Made in China 2025が推進するイノベーション・デザインとは

Made in China 2025が推進するイノベーション・デザインとは – 記事

中国は世界をリードする新興国の一つですが、常々コピー/模造品や粗悪品製造というレッテルを貼られてきていました。基幹となる素材不足及びコア・マテリアルを輸入に頼らざるを得ない状況、鍵となるテクノロジーの欠如、R&D分野の遅れ、なども中国の製造業者が価格と迅速な生産が可能という面でのみ競争力を保ってきた理由となっています。

この状況を打破する為に周近平国家主席が取り組みを発表したのが、Made in China 2025 (中国制造2025)です。これは、『中国製造業をスピードから品質へ、商品からブランドへ、中国製から中国のアイディアで製造』への変換を目指したものです。
Made in China 2025においては、イノベーション・デザインもその基幹コンセプトの一つに数えられています。

イノベーション・デザインとは、新たなノレッジ・エコノミーにおけるプロダクトとサービスの統合されたイノベーションと定義されています。方法論だけではなく、デザイナー自身が、製品・サービス・事業開発の上流工程であるコンセプト出しやユーザー定義などの段階に関与するスタイルを指します。これには、グリーン・テクノロジー、サイエンスとテクノロジーの統合をはじめとして、アートとカルチャーへの考察が含まれています。
中国政府は、このイノベーション・デザインが技術面での成果を製品力にトランスフォームする際の鍵となると見ています。

中国製造業におけるイノベーション

中国製造業におけるイノベーションは、急激に発展する経済国家にありがちの、産業経済、エクスペリエンス経済、ノレッジ・エコノミーの3分野に同時にまたがるものです。通常新しい形の経済活動は全く何もないところから発生するわけではなく、古い形の経済活動にかぶさるようにして始まるものです。中国の場合は、これがある意味同時発生的に展開しているということでしょう。
バリューチェーン全体では、イノベーションは極めて重要な役割を果たし、バリューチェーンに付加価値をもたらします。産業型経済における産業デザインをユーザーの調査に基づく製品及びブランドデザインを行うことで、イノベーション・デザイン、ノレッジ・エコノミーに到達するのです。

実際のところ、先進国のほとんどが知識経済に参入していますが、中国は依然として経済変革の転換点にあります。インターネットや情報技術を含む分野では急速な発展を見せていますが、製造業の分野では、未だに経験/産業型経済段階にとどまっている企業が多いことも事実です。
このような状況の中で、中国の新しい産業形態戦略は、その多くをコンピューティングとインターネットに頼るものとなっています。コンピューティング・アルゴリズムと実存のスムーズな統合を基盤としているのです。サイバー・フィジカル・システムの進化は、機能性、適応性、スケーラビリティ、回復力、安全性、セキュリティ、およびユーザビリティを可能とし、これは今日のエンベッデド・システムを大きく越えるものです。
更に、ソフトウェア・テクノロジーを活用する利点としては、人々の働き方を改革し、情報を知識に変換し、更なるコンピューティングの促進を促します。

イノベーション・デザインとMade in China 2025

サプライチェーンの特定の段階に対応することを目的としたインダストリアル・デザインとは異なり、イノベーション・デザインは価値提案の定義し、最適な技術の選択し、新たな製品をそれが最も必要とされる市場に適応させるといった、戦略的ビジネス・プランニングには欠かすことが出来ないものです。その範囲は4つのレベルに分けることが出来ます:プロセス革新、製品革新、政策革新、そして生態系革新です。
Made in China 2025では、国内製造業のイノベーション能力向上のコアソリューションとして、イノベーション・デザインを頼りにしています。

その実現に関しては:

  1. イノベーション・デザイン力の強化 - 伝統的な製造業の分野及び先端分野で、環境にやさしく、インテリジェントで他とコラボな可能なテストケースに取り組む
  2. 設計のための共通技術と主要技術の研究開発の強化 - 情報デザイン、統合されたプロセスデザイン、複雑なプロセスと体系的デザイン開発;イノベーションに適したより良いエコシステム構築を実行する知的財産の手段としてのデザインソフトウェア開発
  3. 世界に大きな影響を与えるイノベーション・デザインのクラスターをいくつか構築する - 専門のイノベーション・デザイン企業を育成する、製造業者にR&D研究機関を設立するよう奨励する
  4. イノベーション・デザインに関する教育開発を行う - 国主体のコンペなどを実施する

などを中心とした構想が練られ、実現に向けての努力が続けられています。
大学、研究機関、メディア、金融、ユーザー、および産業界からの支援を受けて新しい概念を推進するための基盤として、2014年に中央政府の支援を受けて中国のイノベーションデザインアライアンス(IDAC)が設立されました。

中国は、現存する産業界を向上させるための解決策の模索が求められる一方で、新しい技術関心を活用することが出来る新興企業の促進を迫られています。

《参考資料》
https://www.researchgate.net/publication/323869484_Innovation_DesignMade_in_China_2025

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