大躍進が見込まれる中国の電気自動車(EV)市場 - Made in China 2025 – 数字で見る近年の中国のEV市場

大躍進が見込まれる中国の電気自動車(EV)市場 - Made in China 2025 – 数字で見る近年の中国のEV市場 – 記事

2011年以降、世界のEV売り上げは、アメリカで8倍、中国では66倍の成長を見せています。これには2008年以降リチウム電池の価格が80%下落したという事実と、バッテリー密度が同時期5倍以上向上した、ということが大きな要因として考えられます。2015年まではアメリカが世界のEV市場で最大規模を誇っていましたが、中国が近年この分野で大躍進を遂げています。2016年には中国のEV在庫台数が世界一となり世界中の台数の1/3を数えるまでとなっています。電気バスに関しては、中国は2016年には343,500台を数えるまでとなりました。
今回のリポートでは、国を挙げてEVを推奨する中国政府の動きや、その主要プレーヤーを紹介します。

中国国内でのEV市場拡大のための政府の取り組み

中国政府は、石油自給率の低下や大気汚染対策の切り札として、EVをはじめとする新エネルギー車の製造・普及を推奨しています。2017年の段階で、2020年に新エネ車の生産台数を市場全体の7%に相当する200万台超、30年には40%の1500万台以上に引き上げる目標を掲げました。また、国内の既存の自動車メーカーに対して、新エネルギー車の生産目標を義務付けるなどの動きも見せています。

この目標を達成する為に、地方政府がEVの充電ステーションを設置する際に補助金を出すなどして、EVの普及をサポートしています。US3億ドルを新エネルギー車両の研究開発に割り当ててもいます。
The State Grid Corporation of China(国家电网公司)及びChina Southern Power Grid(中国南方电网)の組織合計で27,000箇所以上の充電ステーションと、800以上のバッテリー交換所をオープンさせました。また、高額な所領登録料金を免除するなどして、EVの普及を後押ししています。

中国EV市場の主要プレーヤー

中国のEV産業主要プレーヤーには、NIO(蔚来汽車)、SAIC Motor(上汽集団)、FAW Group(第一汽車集団)、Dongfeng Motor Corporation(東風汽車集団有限公司)、BAICGroup(Beijing Auto=北汽集団)、 Chery (奇瑞汽車股份有限公司)、BYD Auto(比亜迪汽車)、 Geely(吉利控股集団)があります。
これらのほとんどが国有企業、またはその子会社です。この中でBAIC GroupのEC180が2017年80,000台の売り上げを上げ、売り上げ台数のトップに立ちました。

その他にも、外資のTesla(テスラ)、Nissan(日産)Leaf、等も中国のEV市場に参入しています。以下では、中国版Teslaと呼ばれる、NIOについて紹介します。

NIO会社概要

NIOは2014年に設立された、上海を本拠とするEV及び電気自動運転車両のデザイン・開発・製造を行う会社です。中国国内を中心に、ドイツ・イギリス・アメリカなどでもサービスを展開しています。2016年10月にはNIOは『自動運転車両テスト許可証』をカリフォルニアDMV(自動車部)から取得し、『自動運転車両テストプログラム』ガイドラインに準じて公道でのテストを開始すると発表しました。

今年5月に納車が開始されたES8モデルは、中国国内では同様の仕様であり、アメリカの関税引き上げの影響を受けたTeslaのモデルXの半額以下で提供されており、NIOの創業者、ウィリアム・リーは、「ES8はモデルXの直接競合である」、と述べています。2018年7月時点でのES8の中国国内での販売台数は1300台を超えていると見られ、この時点でTeslaの納車台数を上回っていると模様です。(Forbes(フォーブス)誌、Jim Collins)2018年8月、NIOは、ニューヨーク証券取引所に18億米ドルの新規株式公開(IPO)を提出しました。

今後の見通し

9月12日にニューヨーク証券取引所への上場を果たしたNIOですが、17,000台以上の予約注文を受けながら、これまでの納車台数は2,000台以下にとどまっています。このような状況を受け、既に次のEVメーカーを探す動きが始まっています。現在中国には480社以上のEVメーカーが存在しますが、その中で有望なのは50社以下だと見られています。このような熾烈な競争環境に関しては、NIOの投資部門であるNIO Capital(NIOキャピタル)のIan Zhuも「この業界での生存率はわずか1%だ」と述べています。NIOに次ぐポテンシャルを持つ企業として業界が注目しているのが、Byton(バイトン)、  Xpeng(シャオペン、小鵬汽車)などです。
EV産業がMade in China 2025の重点産業の一つであること及び米中貿易摩擦によるアメリカ産の車両への関税の影響から国産車への購買意欲が高まることなどが予測されることなどから、今後も中国国内でのEV産業の躍進は続くものと予測されます。
 
《参考》
https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/china-electric-vehicles-ev-market-outlook?gclid=Cj0KCQiA28nfBRCDARIsANc5BFA03j4UfWpa4ReDQHtG3j0VtylRNi4Vktw7JhH14yBxvI1V9xxCNycaAi6JEALw_wcB
https://www.made-in-china.com/?gclid=Cj0KCQiA8f_eBRDcARIsAEKwRGf5GWHCpF2C-JGaWqe3e3Oq8yBt1E1Erx8YHSPlJU2cBgaW11l7reYaAocgEALw_wcB
https://en.wikipedia.org/wiki/Electric_vehicle_industry_in_China
https://en.wikipedia.org/wiki/NIO_(car_company)
https://www.forbes.com/sites/michaeldunne/2018/03/30/chinas-electric-vehicle-leaders-who-are-
they/#193f9df630b6

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