中国のAIチャンピオンBaidu(バイドゥ)、アリゾナでの無人デリバリーカー・テスト走行計画を発表

中国AIチャンピオンBaidu(バイドゥ)、アリゾナでの無人デリバリーカー・テスト走行計画を発表 – 記事

今年のラスベガスCES(Consumer Electronics Show、コンシューマー・エレクトロニクス見本市)の会場で注目を集めたのが、自動運転デリバリー・バンのスタートアップUdelv(ユーデリブ)が中国のサーチエンジン大手Baiduと協働で、シリコンバレー地区で100台に上る自動運転デリバリー・バンのテスト走行を2月から開始する、と発表したことです。
UdelvはBaiduの自動運転オープン・プラットフォーム『Apollo3.5(アポロ3.5)』を活用して、アメリカのスーパーマーケット・チェーンWalmart(ウォルマート)が、サンフランシスコ・ベイ・エリアでのテスト走行の機会を提供します。

BaiduのApolloプロジェクトとは

ApolloとはBaiduが推進する、オープンソースの自動運転車両テクノロジ―・プラットフォームを指します。現在のApolloには、Apollo Enterprise(アポロ・エンタープライズ)とApollo 3.5の2本の柱があります。
2017年に始動したこのプロジェクトは、ハードウェアとソフトウェアの両方を網羅しており、自社の車両の障害物認識、経路計画、など移動に役立つ技術とオープンソースコードをパートナーに提供しています。

Baiduは、Apolloテクノロジーは既に世界中の130のパートナーに利用されている、と発表しています。パートナー企業の一つである、中国の電気自動車スタートアップWM Motors(WMモーターズ)は、Apollo Enterpriseを利用したレベル3自動運転車を2021年までに
市場に展開することを計画しています。Apollo Enterpriseの主要プロダクトラインは、ハイウェイでの自動運転や自動での駐車機能、完全自動運転のミニバス、インテリジェント・マップ・データサービス・プラットフォーム、Baiduの音声アシスト機能であるDuerOSなどのソリューションを含みます。

もう一つの柱であるApollo 3.5はプラットフォームの最新版で、都心部及び郊外での複雑なドライビング・コンディションに対応します。
今回のアメリカでのテスト走行に加え、Baiduは中国国内の湖南省、長沙市にて、200キロ以上にわたる市内の道路をカバーする100台のロボットタクシーの導入を計画しています。このロボットタクシーはBaiduのV2X(車両からすべてのモノへ)テクノロジーを利用し、車両が信号などの市内のインフラと交信することを可能にしています。

同社は、2016年に発足したアメリカを本拠とするコンソーシアム、Partnership on AI (PAI、パートナシップ・オン・AI)に2018年10月最初の中国企業として参画することを発表しました。Amazon.com(アマゾン・ドットコム)、Facebook(フェイスブック)、IBM(アイ・ビー・エム)やMicrosoft(マイクロソフト)などが中心として発足したPAIは、Baiduの参画に関して、「初の中国企業をこのコンソーシアムに迎えることは、真のグローバル・パートナーシップの構築のための重要なステップである」、と評価しています。

Udelv

Udelvはカリフォルニアに本拠を置く、自動運転及び電気自動車のスタートアップです。初めてのカスタムメイドの一般道用自動運転・電気自動車の開発で知られています。同社の自動運転・電気自動車を利用することで、デリバリーにかかる費用を劇的に軽減することが可能になり、フレキシブルな配達時間の実現や都市の二酸化炭素排出量の削減にも効果が期待されています。同社の試算によれば、今までのデリバリーにかかっていた時間とコストを半減できる、ということです。
UdelvのCEO、Daniel Lauryは、同社のミッションを「既存のデリバリーモデルを再発明し、世界最高の自動運転デリバリー・テクノロジーを開発することだ」、と述べ、将来にわたってもApolloプラットフォーム・モジュールを活用し、様々な環境でのデリバリーに特化したシチュエーションに対応する自社独自の自動運転アルゴリズムの構築を目指すとしています。

自動運転デリバリーの未来

この分野での自動運転デリバリー機能の普及に商機を見出しているのは、Udelvだけではありません。オンラインでの食料品ショッピング市場は次の10年間で5倍成長する可能性があり、アメリカの消費者市場のみでも2025年までには1,000億ドルに達すると予測されています。
この状況に、アメリカの自動車メーカー最大手の一つFord(フォード)も、WalmartとPostmates(ポストメイツ)とパートナシップを組み自動運転デリバリーの分野に参入する、と発表しました。GM(ゼネラルモーターズ)もサンフランシスコのDoorDash(ドアダッシュ)とチームを組みこの分野に乗り出しました。
自動運転車両に関しては、Uberの自動運転車両が人身事故を起こすなど、まだまだ安全対策に改善の余地が多く残されていますが、先進国でも今後労働力人口の大幅な減少が予測されている中、企業活動に不可欠なものとして、今後も研究・開発がすすめられていくことでしょう。

≪参考資料≫
https://www.scmp.com/tech/big-tech/article/2181214/chinas-national-ai-champion-baidu-test-driverless-delivery-vans-us
https://www.theverge.com/2019/1/8/18173776/udelv-self-driving-delivery-walmart-baidu-ces-2019
http://global.chinadaily.com.cn/a/201901/10/WS5c36a455a3106c65c34e39fc.html
https://www.udelv.com/about/
https://www.scmp.com/tech/innovation/article/2169005/baidu-becomes-first-chinese-firm-join-us-based-group-addresses
https://techcrunch.com/2019/01/08/baidu-announces-apollo-enterprise-its-new-platform-for-mass-produced-autonomous-vehicles/?guccounter=1

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