漢方薬に加え、最先端医療機器の主要生産国となることを目指して

漢方薬に加え、最先端医療機器の主要生産国となることを目指して – 記事

中国の医療技術というと、すぐに思い浮かぶのが漢方薬、生薬、鍼灸などではないでしょうか。中国の伝統的医薬品(Traditional Chinese Medicine = TCM)に関しては、1996年に『TCMの国際化』政策が導入され、海外でのTCMを促進するための輸出入への重要性の認識、及び海外でのTCMの法的な立場の確立に重点が置かれました。しかし、その後TCMの輸出は減少傾向に歯止めがかからず、2016年には前年比9.13%の減少となり、初めてマイナス成長を記録しました。

同時期に、中国政府はMade in China 2025重点項目の中で、バイオファーマの開発と生産が国際規格に達し、メディカル・デバイスのアウトプットが1.2兆元(1元=16円として19.2兆円)に達することを目標としました。また核となるコンポーネントの85%までを国内生産で賄うことを目指しています。

中国の医療機器メーカー

中国の医療機器市場は、2013年に171億ドルの規模に達し、世界第4位・アジア第2位の市場となりました。中国の高齢者人口の増加と少子化は、今後さらに進展することが予測され、予防・診断系機器の市場はさらに拡大していくことが予想されます。
Made in China 2025のオフィシャルサイトでは、実に560,000以上の医療機器が紹介されています。

しかし、最新のデータによれば、中国の医療機器製造の上位に名を連ねているのは、Medtronic(メドトロニック、本社アイルランド)、DePuy Synthes(デプイ・シンセズ、ジョンソン&ジョンソン子会社、本社アメリカ)、Philips Healthcare(フィリップス・ヘルスケア、本社ドイツ)、GE Healthcare(GEヘルスケア、本社アメリカ)などアメリカや欧州(特にドイツ)の企業の現地法人またはパートナー提携ばかりです。
この分野での中国の企業の成長が求められています。

医療機器分野での国家としての取り組み

中国での医療機器の登録に関しては、中華人民共和国国家食品薬品監督管理局(CFDA)が管理を行っています。すべての医療機器がCFDAの3つのリスク・カテゴリーに沿ってクラス分けが行われ、それぞれの要求事項に従って登録を行うことが義務付けられています。

また中国は、2018年の国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)の議長国であり、3月に管理委員会の第13回オープン会議を上海で、9月には第14回会議を北京で開催しました。IMDRFは、医療機器規制の国際整合化について将来の方向性を議論するフォーラムとして2011年2月に立案された世界各国の医療機器規制当局による任意の活動であり、国際的な医療機器規制の整合化と収束を促進するものです。

医療機器に特化した団体としては、China Association for Medical Devices Industry(CAMDI=中国医療機器産業協会)があります。CAMDIは1991年に非営利の社会組織として発足しました。全国医療機器工業会として、R&D、生産、オペレーション、投資、製品テスト、認証、コンサルテーション及び医療機器のトレーニングの提供などを行っています。

また組織内に、従来の医療機器に関する専門部会に加え、3Dプリント・メディカル・デバイス専門部会、イノベーション専門部会、メーカー間のネットワークマネージメント専門部会なども設け、中国の医療機器メーカーを世界基準に到達させるために尽力しています。
次項では、CAMDIのメンバーであり、中国の外傷医療に関する医療機器メーカーTrauson(トラウソン)を紹介します。

Trausonは1986年創業の中国の整形外科産業における外傷及びスパイン医療機器のパイオニアです。2013年、中国進出を図るアメリカを本社とするStryker Corporation(ストライカー)による764M ドルディールにより同社の一員となりました。2013年以降整形外科部門は、江蘇省常州市よりHighTech(ハイテク)企業との認定を顕著な税制での優遇を受けています。
同社は、TrausonとOrthmedという2ブランドを中核とし、事業展開を行っています。

2013年3月にTrausonがStryker Corporationグループに参加した後、5月にはOrthmedがUS FDA監査に合格し、7月にはTrausonは香港株式取引所に再上場を果たしました。
その後2014年7月に国家医薬品産業界において最優秀クオリティコントロール部門での第1位を受賞し、2015年1月にはISO13485を再取得しました。

現在CAMDIに参加している中国企業は、そのほとんどが英語のウェブサイトも持たず、主に国内需要のみに事業の主力を置いていることが分かります。
米中貿易摩擦の長期化で、中国国内のヨーロッパやアメリカとの合弁企業や現地事業部が関税競争の影響を受け、マイナス成長が懸念される中、国内事業に主力を置く医療機器メーカーが近い将来中国でのこの分野を牽引していくであろうことは容易に予想できます。しかし、まだまだ黎明期であるこの産業が今後どのような進展を遂げるかには、大きな注目が集まっています。

≪参考資料≫
https://multimedia.scmp.com/news/china/article/made-in-China-2025/index.html
https://www.export.gov/article?id=China-Medical-Devices
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5807832/
https://www.made-in-china.com/products-search/hot-china-products/Medical_Equipment.html
http://en.weigaogroup.com/
https://en.wikipedia.org/wiki/China_Food_and_Drug_Administration