【IoT用語集】GPSとは?

【IoT用語集】GPSとは?

はじめに

GPSとは、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System)を略したもので、GNSS=「全地球衛星測定システム」(Global Navigation Satellite System)のうち、米国で運営しているシステムのことです。

地球上の特定の場所や位置を人工衛星・電波受信機および電波標準局の三地点からの電波を送受信することにより計算し、位置を算出するシステムです。各種位置情報提供サービスに使用されています。

GPSは、米国の空軍で開発され1970年代から軍事用に利用していたものを一般開放したという歴史があります。他のGNSSの仕組みと同様におよそ2万キロメートル上空を飛行する衛星から発信される電波の発信時間と受信時間の差分およびこれからみちびかれる受信機までの距離情報を複数組み合わせて現在位置を算出します。

高い普及率・利用率

歴史の長さやGPSとコンピュータ技術を組み合わせてできるサービスの多様さで、世界の位置測定システムのうち利用者数最大を誇るシステムとされています。とくに携帯電話の普及以降は利用者数が増加しました。

現在ではGPS受信機能がほとんどのスマートフォン・携帯電話に搭載されており、40%を超える日本のユーザーがGPS常時オンにしているとのデータもあります。

また、多国間の衛星を利用するMulti GNSSでは、一国の人工衛星ではカバーできない観測点について他の国のGNSSを利用することでカバーすることが可能ですが、米国のGPSは、Multi GNSSにおいて他の国から最も利用されているシステムです。

GPSの仕組み

測定の方法・技術 
① 人工衛星による位置の割り出し

  • GPSは、人工衛星から発信された電波を受信器で受信し、発信電波の到達時間から算出される距離の差をもとに位置を算出する仕組みが基本的な仕組みとなっています。電波の発信は送信機側である人口衛星からの一方通行で受信機側からの電波発信はありません。

② 誤差の克服

  • 誤差が生じる原因
    理論上は、一定の位置の軌道を一定の速度で航行する人工衛星の軌道距離と推定される地上からの人工衛星の距離が軌道上で特定できれば位置が特定できるはずなのですが、電波には拡散性があり、そのうえ電離圏・対流圏・地上で電波干渉・反射の影響をうけるので多重波伝播(マルチパス)が発生しやすくなることからデータの信頼性に問題が生じやすくなっています。

    また、正確な時間が上空のどこでも測定できなければなりませんが、GPSに利用されている原子時計にも誤差は生じえます。また、かつては軍事上の理由により、人為的誤差が加えられていた時代もありました。

  • 複数の人工衛星による観測
    GPSでは1地点の位置測定あたり人工衛星4基・3地点のデータ照合により誤差を解消します。発出された電波の届く範囲を円弧として算出し、その交点から正確な位置を割り出すことにより位置情報を提供することが基本的な仕組みです。

③ 誤差の補正技術

  • 基地局による補正
    GPSの衛星データを補正し、正確性を高める目的で地上には基地局を置きます。基地局は、緯度、経度そして標高が確定しており、中波を使い主に時間を補正し、衛星からの電波受信により算出されるデータの誤差を相殺する役割をします。この補正のことをDifferential GPS(DGPS)と呼びます。

その他の補正手段
DGPSを用いた補正の手段としては基地局のほかに下記のような手段があります。

  • 海上ビーコンによる補正
  • 静止衛星による補正
  • 準天頂衛星(みちびき)による補正 
  • 民生用GPSと軍事用GPSのすみわけ

民生用GPSと軍事用GPSは、利用する周波数・電波方式・人工衛星の高度制限ですみわけを行っています。一般の利用者がカーナビ・スマホやスマートウォッチで受信する電波は1572.42MHz(L1帯)で、CDMAのような民生用電波方式が用いられます。

なお、L1帯の周波数を用いる理由は、周波数特性からマルチパスに強いことやヨーロッパのGNSSであるGalileoとの互換性を持たせるためです。

GPSの特徴

  • 高精度 
    正確性とデータの信頼性が高いものとなっています。
  • 継続性 
    複数の衛星のライフサイクルを利用することにより、継続的利用が可能になります。
  • 高可用性 
    人工衛星によるサービスは、複数の衛星の利用により、24時間365日止まることがありません。

ただし、屋内の位置情報については、人工衛星の技術を使うため、対応できないという限界があり、屋内位置情報についてはBeacon(ビーコン)とBluetooth Low Energyによる位置情報提供サービスに期待がもたれています。

GPSを使ったサービス

現在GPSを使った個人向けサービスはスマートフォンやタブレット端末のアプリケーションソフトウェアとの組み合わせで無数に提供されています。

アップルウォッチの発売以降は、GPSによる位置情報と、心拍数等の健康データ情報との組み合わせによるライフログ・スポーツ向けのサービス利用者数が爆発的に伸びるなど、位置情報を超えて付加価値を提供するサービスへのシフトが見られています。

まとめ

GPSはもっとも身近な宇宙利用技術であり、開発が始まって以来50年の歴史がある技術です。ゲームやライフログの普及といったあたらしいGPSの利用の仕方により、場所を知る以上の付加価値を提供しています。

GPSはGNSSの中ではもっとも利用者の多いシステムですでに成熟性が高い技術ですが、今後GPSを技術的に補完するサービス・宇宙開発が多国間でより普及することに伴い、さらに世界中でサービスの利用が増大すると見込まれています。

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