【IoT用語集】eFaとは?

IoT用語集】eFaとは? – 記事

はじめに

eFaとはExtreme Fast Automationの略で、ドイツIndustry 4.0プロジェクトの一つであるIt’s OWLの中の活動の一つの名前ともなっています。ドイツの製造業をデジタル化で革新し、生産効率を上げていく国家プロジェクトであるIndustry 4.0プロジェクトのなかでも、このプロジェクトは目玉のひとつです。

より具体的には、ファクトリーオートメーションにおいて、制御のパフォーマンスをアップ・無駄な時間を極限まで減らし、コンピュータの指令と制御が文字通りリアルタイムに行われるようにする技術を研究開発しています。このプロジェクトには、It’s OWLに参加しているソフトウェア・ハードウェアの主要企業が参加し、その成果を公開・実用化を推進しています。

Industry 4.0 とIt’s OWL 目標と問題意識

It’s OWLは、ドイツのオストヴェストファーレンリッペ(OWL; OstWestfalenLippel)地域政府)が主唱し、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州政府がこれに協力する形で始まった産業クラスターです。その活動は2004年にまでさかのぼります。同地域は、中堅製造業者が多く存し、人工知能研究をコア研究内容として、製造業の自動化や生産性の向上への応用を地域団体で行ってきました。It’s OWLは、ドイツ全体の製造業の革新・生産性の向上を図る国家プロジェクトであるIndustry 4.0プロジェクトの中でも先端クラスターとして指定されました。2012年のことです。
ところで、競争力を上げ、リソース不足に対応することを究極の目標とするIndustry 4.0ですが、ファクトリーオートメーション分野で目指すところは、工場の生産性・信頼性・効率性の向上です。これらの向上のため、例えば、ツールの位置情報は正確で、機械の回転数は一定の速いスピードに制御され、そして、制御はリアルタイムに行われることが必要となります。

これらの性能向上は、一定の狭い範囲のファクトリーオートメーションであればすでに実現してきています。しかし、例えば、工場・工場1つだけでなく、ある地域の工場まで押し広げるとしたら、現在の技術水準では困難ということになります。現在のコンピュータ化されたファクトリーオートメーションでも、工場全体の制御を一元化し、安定的に稼働させることは技術的課題が多くあります。かようなわけで、現在まで時間の無駄や歩留まりなどの問題をファクトリーオートメーションにより克服しているのか、というとそうではない、という点がeFa プロジェクトの裏にある問題意識です。

eFa プロジェクトの成果

上記のように、Industry 4.0 や、It’s OWLの課題は明確に認識されていました。そこで、プロジェクトは工場の各種ツールをそのインターフェースを問わずに適切・高スピードでに制御するためのソフトウェア・ハードウェアの研究開発を行うこと、そして、工場におけるハードウェアツールを統一的に制御することに注力されています。
eFaプロジェクトにおいて取り込まれた、ファクトリーオートメーションの具体的な技術上の課題としては、次のようなものがあります。

  • 制御機構における位置情報パラメーターの正確性の確保
  • 通信スピードの速度と安定性の確保
  • 通信情報量のアップ
  • プログラミングコードの量を増やすことなく制御性能を上げる
  • マニュアル工程の徹底した削減
  • 速度アップの結果、コストを増大させることがないこと

そこで、各ベンダー・大学・州政府の連携によりすでに自動化されている工程のスピードアップのための設計・リアルタイム制御のために必要な通信方式やソフトウェアの開発、先進工程の研究など、eFaの活動から多くの成果が報告されています。現在は、ファクトリーオートメーションの分野でオープンシステム化し、汎用機によるプログラミングによる制御・Ethernet による通信も一般的になってきています。一方で、これらのオフィスオートメーション由来技術の泣き所であるリアルタイム性能についても、eFaプロジェクトの中で研究成果が多く上がり、オープン化の進展・ダウンサイジングを支えることにもつながっています。

中でも、ビールフィールド応用工科大学とシステム製造ベンダーにより、eXtreme Fast Controlシステムが開発されたことが大きな成果とされています。このシステムは、開発ツールとともにテストが行われ、すでに実用化されています。このシステムは制御系のシステムのダウンタイムおよび待ち時間を極限まで減らすことを目的として開発されたシステムです。

eFaは一応It’s OWLによるプロジェクト期間を終えています。その結果、理論値でそれまでよりも10%の制御スピードと生産性アップを達成したとされ、It’s OWL全体の中でも特筆すべき成功を収めたプロジェクトとされています。

まとめ

eFaは、オストヴェストファーレンリッペの先端クラスターであるIt’s OWLプロジェクトの中の成功プロジェクトであり、ドイツだけでなく、世界各国のファクトリーオートメーションの分野にインパクトを与えています。同じくファクトリーオートメーションの先進国である日本や米国においても、この研究開発の成果がすでに取り入れられています。近年のIndustry 4.0その他の各国プロジェクトは国際連携協力も盛んで、各国での実用化のスピードも速くなっています。今後もこれら各国のプロジェクトを注視していきたいものです。

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