【IoT事例】LAP: 2つのレーザープロジェクター紹介|ラップ

【IoT事例】LAP: 2つのレーザープロジェクター紹介|ラップ

LAPについて

北ドイツのリューネベルクに本社があるLAPは、1984年にレーザーコンポーネント、光学製品およびアクセサリーの代理店として創設されました。翌年シンプルなポイントおよびラインレーザーの業務用測定システムの自社製造を開始、1989年にはレーザー測定システムの製造をスタートしました。その後設立されたソフトウェア部門を含め、現在も測定システムとそれに関するソフトウェアがメインの販売製品となっています。

放射線治療用レーザーマーキングシステムや放射線治療用ルームレーザーシステム、治療計画用MRIに設置する可動式レーザーといった医療技術関係、直径、外形など高精度が必要とされる非接触式レーザー計測システムを導入している金属業界関連などで、LAP社のレーザーが活躍しています。

設立当初は20人以下だった従業員は現在約280人となり、アメリカ、上海、シンガポールに営業所を持つ急成長中の会社です。
数多くの製品を作っているLAP社ですが、その中からIndustry4.0関連の2つの製品についてご紹介します。

レーザープロジェクターのCAD PRO

このレーザープロジェクターは、まずCADデータを基にした、ツール座標システム内のキャリブレーション・データおよび投影データを送り込むようになっています。二つの検流計によって反射されたレーザー光を使って、CADデータのイメージをそのまま投影するものです。もちろんこのプロジェクターは、縦にも横にも拡張が可能で、最大で16個ものプロジェクターを使用したコンフィグレーションができるようになっています。このシステムから出る投影されたラインを基準にすれば、パーツを置く正確な位置を把握できるようになっています。

LAPとのイノヴェーション・パートナーであるZeMA (das Zentrum für Mechatronik und Automatisierungstechnik)では、このLAPのPro CAD システムを導入しました。このシステムはフルデジタルで稼働し、生産時の部品が2Dでも3Dであっても、コンポーネントの正確な位置にはっきりとした線を投影するようになっています。さらにZeMAは、こういったレーザープロジェクターシステムを数台まとめて使用する新プロセスを開発しました。二台のCAD-Proレーザープロジェクターが、シミュレータと実際のなメカ部品の位置比較を行うのです。

まずシミュレータの中で部品のメカ的な位置をプランニング、バーチャルで表示するレーザープロジェクターが、作業員が部品を取り付けするのをサポートします。作業面での部品のそれぞれの位置決めにはLAPのCAD-Proが使用され、作業員はシミュレータの提示したおおまかな場所に部品を置くだけで、レーザープロジェクターが自動的に部品を計測します。シミュレータに再送信された計測データは、実際の部品の値に合わせられるようになっています。

レーザーによる光学表示により、作業員は確実にプロセスを実行でき、作業予定の変更にも素早く対応できるようになりました。作業の流れでのエラーも軽減したといいます。つまり、確実で高品質な生産プロセスが実行できるようになったこと、これこそIndutsry4.0の目標とするところです。

組立作業をサポートするASSEMBLY PRO

こちらは、工場の組立作業をサポートするレーザープロジェクターです。部品そのものにレーザープロジェクターからのレーザー光が当たるようになっており、そのレーザー光があたる順番通りに部品を組み立てていけばよいというものです。

を見ていただければ、ASSEMBLY PROを使用した工場でのスイッチキャビネットの組立作業の様子がわかります。こういった作業に必要なデータはすべてデジタル化されているため、ペーパーレスも実現しました。データが電子版ということは、顧客それぞれによって違う注文の組立にも柔軟に対応できるということです。もちろん、エラーも少なく、コストも低く抑えられることになります。

イノベーション賞アッセンブリ4.0を受賞

2018年4月、ZeMA社とLAPの共同プロジェクト「InSysPro」が「イノベーション賞アッセンブリ4.0」を受賞しました。これは、組立作業でのレーザー投影システムの為のSmart Watchや言語制御またはジェスチャー制御について、その受け入れられ方、ユーザーの使いやすさ、効率性といった点が調査されたプロジェクトです。LAPとZeMAが共同で「人間・マシン・インターフェイス」という、スマートデバイスのうち、どのような直観的操作コンセプトが一番、LAPのレーザーベースのアシスタントシステム・ASSEMBLY PROという手動式組立作業のための制御に適切であるかについて、研究したものです。

レーザーに基づいたアシスタントシステム ASSEMBLY PROは、作業員がIndustry4.0内で手動での組み立て作業をする際に大きな役割を占めます。直観的なスマートデバイスによってレーザープロジェクターを制御する可能性は、ユーザーにとってシステムが使いやすくなるためのさらなる一歩となるのです」とLAPのプロダクト・マネージャーは話しています。

今後の展望

イノベーション賞アッセンブリ4.0を受賞した際に、

「Industry4.0の中であっても、組み立て作業で大事な部分を担うのは人間であることを忘れてはいけないのです。このプロジェクトでは、Industry4.0のみがバーチャル世界にあるのではなく、製造という現実世界のために、そのコンセプトが存在することがわかりました」
「Industry4.0のソリューションの同期化の実践を成功させるためには、そのユーザーの受け入れが大切なファクターの一つなのです」

とZeMAの関係者は話しています。

LAPは2018年のハノーヴァー・メッセにて、例えば搬送車の通り道をレーザープロジェクターシステムを使って表示するものを発表しました。これは人間とロボットがチームワークをとり、お互いに賢くコミュニケーションをとることを目的にしています。いずれレーザープロジェクターはIndustry4.0のインフラストラクチャーとつながり、サービス・インターフェイスにより制御されます。ここに他のレーザープロジェクターをつけ、必要に応じて部品を選択したりさまざまな使用方法が組み込まれるようになれば、Industry4.0で推奨されている生産プロセスに効率的に対応できるでしょう。人間のみではなく、またロボットや機械のみでもなく、人間とロボットの共同作業が今後のIndustry4.0の要となっていくのではないでしょうか。

参考サイト