組み立て作業現場におけるハンドツールのトラック&トレース テストベッド - Bosch

組み立て作業現場におけるハンドツールのトラック&トレース テストベッド - Bosch – 記事

航空機の建設には、ネジの種類と、特定の部品を接合するためにどれほどの力を使わなくてはいけないかを指定する精密な規制があります。旅客機の場合には、そのようなネジは何千もあり、その緩締状況は正確に文書化する必要があります。翼の接合部は、当然、航空機の窓の接合部とは異なる量の力を必要とします。
今回紹介する、Bosh(ボッシュ)のトラック&トレース・コネクテッド・ツールでは、作業場でのツールの正確なロケーションを特定することが可能となります。航空機の位置も固定されているので、特定のツールは垂直スタビライザーにあると判断できます。この前提を基に、当該ツールにそこでの緩締に使用すべき力をしている指示を送ることが出来るのです。

テストベッドの概要

参加企業:Bosch(ボッシュ)、Cisco(シスコ)、SAP SE

課題:航空機など巨大で精密かつち密さが要求される組み立て現場では、ハンドツールが間違った使い方をされることで、作業員の怪我や作業の遅れのみならず、後々の航空機の不具合や事故につながりかねない、重大な結果を招く可能性があります。
そのためには、ハンドツールの現在地の確認、ハンドツールへの正しい指示の伝達、更にはそれが間違った使われ方をした際にハンドツール自体から警告メッセージが発せられるなどの、ハンドツールのスマート化が実現することは、作業効率、工程管理、安全管理などの観点からも非常に重要な事となります。

ゴール:当初は製造現場でのネジ締め器具、ドリル、測定器、溶接機などプロセス・ツールの使用に焦点を当て、設備効率、プロセス・パフォーマンス、プロセス・クオリティーに関連したデータ収集を目指すことを重点目標としました。更に、データをツール自身から収集することで、プロセスの最適化を図ることも達成目標としています。

トラック&トレース
トラッキングはローカライズに関連し、トレースはツールの利用に関連しています。テストベッドではこのコンビネーション、ツールが特定の場所で特有のコンフィグ及び較正の下で使用されている時のデータの解析も含めて評価をしています。
対象となるすべて(ツール、ハードウェア、ソフトウェアなど)はプラットフォームにリンクされています。これは、すべてのシステムに組み込まれている分散型インテリジェンスにリンクされたアーキテクチャを使用しているということです。
未来のファクトリー環境では、ツールそれ自体にもインテリジェンス(少なくともオンボードまたは装着型コントローラー・サポート機能)が備わっています。これが物理的なツールプロセスにリンクされたオンボード・センサーおよびアクチュエーターと組み合わせて、プロセス入力データのローカル処理を確実にするために、ワイヤレス・コネクティビティと共に重要となります。

トラック&トレースの初期導入段階では、スタンダード・センサーを異なるツールに取り付けているにすぎませんでしたが、テストベッドが進行するにつれ、異なる需要があることが明らかになってきました。ツール同士がお互いに情報を交換できるようにすれば、例えば航空機内部のWiFiが届かないエリアで作業をしていても、インストラクションの確認などが可能で、多くの課題を解決することが出来ます。
進化したトラック&トレースでは、SAP車両インサイト及びSAPウェアハウス・マネジメントとの統合を果たしました。

オープン・インタフェースとインタフェース・ベースの統合に明確に焦点を当てると同時に、これを普及させることは重要です。APIを介したソフトウェアのオープンさは、効率的な統合を実現する為の主要因となります。
様々なサプライヤーが提供する、多岐にわたるハンドツールを相互接続するために、標準的でニュートラルなインターフェースを定義しています。これにより、Boschのエンジニアだけでなく、サプライヤやパートナーも、現場全体のサポートシステムに適合するツールやアプリケーションを自ら開発することが可能となります。

成果:航空機の組み立て現場でのハンドツールの現状位置確認を初期の目的として、開始されたテストベッドですが、製造現場での活用のみならず、ウェアハウスでのフォークリフトの有効活用などの分野でも成果を上げています。ウェアハウスでの検証実験では、同じ作業量をより少ない数のフォークリフトで完了させることが可能か、という次の段階の挑戦に挑んでいます。

本テストベッドから学んだ重要なレッスンは、この分野の開発には明確な最終地点がなく、様々な業界での活用が可能だということです。顧客が関与することにより、使用例が追加され、特殊なサブソリューション、または特定のツールの組み合わせをサポートするための拡張が行われるようになります。

≪参考資料≫
https://blog.bosch-si.com/industry40/airbus-factory-future/
https://www.iiconsortium.org/track-and-trace.htm
https://www.iiconsortium.org/images/TrackAndTrace_EN_WL_800px.pdf
https://www.iiconsortium.org/pdf/June_2017_JoI_TrackTrace_Testbed_Interview.pdf