【IoT用語集】PLCとは?

IoT用語集】PLCとは?

はじめに

PLCとは、Programmable Logic Controller=プログラマブルロジックコントローラーのことで、リレー回路として機能する制御装置のことです。ファクトリーオートメーションの制御装置として多用されています。また、エレベーター・遊園地の遊具や自動ドアなど、身近な機械にも使われています。シーケンサーとも呼ばれています。

PLCの発明

PLCが発明されたのは、ゼネラルモータースのAT製造部門が、リレーシステムをデジタル化するための使用を作成したことに始まります。GMと契約したベンダーであるBedford Associates社は、その後PLCを専門に扱うModicon社を設立し、開発を続けます。Modicon社が作った初めてのPLCであるModicon084は信号がパネルによって把握できるようにし、信号の逆追跡も可能な特徴を備えていました。これは従来のアナログリレー回路の機能からすれば画期的なことでした。このPLCは、16ビットのミニコンを内装し、オンラインで命令を実行すること、故障診断も可能、といった優れた特徴により、コンピュータ制御の世界の金字塔と評されています。
Modicon社は1977年、Gould Electronics に売却され、ドイツのAEGへの経営統合を経て、その後フランスのシュナイダーエレクトリック傘下に入り、現在に至っています。

仕組みと特徴

  • PLCのプログラム
    PLCは制御装置ですが、小型のコンピュータにより制御機能を自動化しています。小型の組み込みコンピュータであるマイコンがC言語などのプログラム言語を用いるのに対して、PLCの場合、一般的に電子回路図によるプログラムを用いて制御を自動化するプログラミングを行います。

    PLCのプログラミングで用いられる電子回路図はラダー図とよばれ、ラダー図を「言語」としてプログラミングが行われます。ラダー図によるプログラミングのほうが一般のプログラム言語よりもシンプルで、実行の安定性が高いです。汎用機はプログラミング言語を用いる「ノイマンモデル」を実行モデルとするのに対して、「ステートマシンモデル」をとることがPLCの特徴となっています。

    現在では、主にオープンネットワーク技術の発達により、BASIC やC言語を使ってPLCを汎用機においてもプログラムすることができるとともに、ソフトウェアでPLCの機能を代替できるようにさえなってきました。しかし、それでも「安全性の高いプログラミング」により「ロボットのような大型精密機械を動かす」目的では、シンプルでバグの出ない確実な制御のため、従来のPLCが多用されています。そして現在でもフラッシュメモリによりプログラムを格納することが一般的です。

    PLCの国際標準規格 IEC 61131-3 によりますと、現在ではラダー図を含む5種類のプログラミング言語が定義されています。シンプル・複雑な入力信号を取捨選択するのに向いている・出力側に信号を伝える時間を節約できる、といった動作の安定性を確保することに向いた言語が使われています。
    なお、PLCのプログラミングの技能を証明する国家資格として「電気機器組立て技能士 」という資格があります。プログラマではなく電気技術者がこの分野の専門家であることの一つの現れです。

  • PLCはリレー回路である
    PLCはもともとリレー回路の機能を自動化したものです。一定の時間にスイッチオン・オフを自動で他のノードに伝えることにより、自動で複数の機器の制御を行うことができます。PLCはそれまでファクトリーオートメーション等で利用されていたアナログ回路のリレー回路とカムタイマーを低コストで代替することができます。
  • PLCは多彩な入出力の機能を持つことができる
    PLCは入力・出力の最小構成のユニットをもともと備えていますが、これにラダー図によるプログラムで拡張機能を加えることが可能です。入力側は各種のセンサによる温度・圧力・振動数・位置情報など多彩な情報を読み込むことが可能で、出力側は、モーター・シリンダーなど主に動力ユニットにつながります。
  • PLCが伝達する電気信号はデジタルである
    PLCが伝達する信号はデジタルですので、基本的にはI/Oインターフェースによる伝達を行います。デジタル信号はYes/Noの二種類しか伝えません。「中間」「量」といったことの伝達はPLCには難しい面があります。これらのあいまいな指示に関しては、複数の指示の組み合わせによるか、反復回数が足りない間は出力側の動作がないようにする(不感帯の設定)などの工夫により適切な制御を可能にします。なるべくプログラムはシンプルにして安定性を優先するする発想からすると自然な工夫ということができるでしょう。
  • 類似概念であるNC
    PLCと類似するものとしてNCがあります。NCが数値を制御することに向けられて、一定のパラメーターを伝達制御する機能に特化しており、用法としても工作機械向けに特化し複雑な形状の成型・旋盤加工といったものに向けられているのに対して、PLCは駆動領域の制御が主な用法である点で外目には大きな違いがあります。しかし、進化の過程やコンピュータ化の過程がほぼ同時代に起こり、仕組みも似通っています。こうしてPLCもNCもコンピュータ化・自動化といった同じような歴史をたどることになりました。

まとめ

PLCは、ファクトリーオートメーションの中核技術の一つであり、デジタル化・オープン化の流れの中ではドイツBeckoff社のTwinCATといった汎用機向け制御ソフトウェアの登場でもあらためて注目を浴びた技術です。ファクトリーオートメーションが中小企業にも向けられるものになっている現在、ダウンサイジングされる見通しであり、この文脈でも注目していきたいものです。

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