製造工場でのロス解析によるOEE(総合設備効率)の向上 - IICケーススタディ

製造工場でのロス解析によるOEE(総合設備効率)の向上 - IICケーススタディ – 記事

製造工場で発生する様々な種類のロスは、生産性の低下やコストの上昇など企業の直接的な負担を増加させます。アセット・フェイリュアなどの一部の機能停止は、従来の方法で測定できますが、先進的なシステムの機能停止に関しては、根本理由の解析が必要となります。
これらに加え、測定することが非常に困難な様々な非常に小さな機能停止もあります。これらの小さな機能停止が頻発することもあり、この“ちょっとした機械の停止”の影響は見逃すことが出来ません。
その他の機能停止は、部署間のコミュニケーションの欠如などによって発生します。

今回は、Ascent Intellimation(アセント・インテリメーション)が提供するスマートファクトリー・ソリューションであるPlantConnect SFactoryを利用したケーススタディを紹介します。インド最大級の電気器具メーカー及び精密工学ソリューションを提供するSigma Electric(シグマ・エレクトリック)で実施されたこのケーススタディでは、PlantConnect SFactoryを利用して、ロス解析、OEE(総合設備効率)の向上、ジャスト・イン・タイム・メンテナンスなどのビジネスへの必要要件の充実を図ります。

OEE(Overall Equipment Effectiveness)とは

OEEとは、日本の公益社団法人日本プラントメンテナンス協会によって開発・提唱された、生産設備の稼働効率に関する階層化された指標を指します。リーン生産方式を採用して効率化を図る際の重要業績評価指標(KPI)の1つとして使われています。
設備の稼働スケジュール内で、その設備が設計上の効率に対してどの程度実際に稼働しているかを定量化したもので、(1)ローディング、(2)稼働率、(3)性能、(4)品質の4つの下位指標を基に計算されます。簡潔には、OEE = 稼働率 × 性能 × 品質の計算式で産出されます。

ケーススタディの概要

課題:様々な理由で発生する製造工場での不具合/機能停止は、生産の可用性(A)、パフォーマンス(P)、クオリティ(Q)にインパクトを与えます。これらの損失がOEE(総合設備効率)に影響を与えるのです。
どのような理由であれ、100%のOEE達成を妨げるものは『ロス』だと捉えられます。ですから、OEEを向上させるためにはロス解析を行いそれを解決するソリューションを見つけることが最も重要なのです。
しかし、従来の方法では、ロスを追跡し、その解析を行うことは非常に困難です。特に数々の
“ちょっとした機械の停止”などの解析を行うことは、不可能に近いものです。

解決策:Sigma Electricの生産工場では、Ascent Intellimationが提供するPlantConnect SFactoryを採用しました。ロスの種類を(1)可用性ロス、(2)パフォーマンス・ロス、(3)クオリティ・ロスの3つのカテゴリーに分け、ロスの3段階のヒエラルキーが設定されました。ロスエリア(A / P / Q) → ロスカテゴリ → ロス発生の原因、です。
これを基に、以下のロス主要カテゴリーが測定/解析されました。

  • “ちょっとした機械の停止”及びスピードの低下(パフォーマンス・ロス)
  • 設定ロス  機械の設定(可用性ロス)又はトライアル/ダミー生産(クオリティ・ロス)
  • 計画外ダウンタイム(可用性ロス)
  • 品質不良(クオリティ・ロス)
  • 資材/ツール/作業員不足(可用性ロス)

特に困難であったのが、“ちょっとした機械の停止”を測定/解析することですが、これを正確に行うために機械の状態(稼働中/アイドル/オフ)をエッジ・デバイスを用いて正確に追跡し、機械に接続されたセンサーが機械がその状態にある理由を探り出しました。

結果:2018年1月に“解析ステージ”がインストールされて以降、ロスの原因の可視化が可能になりました。以前は正確に測定することが出来なかった“ちょっとした機械の停止”が、ロスの最大要因であることが明確になったのです。
これを受けてSigma Electricは、“改善ステージ”として、(1)SFactroyを介してメンテナンス・チケットを自動的に発行する、(2)プロセスの変更、(3)スタッフ・トレーニング、(4)デザインへのインプット、の取り組みに着手しました。

Ascent Intellimation Pvt. Ltd. (AIPL)

Ascent Intellimation はインドに本社を置き、IIoTソリューション分野で業界を牽引しています。自社のエッジ・トゥ・クラウドIIoTプラットフォーム、PlantConnect®を開発し、産業型資産およびシステムからの(1)情報収集、(2)監視、(3)可視化及び(4)データ解析を提供しています。
PlantConnectプラットフォームは、現在インドおよび海外で1000以上の実装を果たしており、以下のソリューションを提供しています。

  1. PlantConnect® SFactory – スマートファクトリー/Industry 4.0ソリューションを製造企業に提供。そのフォーカスエリアは、パフォーマンスKPIs、ショップフロアのワークフロー、コンディション・モニタリング、製造業解析、規範的メンテナンス、エネルギー・マネージメント
  2. PlantConnect® RAMS – OEM/保守エージェント/設備レンタル会社及びユーティリティ企業向けのリモート・アセット・モニタリング・ソリューション
  3. EnviroConnect® – 周辺の空気の質、水質などを監視する、環境データ監視システム
  4. PlantConnect® Insights – 乳製品生産工場向けにリアルターム・データ・マネジメント、ヒストリック・データ、レポーティングなどを提供
  5. DATCon – 第3者IIoTプラットフォームへの統合を可能にするエッジ・ゲートウェイ

製造業の技術が拮抗し、競争環境が益々激化すると、いかにロスをなくしていくかが、競合他社に差をつける主要要因となります。企業の効率性・収益性を向上させるために、この分野でのソリューションの重要性は、今後さらに注目されていくことでしょう。

≪参考資料≫
https://www.iiconsortium.org/case-studies/AIPL-Loss-Analysis-Case-Study.pdf
https://www.iiconsortium.org/images/case-study-posters/Ascent-Intellimation-poster.jpg
https://www.linkedin.com/company/ascent-intellimation-pvt–ltd
https://en.wikipedia.org/wiki/Overall_equipment_effectiveness
https://sigmaelectric.com/products