【IoT用語集】IBM Watsonとは?

はじめに

IBM Watson」は、データや膨大な情報を知見に変えるAIプラットフォームのサービスです。このAIは、IoT、ICT、SNSの普及によって日々生成される膨大なデータや情報から新しい知識を学び、インテリジェンスを強化しています。そして人々とともに、良いビジネスができるようにサポートしています。

歴史

ワトソンは、IBM社と大学において共通の課題を解決するプロジェクトとして2006年に始まりました。データや情報の量は級数的に増加しており、ビジネスを円滑に進める為に、大量のデータや情報を蓄積し、効果的にアクセスできるシステムの開発が始まりました。

2011年2月に米国の人気クイズ番組に「IBM Watson」が出場して歴代出場者と戦って勝利しことから、一気に全米中で話題となり認知度が向上しました。2011年8月には商用サービスとして、最初は医療分野そしてや金融分野へと実用システム開発の展開が進められています。

進化

まず医療分野では、医療保険会社米国WellPoint社が、ガン治療への応用としてワトソンに100万以上の症例データ、統計データ等を学習させて、最適な治療法を医師に提案して意思決定の支援として利用しています。

医療分野としては、米国Carilion病院では、35万人の患者情報のほかに、2000万件の医療メモなどのデータをもとにワトソンでで予測分析を行いました。その結果、1年以内に心臓病を発症する可能性がある患者8500人の特定に成功しました。その中で3500人は、従来の分析では見落としていた可能性があることがわかりました。

これらの結果からも医者は数百万件の症例データを覚えたり検索することなく症例データや文献にたどりつくことができるため、医師経験の浅い医師でもエビデンスに基づく意思決定をすることが可能となりました。

ワトソンの基本は、学習と推論の繰り返しによって進化しています。つまり、自然言語の理解、機械学習の理解といった最新てテクノロジーを駆使して、大量の文献、学会報告などの症例を構造化して蓄積していきます。

これが学習であり、UIMAという技術が使われています。これによってワトソンは情報を構造化してデータベースに保存していきます。推論時には、問い合わせの内容を理解し、仮定の回答を一度導き出します。

その仮定の回答をディープラーニングアーキテクチャを使って蓄積したデータベースをもとに検証していきます。このアウトプットを高速で処理と検証を繰り返す事により、適切な結果を導き出します。

また最近では、ソフトバンク社が「eレセプションマネージャー for Guide」を11月に発表しました。このサービスでは、Pepper君が来店したお客様を一人で受付をしたり、お客様からの質問に回答して案内や接客を行うことができます。

ワトソンを利用する事によって、いままでより高度な応対が可能となったため、お客様からの質問への対応が可能となりました。

機能

ワトソンを利用したサービスを構築するために利用できるWatson APIの機能として以下を提供しています。

① 言語解析系 アプリケーションプログラミングインタフェース

  • Conversation(会話)
    単なツールやダイアログツリーですばやくチャットボットを作成するAPIです。
  • Natural Language Classifier(自然言語分類)
    高度なテキスト解析のための自然言語処理を作成するAPIです。
  • Discovery(探索)
    回答を探したり、傾向や表面パターンを監視するために、データの見える化を行い価値を抽出するAPIです。
  • Personality Insights(性格分析)
    テキストを通して人格が有する特性 を予測するAPIです。
  • Language Translator(言語変換)
    ある言語から別の言語へのテキストの翻訳するAPIです。
  • Tone Analyzer(感情分析)
    テキストの感情やコミュニケーションスタイルを理解するAPIです。

② 画像認識系 アプリケーションプログラミングインタフェース

  • Visual Recognition(画像解析)
    機械学習を使用してビジュアルコンテンツにタグを付け、分類するAPIです。

③ 音声認識 アプリケーションプログラミングインタフェース

  • Speech to Text(音声認識)
    音声と音声を手書きのテキストに簡単に変換するAPIです。
  • Text to Speech(音声合成)
    テキストに書かれた情報を自然な音に変換するAPIです。

まとめ

アメリカではビックデータと人工知能に対しては、将来を見据えて積極的な投資を行っています。

アメリカ政府としては、ビッグデータ利活用に向けて、2億ドル以上の研究開発投資を実施しており、IBM社もワトソンを活用したソリューションビジネスを強化するため、約10 億ドルを投資するとともに、2,000人規模の事業部門を新設(2014年)しました。

ワトソンは誕生から6年くらいしかたっていませんが、仕事を取って代わる技術ではなく人を支援していく技術として今後、より重要な技術になっていきます。