【IoT用語集】Industry 4.0 platformとは?

IoT用語集】Industry 4.0 platformとは? – 記事

はじめに

Industry 4.0 Platform (ドイツ語Plattform Industrie 4.0)とは、ドイツ政府が国家戦略として提唱する、製造業の効率化・収益の最大化を目ざすデジタル技術導入戦略および投資活動であるIndustry 4.0を進める協議会のことです。この協議会は、専門部会であるワーキンググループの活動を中心的活動とし、ガバナンス・実施部会・国際協力部会の活動から構成され、産・学・官合わせて約160の団体が参加しています。団体のリードは、ドイツ連邦経済エネルギー省・ドイツ連邦教育研究省がとっています。

参加企業はボッシュSAP、シーメンス、ドイツテレコム、フエスト、ジック、フエニックス・コンタクト、ハーティングといったドイツの中核企業が中心となっていますが、学術研究団体や海外の企業、法律事務所なども参加しており、幅広く多彩な顔触れがこの協議会に参加しています。特にドイツの国家戦略に合わせて作られた団体でありながら、日米を協力パートナーとして意識しており、日本・米国の企業も多数参加していること、国際協力を積極的に行っているところも特色といえるでしょう。

Industry 4.0とはなにか

Industry 4.0は、デジタル技術により、生産コストを下げて、ドイツ企業の生産性向上と新興工業国との関係で、価格競争力を同時につける戦略ですが、これはドイツ連邦教育科学省が勧奨し、ドイツ高額アカデミーが2011年に発表したのが最初です。
現在では、IoT技術による生産方式や、ロボット技術・RPA・AIなどの生産技術の総称として使われる例が多くみられます。また、世界的なムーブメントとして、「IoT技術により、第4次産業革命が起きている」、などと言われることがありますが、第4次産業革命=インダストリー4.0として使われることがあります。

Industry 4.0は、下記の要素を設計思想に持つため、合理的・効率的生産工程を実現することができるものとされています。

  1. 相互運用性 人物・装置の相互の通信
  2. 情報の透明性 システムがデータに基づいて解釈し、恣意的条件を排除
  3. 技術的アシスト AIやRPAがアシスト
  4. 自律的意思決定 人・物・装置相互の即時のフィードバックによる生産ラインの意思決定

PlatformはIndustry 4.0をどのように実現する団体なのか

団体の目的
Industry 4.0は上記にみたように、ロボット・RPA・AI・IoTといった先端デジタル技術を組み合わせて主に製造業の工程を革新していくことを目指しています。しかし、実現にはいくつかの障害があります。知的財産権モデルの収益構造や、標準化が進まない技術そのものなども壁になり、連携を難しくしている現実があります。
もともとIndustry 4.0が政府主導で実施される国家戦略であることから、その技術はオープンで透明性が高く、一企業が独占するものではない、といったコンセプトがあります。しかしながら実際に上記のような壁があるので、企業および団体間の連携をデファクトベースで促進し、できれば障壁を最小限にしないと、早期の実現は難しいとみられます。また、技術革新の担い手は大企業・既存企業とは限りません。イノベーションを実現する担い手は、例えば大学の研究室であったり、スタートアップであったりもします。こうしたイノベーションの担い手を大きな企業の技術革新につなげる必要もあります。

そこで、PlatformはIndustry 4.0の設計思想を実現する具体的手段として、

  • すべてのステークホルダーが参加し、一貫性がありかつ信頼できるフレームワークを提供する。
  • ドイツ国内の起業家のスキルやエネルギーをサポートし、競争優位性の発生前から、起業家の相互連携やネットワーキングを行えるようにする。
  • Industry 4.0 への理解を促進する技術革新・技術トレンドを全体的に把握する。
  • 新たにIndustry 4.0に合わせた法的枠組み・ビジネスモデルを構築する。

といった目的のために、専門部会であるワーキンググループ中心に活動を行っています。

ワーキンググループの活動
現在のPlatformのワーキンググループは下記の6グループです。

  1. 技術標準部会 主にイーサネットによる産業用オープンネットワークに関する作業部会となっています。
  2. 技術および適用シナリオ部会 主にIndustry 4.0の技術と導入手順およびそのシナリオ・ビジョンについて策定する部会です。
  3. ネットワークセキュリティ部会 産業用インターネットに関する厳しいセキュリティ基準の策定やセキュリティ施策・セキュリティ技術の議論を行う部会です。
  4. 法的枠組部会 働き方に関する法令や、ロボットの健全な利用に関する規制の策定、Industry 4.0 の実現の過程で問題となる法的テーマについて検討します。
  5. 労働・教育・トレーニング部会 Industry 4.0の実現と働き方・教育研修・技術者の育成について検討します。
  6. ビジネスモデル部会 Industry 4.0 により実現される新しいビジネスモデルについて検討します。

Platform による ユースケースに関する情報提供
Industry 4.0 を実現している例について、ドイツの地図から閲覧ができるようにしています。ドイツ企業だけでなく、海外企業のドイツ拠点の例も取り上げています。

まとめ

Industry 4.0 を実現するのは大幅な技術革新です。これを加速するために結成されたPlatformでは、 各社の立場を超えての活動が行われており、技術革新から得られる効果の大きさに期待が集まっています。

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