Made in China 2015 - 中国の海洋建設機器とハイテク船舶

Made in China 2015 - 中国の海洋建設機器とハイテク船舶 – 記事

2049年の中華人民共和国建国100年の記念の年までに、世界の製造強国のトップの地位を確かなものにするという目標を掲げたMade in China 2025は、次世代通信技術、農業革新、新エネルギー、バイオ医薬、宇宙開発など10の重点分野を掲げ、それぞれ段階的計画を基に目標達成に向け努力を重ねています。この10の重点分野のうち4項目目に挙げられているのが、海洋建設機器及びハイテク船舶です。この分野でMade in China 2025に明記されている目標は;(1)5社以上の国際的に名の知られた製造企業を擁すること;(2)国際市場において40%海洋建設機器を供給すること;(3)ハイテク船の設計及び製造装置を国際市場の50%に供給する;(4)水中生産システムのためのカギとなる設計・製造・テストおよび設置技術において画期的な技術革新を達成すること、です。

ハイテク船舶部品の分野では2020年までに70%を国産品で賄えるように目標を掲げていますが、これは新エネルギー車両に次ぐ2番目に高い目標設定となっています。

2016-20年、海洋建設機器産業5ヵ年計画

2016年の第13-5ヵ年計画において、中国は2016-20年期の海洋建設機器産業5ヵ年行動計画を発表しています。
2020年までに、船舶関連のR&Dを完了し、ワールドクラスの船舶の設計及び設備製造ファシリティを設立、船舶のエンジン及びデッキ上の機械・キャビン設備・船舶のコミュニケーション及びナビゲーション・システムのの設計製造管理を行う、ことを目標としています。
行動計画はまた同時に、中核技術の研究開発を強化し、質の高いブランド構築エクササイズを実施し、重要な構成要素の実証と適用を促進することを目指しています。

オフショア・エンジニアリング設備の部門で重点部門に設定されているのが;

  • 海洋及び極地での石油・ガス探索/開発/生産設備
  • 海洋の詳細な3D観察ネットワーク
  • 再生可能エネルギー開発設備
  • 深海アイランド・リーフ活用及び保安設備
  • 遠海および深海探索設備
  • 海上/海中/海底での緊急時レスキュー設備
  • 深海でのセミ・サブ式掘削・生産プラットフォーム及び浮遊式LPG生産及び保管デバイス
  • 深海掘削船
  • 深海サーベイ船

の分野です。

中国のハイテク造船業

中国がハイテク造船業の分野で重点項目に挙げているのが;

  • スーパー・エコフレンドリー船舶:液体燃料とガス燃料双方を切り替えて運転可能なオイルタンカーなど
  • 極地探索用アイスブレーカー及び極地用運搬船
  • 高速マルチ・ファンクショナル法執行機関船舶
  • 大型の豪華客船
  • 天然ガス燃料で運航する大型船舶
  • 超大型LPG輸送船
  • 遠洋漁業船
  • 海底パイプ敷設船

などです。
これらの船舶開発を実現させるためには、同時に、(1)ラージスケールでローエミッションでありながらハイパワーのエンジン開発、(2)船舶のインテリジェント監視システム、(3)LPGなどの船舶へのガス供給システム、(4)極地用船舶向けの寒冷仕様の素材、(5)軽量素材の開発、(6)ハイパフォーマンス燃料及びその保管システム、(7)深海・遠海での情報トランスミッションシステム、(8)海洋での検査技術、(9)燃料節約技術、(10)騒音及び振動軽減技術、など関連分野での技術革新も必要となります。

中国の造船業界のマーケットシェアは、2007年から2017年までの10年間で飛躍的に向上しました。2017年の完成船舶の載貨重量トン数は4,268万トンで前年対比20.9%の増加を記録しました。新しい船舶の注文は3,373万載貨重量トンで、こちらは60.1%伸びを見せています。中国の造船業界は完成船舶数(41.9%)、新規注文(45.5%)、手持注文数(44.6%)の3分野でそれぞれ世界最大のマーケットシェアを享受しています。

しかし、造船業というのは世界経済の影響を大きく受けやすい産業で、2013年以降世界の造船業界で新規注文数は減少を続けています。2017年の手持注文数は8,723万載貨重量トンで前年比12.4%の減少となりました。この傾向はここ4年間継続しています。
このような状況下でも、中国の4大造船企業は新規注文数の分野でグローバル・トップ10の地位を守っています。
2018年3月には、中国政府が中国船舶工業集団(CSSC)と中国船舶重工集団(CSIC)の2社の統合を事前承認した、とニュースメディアが伝えました。両社の合計売上高は、5,080億元(約8兆5,900億円)超とみられ、これが計画通り実現すれば、統合で誕生する新会社の年間売上高は、時価総額で世界の造船会社トップ3に当たる韓国の現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の合計売上高の2倍余りの規模になる見通しです。

海洋建設機器産業及び造船業界の将来図

中国造船業成功のカギを握るのは、部品の国内生産率をどれほど向上できるか、付加価値をどの分野で見出すか、国際的競争力の強化及び国際的ブランド構築、政府からの支援、などです。
また、造船部門での必要不可欠な部品やテクノロジー分野でリーディング・ポジションを確立することが重要となります。

2018年以降22年までは、世界経済の上昇が予測されており、それに伴い造船業界の需要も高まるのではないかと期待されています。同時にグローバル規模での石油・ガス開発への投資の拡大も予測され、それに伴うオフショアの石油・ガスプラットフォーム及びLPG関連施設への需要の伸びにも期待が高まっています。
素材に占める国内生産品の割合を高め、完成品のコスト削減を図ることに尽力しているMade in China 2025計画の後押しを受け、中国産の船舶への需要がさらに高まる可能性も大いに考えられます。

≪参考資料≫
https://multimedia.scmp.com/news/china/article/2170597/MIC2025/
https://www.slideshare.net/FinproRy/made-in-china-2025-policy-maritime-equipment-and-hightech-ships
http://www.seatrade-maritime.com/news/asia/china-reveals-five-year-plan-for-ship-equipment-industry.html
https://www.prnewswire.com/news-releases/chinas-shipbuilding-industry-2018-2022-increasing-global-investment-in-oil–gas-development-300689204.html

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