IoTを活用したスマートファーミング ケーススタディ

IoTを活用したスマートファーミング ケーススタディ – 記事

世界の総人口は2000年には60.6億人を数えましたが、2050年には93.2億人に増加すると予測されています。国連食料農業機関の試算では、世界での年間の穀物消費量は2000年から2030年の間に約10億トン増加し、約28億トンに達するとされています。しかし、世界の耕地面積は1990年頃を境にアジア・アフリカ・南米では増加しているものの、その他の地域では減少傾向となっています。その為、耕地面積の増加が人口増加に追いつかないという問題が発生しています。
その為、限られた農地での収穫高を上昇させる必要があります。ここで期待を寄せられているのが、IIoTを活用した大規模農業での効率性を高める試みです。

今回のケーススタディでは、IIoTを利用して水の効率的利用の実現を目指すスマート・ファーミングの試みを紹介します。

ケーススタディの概要

2010年から16年の間に合衆国西部を襲った何度かの酷い旱魃を受けて、カリフォルニア州は
Sustainable Groundwater Management Act (SGMA、再生可能な地下水管理法)を制定しました。これは、再生可能な地域の地下水管理のフレームワークを設定したものです。
この法律は、地主や農業家及びカリフォルニア州の全ての水道局に影響を与えるもので、バランスのとれた揚水量と涵養量に盆地を戻すという目標を明確にしたものです。この新しい規制は、次世代の井戸を監視するソリューションに必要になるであろう、ポンプ規制および管理報告要件を課しています。IIoTシステムは、伝統的な監視装置にかかるコストのほんの一部ので、信頼性が高くコストが安価なソリューションを導入することによって、農業業界が直面する数多くのリスク要因を解消することを可能とします。
現在農家が直面している問題は、この水不足に加え、燃料費の高騰などです。

ケーススタディの舞台:カリフォルニアをベースとする家族経営の大規模農家(Wegis & Young)は、100年以上カリフォルニアで農業を続けており、現在は1万エーカー以上の土地で多様な穀物を栽培しています。Wegis & Youngは、農場経営、土地管理に加え外部の投資家及び休耕農地のオーナー向けの農業開発事業をおこなっています。

課題:再生可能な地下水管理法を遵守する為の、価格帯効果の高い効率的な方法を開発する、及びよりイールドが高く旱魃に強い、水効率の良い穀物を栽培すること。

解決策:Machfu(マクフー)のWATERtracソリューションは、従来のハードワイヤーで接続されたセンサー・インストレーションを塗り替え、新たなインストレーションを簡素化し、データ収集及びクラウドとの接続性などを統合しました。
Machfuはアグリ・システム・モニタリングのリーダーでクラウドベースのソリューションWATERtrac®を発表したREDtrac(レッドトラック)と協力し、システムの展開とクラウドでのデータ収集のプロセスを簡素化しました。単一のゲートウェイボックスが、データ収集と接続性の全ての側面をクラウドと統合したのです。セルフプロビジョニングIIoTゲートウェイと標準ベースのワイヤレスセンサーにより、展開にかかる時間を数日から2時間以内に短縮することに成功しました。WATERtrac®を含むクラウドベースのソリューションが提供するのは、以下のような農業用地の全ての側面です。

  • 揚水及び井戸水の水位
  • 燃料の使用量(電気・天然ガス・重油など)
  • 正確な使用時間に基づく1エーカーあたりのエネルギーコスト
  • 重油や天然ガスのコスト
  • 累積、流量および時間間隔による揚水

など多岐にわたります。

このソリューションは、従来の労働集約型のハードワイヤー方のセンサー取り付けをBluetoothスマートセンサーに代替することで、設置作業にかかる労力を95%削減しました。
スマートIIoTセンサーは、従来のソリューションで使用されていた複数のコントローラー、IOブロック、およびモデムボックスに代わり、情報を収集してゲートウェイに送信します。
総合的な成果として、ポンプの監視と制御、灌漑システムの監視、電気使用に関連する新しいセンシング・ソリューションの機能を追加することで、従来の自動化の総コストの3分の1でインストールできるシステムとなりました。

実績:Machfu Gatewayの機能により、REDtracは、新しい規制を満たすのみならず、水の使用量を管理し、全体的な運用コストを削減するために迅速で費用対効果の高い方法を用いたクラウドベースの農業用坑井処理を監視することが可能となりました。
その効果は;設置時間とコストの削減;月次の監視コストの削減;システム統合の簡易化;電気関係の費用削減;計画停止やメインテナンスコストの削減;制御装置の遠隔保守および設定、などの分野で顕著にあらわれています。

《参考資料》
https://www.iiconsortium.org/case-studies/IIC-Machfu-Case-Study-Final.pdf
https://www.iiconsortium.org/images/case-study-posters/Machfu-case-study.jpg
https://www.machfu.com/
http://www.wegisandyoung.com/#