する事業や国連基金への協力などはGSMA加盟事業体の将来の課題への取り組みということができるでしょう。

産業動向に関する情報提供

GSMAはかつてGSM方式の携帯電話ですべての人口がつながることを目標にしていましたが、現在移動体通信で接続されているデバイスの数は約84億と地球の人口数を超え、世界で5億人の加入者が移動体通信会社の通信サービスに加入しています。こうした移動体通信に関する最新のデータ提供もGSMAにより行われています。

広報宣伝活動・MWC(モバイルワールドコングレス)の主催

GSMAは、広報宣伝活動としていくつかの著名なイベントを主催しており、たとえばバルセロナのモバイルワールドコングレス・モバイルワールドコングレスアメリカ、モバイルワールドコングレス上海、モバイル360シリーズ会議をあげることができます。

なかでもバルセロナのモバイルワールドコングレスは、ハードソフト問わずモバイル産業動向を占ううえで重要なイベントとされており、世界中から多くの参加者を集めています。

2017年のデータによるとモバイルワールドコングレスは10万8000人の参加者があり、出展事業体は約2300、通信オペレーターの参加は400社でした。2016年には炭素排出量ゼロの最大のトレードショーとしてギネスブック世界記録入りしたことがあります。2018年も2月末から3月にかけてバルセロナで開催される予定です。

まとめ

GSMAはかつてGSM技術の普及を活動目的にしていましたが、IoT時代が到来した現在では移動体通信事業がシームレスにデバイス・通信方式の差異を問わず、永続的に市場の隅々までつながることを大きなビジョンとしてかかげ、各種活動の究極の目的にしています。

MWCも波はあっても依然としてモバイル分野でのトレードショーとして重要な意味をもちます。今後、仮想通貨ブロックチェーンの進展により、金融サービスと移動体通信の分野で近い将来世界が変わる、との予測がありますが、GSMAは中心的な業界団体となっていく見通しです。