AIを利用した製造工程の最適化テストベッド

AIを利用した製造工程の最適化テストベッド – 記事

製造業におけるAIの応用は、まだまだ発展途上段階です。さらなる調査と研究の必要がある主要な2分野は、(1)製造現場での実際の問題を解決するためのAIアルゴリズムの適用方法と、(2)エッジからクラウドへの最適な展開方法です。
更に、AIが広範に適応されるためには、実証可能な成功例を必要とします。さらに、この開発を可能にするためには、必要とされるIT/AIおよびOTの専門知識を結び付け、生産ドメインの知識をAIモデルおよびアプリケーションと統合するという課題もあります。

今回は、Industrial Internet Consortium(IIC、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム)が実施した、AIを利用した製造工程の最適化テストベッドを紹介します。

テストベッドの概要

スポンサー:Wanxiang Group(万向集団)

サポートIICメンバー企業:Thingswise(シングスワイズ)、Dell EMC(デルEMC)、Xilinx(ジリンクス)、China Unicom(中国総合通信)、China Academy of Information and Communications Technology (CAICT、中国信息通信研究院)

目的:このテストベッドでは、自動車製造環境での特定の生産品質、コストおよび効率性を向上するために、エッジからクラウド間で最適化されて分散されたAI知能を活用するために、マシーンラーニング・アルゴリズム、テクノロジー、及び技術的フレームワークの検証を行います。
更に、AIモデリング、アプリ開発及び生産ドメインの専門知識のそれぞれをエコシステムとして統合し、ドメイン・ノレッジ及びスマート・マニファクチャリング・アプリの開発に必要な機能を交換する為の産業用アプリ市場の育成に必要な、フレームワークとその方法も模索します。

ソリューション:このテストベッドは、エッジコンピューティング・プラットフォームとクラウドコンピューティング・プラットフォームから構成されるエンド・ツー・エンドの産業用インターネット・プラットフォームを確立するように設計されています。エッジ・プラットフォームでは、製造プロセスのローカル最適化のためにAIモデルとエッジ・アプリケーションが実行されます。
一方、クラウド・プラットフォームは、例えば生産ラインや工場間において、グローバルで長期的な最適化を可能にする実行機能を有します。データ/ AIモデル駆動型産業用アプリケーションの作成、テスト、および実行において、AI/IT開発者と工場エンジニアの間のコラボレーションをサポートする“DevOps”を可能にする機能も提供します。
クラウドが過去のデータの蓄積と保存を可能にし、AIモデル構築をサポートする間に、エッジ・プラットフォームは設備からのデータ収集と接続性をサポートします。

このテストベッドでは、製造業に特定の以下の課題の解決を提供する技術的なアプローチを模索します。

  • ディープラーニングを活用して、自動車部品製造現場での欠陥品検出精度を大幅に向上させ、衆道に頼る検査への依存を減らすなどして、品質保証を向上させる。
  • 生産工程データにオンライン解析を適用した製品品質評価を実行することで破壊検査への依存を減らし、プロセス・パラメータを動的に調整してバッテリーの品質保証の機会を探る。
  • ワークセルと全体的な生産処理能力対する分析を実行し、30か所の拠点を含む大規模自動車部品生産ラインのパフォーマンスにおけるボトルネックを特定し、生産率を向上する。
  • マシーンラーニング解析を適用し、機械の摩耗部品交換に最適なタイミングを決定し、生産の品質低下を防ぐことにより、大型生産機械の予測メンテナンスを可能にする。

商業的利点:産業型インターネット・テクノロジーを適用することで、製造コストを下げ、製品品質を改善し、製造効率を高めることが可能になり、ひいては製造環境におけるAIの適用の促進が進みます。

Wanxiang Group

Wanxiang Groupは1969年に設立された、浙江省に本拠を置く自動車部品部品メーカーです。収入を基準として測定した場合、中国最大の自動車部品会社となります。
自動車部品製造以外にも、多角経営を行っており、浙江省の首都杭州市から2017年から24年までの期間で、新たなインダストリアル・パーク、Wanxiang Innovation Energy Fusion City (WIEFC、万向イノベーション・エネルギー・フュージョン・シティ)を建設する案件を受注しました。
現在デザインステージのこのプロジェクトは、杭州市を横切る川沿いのかつてアジアゲームやG20 が開催されたエリアに隣接して建設される計画です。
10平方キロのエリアの中に90,000人が居住可能なエリアを設け、ミックス・ユースの街を建設することになっています。ここでは、環境にやさしいスマート製造業とグローバル規模での未来を見据えたR&Dゾーンに焦点を当てた都市開発を行う予定です。

Wanxiang Groupはすでにデジタル・エコノミー・プラットフォームとなるWanxiang インダストリアル・インターネット・プラットフォーム (WXIIP)を開発しています。WXIIPは産業型デザイン、製造及びサービス機能をWanxiang Groupの40を超える製造工場及び800を超えるサプライチェーン・パートナーに提供しています。事業をクラウドおよび産業用アプリ開発に移行する際の緊急問題の解決に役立てています。
Wanxiang Groupは、この産業型インターネット・デジタル・エコシステムをWIEFCプロジェクトの建設及びその後の研究機関の活動でも活用していく予定です。

≪参考資料≫
https://www.iiconsortium.org/optimizing-manufacturing-processes.htm
https://en.wikipedia.org/wiki/Wanxiang
https://hub.iiconsortium.org/portal/Member/5a5c88aaa10183000f940e6c
http://icities4greengrowth.in/casestudy/wanxiang-innova-city-hangzhou-china
https://en.wikipedia.org/wiki/DevOps
http://www.thingswise.com/