世界経済フォーラムが運営する第4の産業革命センター

世界経済フォーラムが運営する第4の産業革命センター – 記事

毎年1月に開催される世界経済フォーラム(ダボス会議)年次総会には、近年ますます注目が集まっています。今年の総会は、1月22日から25日までの予定で開催され、テーマは『グローバリゼーション4.0』です。日本の安倍首相、ドイツのメルケル首相など世界60ヶ国・地域の首脳が出席することが予定されていると発表されました。トランプ大統領がアメリカ政府機関が閉鎖中であることを理由に出席を辞退すると発表したことは、先週大きなニュースとなりました。

今回は、この世界経済フォーラムが創設した『第4の産業革命センター』について紹介します。

世界経済フォーラム

世界経済フォーラムは、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利財団で、1971年にスイスの経済学者クラウス・シュワブにより設立されました。「世界の現状の改善に向けて取り組む」ことをそのミッションとし、経済・政治・学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することで、世界・地域・産業の取り組み課題を明らかにし、世界情勢の改善に取り組むことを目指した、独立した国際機関です。例年一月にスイスのダボスで開催される年次総会では、約2500名の選ばれた多国籍企業経営者や国際的な政治指導者、知識人やジャーナリストなどが一堂に会し、世界が直面する重大な問題について議論する場となっています。
国連の経済社会理事会のオブザーバーの地位を有しており、「国際競争リポート」「ジェンダーギャップリポート」「グローバルリスクリポート」など、世界的に信頼度が高いと言われる数々のレポートを発行しています。

また、本拠地のジュネーブに加え、2006年に中国の北京、アメリカのニューヨークに、2009年には日本の東京にオフィスを開設しました。
また、2017年5月にサンフランシスコに『第四次産業革命センター』を開設しました。

第四次産業革命センター

このセンターは、国際的なリーディングカンパニーや政府、専門家など官民が一堂に会し、イノベーション・ポリシーを共同で設計し運営し、そのフレームワークを管理することを目的としています。国境を超えたオープンイノベーションを生み出し、世界経済の新たな成長に貢献し、技術進歩と各国の制度間の差を克服してグローバルなイノベーションを起こす拠点を構築することを目指しています。
同センターのプロジェクトは、技術革新の分野での以下のプロジェクトをカバーします。

  1. AIおよびマシーンラーニング
  2. IoT及びコネクテッド・デバイス
  3. ブロックチェーン及び分散型元帳テクノロジー
  4. 自動運転及びアーバン・モビリティ
  5. ドローン及び未来のエアスペース
  6. 精密医療
  7. デジタル・トレード
  8. 第4の産業革命と地球環境
  9. データポリシー

各プロジェクトは、各トピックの専門家を含む少人数のチームにより取り組まれ、政府や企業など官民関係機関と協力しながらポリシー・フレームワーク及びプロトコルを構築していきます。
同センターのパートナー企業として名を連ねているのは、グローバル企業で第4の産業革命のガバナンスの形成を支援することに情熱を持つ組織ばかりです。
主だったパートナー企業は、Amazon Web Service(アマゾン・ウェブ・サービス)、ABB、Deloitte(デロイト)、ドイツ銀行、ドバイ電気水道局、IBM、Microsoft(マイクロソフト)、SAP、Visaなどに加え、日本からもエーザイ、日立製作所、三菱ケミカル、森ビル、NEC、サントリー、武田製薬、SOMPOホールディングスなど様々な分野の主要企業が参加しています。

インド第四次産業革命センター

2018年10月11日には、新興国の旗手インドに『インド第四次産業革命センター』を開設しました。National Institute for Transforming India (NITI、インド変革研究所) Aayogが政府に代わって同センターとパートナシップをコーディネートし、運営に携わります。
インドは国を挙げてAIとマシーンラーニング、及びブロックチェーンと分散型元帳テクノロジーの分野に焦点を当てています。
AIの活用により、教育やヘルスケア、農業など国の重要課題である社会経済的ニーズへの対応の早期実現を目指し、ブロックチェーンの分野では、スマートコントラクトを奨励することで、生産性の向上を目指します。

第4次産業革命日本センター

インドでのセンターの設立に先駆け、2018年7月には日本でも、シンクタンク、アジア・パシフィック・イニシアティブと経済産業省の協力により『第4次産業革命日本センター』が設立されました。
日本センターはプライバシー保護などの「データ政策」、自動運転などの「モビリティー」、データに基づく精密医療などの「ヘルスケア」の3つを注力分野に選定し、その分野での必要な規制や技術活用のあり方を提案していくことを主な活動内容としています。
2040年には日本の65歳以上の人口の割合が全人口の36%を超え、労働力人口も5400万人まで減少するなどの予測も発表されており、第4の産業革命を実現することで、生産現場で自動化できる部門は自動化を行うとともに、高齢化社会を支える医療の提供、遠隔でのサービスの提供などの分野での迅速な対応が、益々必要になってくるものと思われます。

≪参考資料≫
https://www.forbes.com/sites/deloitte/2019/01/09/a-centre-to-navigate-the-fourth-industrial-revolution/#7debcc52583f
https://www.weforum.org/centre-for-the-fourth-industrial-revolution
http://www3.weforum.org/docs/WEF_Center_4th_Industrial_Revolution.pdf
https://www.weforum.org/press/2018/10/world-economic-forum-opens-centre-for-the-fourth-industrial-revolution-india/
https://www.weforum.org/press/2018/07/japan-to-take-lead-in-fourth-industrial-revolution-opens-emerging-technology-policy-centre-in-tokyo