石灰産業の燃料効率化を支えるMOSAICOインテリジェント・プラットフォーム

石灰産業の燃料効率化を支えるMOSAICOインテリジェント・プラットフォーム – 記事

石灰鉱山から石灰岩として採掘されてものを1100度ほどに加熱し、二酸化炭素を放出させる熱分解により製造される石灰は、近代建築に欠かすことが出来ないコンクリート、製鉄業で利用される鉄の不純物除去剤、農業分野で酸性化した土壌に撒く中和剤などとして、用途が広いものです。
今回は、ドイツの石灰製造業者Calcis Group(カルシス・グループ)がQualiCal(クオリカル)と共に取り組んだ燃料効率上昇の為のケーススタディを紹介します。

ケーススタディ概要

垂直ライムキルンでは、パラレルフロー再生(PFR)技術が、生産コストを抑え、メンテナンス及びオペレーションを簡素化することから、1960年代以降焼成プロセスに最適なソリューションだとされてきました。
しかし、産業型のインターネットの普及に伴い、この状況にも変化が出てきました。

現代の石灰製造業で克服すべき課題となっているのが、未燃燃料による無駄の軽減、焼却効率の改善により製品の品質の向上、熱損失及びキルンからの排出量の軽減、です。

これらの課題に取り組むために、ケーススタディで採用されたのが、QualiCalのABACO(Advanced Burning Analysis and Combustion Optimization、高度燃焼分析と燃焼最適化)アプリ及びMOSAICOインテリジェント・プラットフォーム、及びAEROワークフローシステムです。同時に機械に排出量と温度を監視するセンサーを接続しました。

ABACOアプリ

ABACOは燃焼制御システムの完全な管理管理を行い、スムーズで定期的な燃料供給を可能にし、過剰な燃料消費とプラントや製品へのリスクを引き起こす可能性がある不適切な温度の回避を可能にします。
排ガス中の微量のCO含有量は、原則として未燃燃料の廃棄物であるという仮定を基に、燃料噴射の最適な状況を達成するためにプロセス・パラメータ(すなわち、空気過剰と熱消費)を最適化します。
排気ガス解析のリアルタイムでのフィードバックを管理し、未燃燃料の浪費を防ぐために、過剰な空気を自動的に調整するサイクルの中に、燃料噴射プロファイルを作成します。
効率とコストのシステム評価を、日ごと/週ごと/月次/年次で報告書として提供します。

MOSAICOインテリジェント・プラットフォーム

MOSAICOインテリジェント・プラットフォームは石灰産業に特化した産業型インターネット・プラットフォームです。運用データをインテリジェントに、いつでもどこでもアクセス可能な実用的な情報に変換し、機器、場所、そして人に基づいて行動を推進します。
このプラットフォームは、接続された機械、高度なセンサーとコントローラー、そして最適化されたパフォーマンスのためのソフトウェアをひとつにまとめたもので、確かな分析、可視化、およびレポート機能を提供します。センサーと接続性、スマート・マシーン、産業型のビッグデータ及び解析という3つのポテンシャルを強化します。
更に、チームを適切な行動に導くことで有効なKPIを活用して作業を進め、プロセスの効率と品質を高め、コンプライアンスを強化し、時間と無駄を減らすことが可能となります。
例えば、MOSAICOを通して、スマートセンサーの相互接続ネットワークから送信される情報を活用して、合成キルンのリアルタイムでの監視・分析を可能にします。メンテナンス・テクニシャンや監督者は、モバイルデバイスから直接情報にアクセスし、アセットのパフォーマンスを監視し、現場にいる必要なくプロセスを最適化することが可能です。

AEROワークフロー
AEROは、クラウドプロセス・エアをキルンに供給する工場の送風機のクラウドと一般に、工場内に設置された機器から送信される工場のすべての電力消費情報を相互接続しています。
テーラーメードのアルゴリズムまたはインテリジェント・センサーのおかげで、顧客は工場内の問題をそれがより深刻になる前に、突き詰めるきっかけとなる通知を受け取ります。この方法で、顧客は不具合が起きる前に対応をとることが可能になり、送風機の寿命の延長、アセット効率などの向上に役立てます。 
AEROは情報を収集・分析し、MOSAICOアプリを介して、日ごと/週ごと/月次/年次で顧客に配布します。

ケーススタディの成果

QualicalのABACOアプリ及びMOSAICOインテリジェント・プラットフォームを利用したこのケーススタディでは、未燃燃料による無駄を年間60,000ユーロ(約750万円)削減することに成功しました。
これ以外にも、焼却システムをリアルタイムでチューニングすることにより焼却効率の6%改善を達成しました。

QualiCal

QualiCalは石灰市場で20年以上の経験を積んでいます。
同社は、PFR(Parallel Flow Regenerative technology)を最も優れたソリューションとして特定し、垂直ライムキルンでの焼成であり、このテクノロジーをSynthesis®TWIN SHAFT LIME KILNのオリジナルデザインに組み入れました。このシステムを取り入れたキルンは現在世界中で20以上を数え、これはさらに倍増する予定です。

≪参考資料≫
https://www.iiconsortium.org/case-studies/images/QualiCal_Case_Study_Poster-ABACO.jpg
https://www.iiconsortium.org/case-studies/IIC-Qualical-Case-Study_AERO.pdf
https://www.calcis.de/index.php?id=9&L=3
https://www.iiconsortium.org/case-studies/Qualical_Case_Study_ABACO.pdf
https://medium.com/@worldofchemical/how-mosaico-intelligent-platform-changed-the-rules-in-the-lime-production-29798f6b26da
https://www.iiconsortium.org/iiot-world-tour/turin-17/Keynote_IIoT_in_Action_A_Lime_Industry_Case_Study_QualiCal.pdf

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