【導入事例】Weidmüller: 射出成形機に電力モニタ・信号変換器「ACT20C(エーシーティー20シー)」を搭載、状態監視システムとともに省エネルギーのプロセス最適化を実現|ワイドミュラー

【導入事例Weidmüller: 射出成形機に電力モニタ・信号変換器「ACT20C(エーシーティー20シー)」を搭載、状態監視システムとともに省エネルギーのプロセス最適化を実現|ワイドミュラー – 記事

Weidmüller(ワイドミュラー)社について

同社は、機械工学、プロセス産業、機器メーカー、エネルギー分野、交通工学の分野における産業用途のための電気的接続機器とエレクトロニクス製品の開発、製造、販売を行うグローバルカンパニーです。160年以上の歴史を持ち、 世界80ヶ国以上に現地法人、代理店を展開しています。グローバルネットワークを通じて製品販売やサポートの保証を一貫して行い、高付加価値の革新的ソリューションと専門性の高い技術的サービスを顧客とパートナーに提供しています。そのソリューションは、製造業がIoTと「ビッグデータクラウド」を利用して生産管理に備えることのできる具体的なソリューションとなっています。

同社は1850年にドイツ・ケムニッツにてプレススタッドボタンを生産する繊維製造会社として設立されました。1943年にリレーモジュール端子製造に特化、製造を始め、現在に至ります。現在、本社はデトモルドにあり約4,700人の従業員が全世界で働いています。
日本では、電気部品輸入販売店として、日本法人「日本ワイドミュラー株式会社」が東京都品川区に本社を構えています。その他に支店として、中部支店(愛知県名古屋市)、西日本支店(大阪府大阪市)、九州支店(福岡県福岡市)を展開しています。

Industry4.0導入の背景

デジタル時代になると、製造業は、同一製品については同じ価格を維持しながら、より速く、より個別に、より柔軟に製造する必要があります。したがって、製品の製造中は常に、現在の生産コストと生産プロセスの状態にアクセスして制御することが企業にとって不可欠となります。例えば、生産者は次のようなことを常に意識しなければなりません。
どれぐらいの燃料がかかっているか。
現在の生産コストはいくらか。
機械や装置の状態はどうか。
生産量とエネルギーコストの最適な妥協点はどこか。

同社の標準技術開発責任者であるJan Stefan Michel(ジャン シュテファン ミヒェル)氏は、次のように述べています。

「これらの質問については、関連するすべてのシステムが常に必要なデータすべてにアクセスできる場合にのみ回答を得ることができます。その理由は、我々にとって透明性がないものは制御できないからです。大部分の企業はすでに日常業務でこのようなことを実装しています。しかしながら、残念なことに、多くの生産施設および製造施設では、すべてのアプリケーションに関連するデータ・情報すべてにアクセスできるようには未だになっていません。例えば、プラスチックパーツの生産はこれの良い例と言えるでしょう。『良品』を確実に生産するためには、機械を監視し、むらのない均一な生産工程を確保する必要があるのです。」

そのため、同社は「射出成形機」を製造する際に、自社で開発した状態監視システムを使用しています。エネルギー管理は全体的だけではなく、個々のプロセスや機械に基づいて運用されています。このシステムでは、製造プロセス中の様々なパラメータを監視しており、次のような質問に対する回答を入手しています。
ゲーティングシステムはバランスが取れているか。
工具は均等に焼き戻され、熱平衡状態にあるか。
ホットランナーマニホールドはフリーな状態であるかブロックされた状態であるか。
射出圧力や切り替えポイントなどのパラメータは正しいか。
ツールは磨耗していないか。
製造プロセス中に材料の粘度が変化したか。
こうして、「条件監視と診断による省エネルギーのプロセス最適化」 という基本理念の下、同社はIndustry 4.0への一歩を踏み出しました。

ソリューションの概要

電力モニタ・信号変換器「ACT20C(エーシーティー20シー)」

全体がネットワーク化された生産設備のソリューションへのアプローチの中核は、電力モニタおよび通信可能な信号変換器「ACT20C」です。この電力モニタ・信号変換器は、状態監視システムとともに次のようにソリューションを実現しました。
機械の状態情報を検出し、機械に関連するパラメータとアナログな生産データをデジタル化する。
エンタープライズクラウドなどの上位レベルに安全にデジタル化したデータを送信し、評価を実施する。
処理された生産データは「ACT20C」に付随する状態監視システムからの情報と水平に統合する。
機械もしくはモバイル端末は、後続の最適化手段にて状態診断を可能にするために、データを最終的に視覚化する。

「射出成形機」への適用
同社の「射出成形機」には、エネルギーと診断情報を得るために、通信のためのフィールドコンポーネントが付け加えられています。加えて、クラウドレベルでのEPEX SPOT(エペックス スポット:欧州電力取引所)の現在のエネルギー価格がインターネットから取得され、取得されたエネルギー価格はネットワーク上で利用可能な生産サイクル情報並びに主要な指標である「1個あたりのエネルギーコスト」により測定されるエネルギー消費量に利用されます。

マシンオペレータの把握しているエネルギー価格がEPEX SPOTのエネルギー価格と比較できるケースでは、現在のエネルギーコストに関する生産プロセスを最適化することができます。 獲得した状態監視情報に基づいて、さらに機械の現在の状態も場所に関係なくどこでも監視することができます。

ソリューションによる改善点

同社のソリューションは、次のような改善点をもたらしました。
生産プロセスや製造プロセスを最適化して診断することが可能となった。
自動化コンポーネントの垂直的な統合により、一貫した体系的な情報を収集することが可能となった。
以前は分離されてばらばらであったデータを表示および評価できるようになった。
長期的な観点から、プロセスの最適化が向上した。
インターネットからの情報との関連性も付加価値をもたらした。

ソリューションの効果

状態監視システムを搭載した機械および設備は、運用コストとメンテナンスコストの削減の大きな可能性を提供しました。この基盤となっているのは、Industry 4.0の自動化コンポーネントによって可能になった設備内のデータの一貫性です。必要なプロセスデータとパラメータを使用してエネルギーインフラストラクチャ全体を把握できる工場は、自己による調整および最適化するだけの力があります。獲得したデータの評価とネットワーク化に応じて、豊富で詳細な知識を得ることが可能であり、絶対的な透明性を保証します。例えば、企業は汚染者負担の原則に従って原価配分を割り出すことができます。このことは生産エラーと機械摩耗の早期検出にとっても価値があることです。このことにより、先を見越した保守と並びにエネルギー効率のよいプロセス最適化が可能となりました。

全般的に見ても、企業は、工場設備は常に変化し続けていることを認めています。つまり、個々の幾つもつなぎ合わされたバリューチェーンはバリューチェーンネットワークへと変化していきます。現在、受動的なシステムにより中央で制御された生産に変わって、生産プロセスは分散型の自己組織化へと移行しています。その結果、生産はより柔軟で効率的になりました。また、今まで散発的に収集されたデータは、今新たに評価することができるようになりました。これにより、プロセスの最適化、効率性、可用性、生産性が促進されることとなります。

今後の展望

Industry 4.0への次のステップは、生産設備の個々の部分間で直接通信することです。 「ACT20C」は、直接通信を同様にクラウドに供給し、それにより生産施設についての全く新しい成果と知識を獲得することを可能とします。 これにより、新たに転任してきた生産設備のオペレータでさえも、生産プロセスの最適化と診断、またはエネルギー管理のための斬新なサービスを開発することが可能となるのです。
Michels氏は、次のように強調しています。

「生産プロセスの円は一周して一旦ここで幕を閉じます。その後、これまで散在していたデータを新任オペレータ達はいきなり新しいものとして観察し、評価することができるのです。そして、そのデータはプロセスの最適化を長期的に推進するものと成り得るのです。」

参照URL
https://www.plattform-i40.de/I40/Redaktion/DE/Anwendungsbeispiele/102-energieeffiziente-prozessoptimierung/beitrag-energieeffiziente-prozessoptimierung.html
http://www.weidmueller.de/
https://www.weidmueller.de/122078/Unternehmen/Kundenmagazin-WIN/Im-Fokus/Produktionsanlagen-fit-machen-fuer-Industrie-40/cw_index_v2.aspx
https://www.weidmueller.de/de/unternehmen
http://www.weidmuller.co.jp/index.html

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