スタートアップが支えるIndustry 4.0

スタートアップが支えるIndustry 4.0 – 記事

Industry 4.0は、製造業におけるサイバーフィジカル・システムへのデジタル・トランスフォーメーションを意味します。Industry 4.0により、生産は中央集中型から分散型モデルへと変革を遂げ、伝統的なアプローチのインパクトのある逆転を象徴しています。
3Dプリンティングからロボティック、予測解析などIndustry 4.0の市場価値は2022年までに1,850億ユーロに達すると言われています。新たな機会に早急に取り組む企業は、しかし慎重に行動しています。このような環境で、特定のエリアに特化した製品・サービスを提供するスタートアップは、企業にとっては貴重な存在だと言えるでしょう。

今回は、12,500ものスタートアップを調査し評価したINNOVATOR‘S GUIDE(イノベーターズ・ガイド)電子版が選ぶIndustry 4.0に貢献するスタートアップ3社を紹介したいと思います。

ビッグデータ&予測解析 - Augury (オウグリー、イスラエル)

Industry 4.0では、データとその解析が価値の創造のカギを握っています。この活用で、製造業ではダウンタイムを45%も削減し、その結果生産量の25%増量に成功した例もあります。
ビッグデータは、リアルタイムでの意思決定に益々利用され、予測解析は機械の故障を事前に察知し、予防保全を施すことに役立っています。
この分野で注目を集めているのが、イスラエルのスタートアップ、Auguryです。
2011年に設立された同社は、『機械をより信頼度の高いものにする』を企業理念に掲げ、コネクテッド・センサー(振動、超音波、温度、磁気など)、AI、メカニカル・ドメインに関する専門知識を利用して、企業のアセットをモニターし保護する、アセットの可視化の製品とサービスを提供しています。

同社の主力商品は、Halo Continuous Diagnostics(ハーロー継続的診断器)とScope Portable Diagnostics(スコープ・ポータブル診断器)です。
ハーロー継続的診断器を利用することで、大切なアセットを常時モニタリングでき、考えられる原因や、最も効率的なメンテナンス方法に関する推奨事項など、検出された異常についてリアルタイムのアラートが送信され、誤動作の根本的な原因を修正します。
Auguryのスコープにより、技術者やメンテナンスの専門家は、ルートベースのメンテナンス作業中に資産を直接診断できます。 スコープはスマートフォン対応で、アプリを介してAuguryサポートチームに直接アクセスして自動診断を提供します。
同社の顧客には、食品・飲料会社、薬品会社、電力施設、水処理施設など計画外の機械の不具合がすぐに私たちの暮らしに影響を与える業界が多く含まれています。

サイバーセキュリティ - Sharewell(シェアウェル、イギリス)

Industry 4.0のおかげでコネクティビティが向上したことで、残念ながら様々な脆弱性も露呈されました。企業がサイバーアタックの標的となることも増え、製造業でも製造ラインのセキュリティレベルを上げることが必要となっています。
プロアクティブな行動を起こす製造業者は、問題が発生する前に課題に対峙しています。
ロンドンベースのShrewellは、企業の情報漏えい防御とサイバーアタックの脅威を最小化することに特化したサービスを提供しています。
同社のテクノロジーは、セキュリティフレームワークの大幅な強化を可能にし、それに加え、企業がクラウド・コラボレーションを最大限に活用するための費用対効果の高いオプションとして設計されています。
shareOptic(シェアオプティック)クラウド/コラボレーション・セキュリティは、Microsoft Office 365、SharePoint、OneDriveツールなど、インターネット上で保存および共有される情報とデータを保護するために、根本的に異なるアプローチを提供します。

データリスクの特定および評価方法を根本的に改善するために、同社の製品はAIの力を利用します。同社の製品は、Google Apps、Office 365、Salesforce、Dropboxなどのクラウドプロバイダーの大部分をカバーしているため、データセキュリティを1つのツールに統合することが可能です。同社は又、モバイルアプリのセキュリティの問題にも取り組んでいます。

予測メンテナンス - Semitoic Lab(セミトイック・ラボ、オランダ)

製造業に携わる人たちは、機械は必要な時にだけ修理されればよい、と考えていることが多いでしょう。しかし現在では、予測メンテナンスが企業のコストをかなり軽減する、という考え方が浸透してきました。調査によれば、予測メンテナンスを採用することで修理費用が12%、さらに計画的修理の費用も30%軽減できるという試算が出ています。
オランダを本拠とするSemiotic Labsは、AI、マシーンラーニング及びセンサーを活用し、スマートファクトリーでの予測メンテナンスの最適化、早期の警告、計画外ダウンタイムの削減に取り組んでいます。
同社のSAM4は、スマート・アセット・モニタリング向けのプラグ&プレイ方式のソリューションで、センサー、スマートアルゴリズム及びAC誘導モーターと回転機器に関する実用的な情報を提供するダッシュボードを備えています。センサーは、電圧を測定するモーター制御キャビネットの中に取付けられています。IoTゲートウェイは4G、Wi-Fiまたは有線インターネットを介してクラウドにデータを送信します。
クラウドにおいて、SAM4がデータをダッシュボードに表示されたり既存の監視システムにリンクされた情報に変換します。

今回紹介した企業以外にも、Industry 4.0に欠かせない、ロボティック、シミュレーション、インダストリアルIoTプラットフォーム、AIなどの分野で成果を上げているスタートアップは多数みられます。
これらの新しいテクノロジーがさらに開発されることで、産業そのものを変革することも起こりえ、これらのイノベーションをいち早く特定し行動を起こす企業が未来の業界リーダーとなることでしょう。

≪参考資料≫
https://www.startus-insights.com/innovators-guide/disrupting-the-4th-industrial-revolution-a-breakdown-of-startup-driven-innovation-in-industry-4-0/
https://www.startus-insights.com/
https://www.augury.com/
https://www.f6s.com/sharewellltd
https://www.semioticlabs.com/