ドイツのインダストリー4.0はどこに行くのか

industrial-4.0

第4次産業革命だと言われたが、現実には、想定よりも進捗していない。

その原因の1つは、ドイツ特有の「観念論」を基礎にしていることにある。もう少し現実的に、領域を絞って、トライ&エラーで、理想を実現していくことが必要であろう。

インダストリー4.0の本質は、製造業において、通信が可能なあらゆる物事(物理量などの計測値、設定値、プロファイルを含む)を、業界を横断して、標準化して管理できないかという構想だ。つまり、インダストリー4.0を一種の「規格」のようにして、「インダストリー4.0コンポーネント」に準拠した製品群というものを創り出せないかというものだ。

そのために、インダストリー4.0では、「Administration Shell」(「管理シェル」)という概念を作り、その具体的な標準化をいますすめている。つまり、製造業におけるすべての情報に、IDを付けて、同じようなフォーマットで、統一的な情報交換ができないか?というものだ。

Administration Shell

Administration Shell

しかし、常識で考えて無理がある。具体的な世界との差がありすぎる。

個人的には、もうすこし領域を絞って、すこしずつ、現実にすでにある具体的な世界を抽象化する作業が必要であると考える。いっきょに、しかも演繹的に解決しようとしすぎている。

例えば、自動車産業にしぼってみても、その製造工程にある情報を標準化しようとしたら、それはそれは、大変なはずだ。自動車の完成品メーカ、部品メーカ、そこに使用されている機械・ロボットメーカ、またその中に使用されている機器メーカの、各関連製品のすべてにかかわる標準化だ。

インダストリー4.0は、総論および理想論としては、たしかにOKだろう。後は、現実および実践としてどうかである。すでに合意文書が出だされてから6年が経過している。そろそろ「観念論」を脱するべき時期にきているのはないか。

参考

https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180920_AdShell/Report_AdministrationShell.pdf
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1506/03/news020.html