【導入事例】KUKA: Indusry4.0の発展に向けAGVやLBR iiwaなどのロボットを導入|クーカ

【導入事例KUKA: Indusry4.0の発展に向けAGVやLBR iiwaなどのロボットを導入|クーカ- 記事

KUKA について

多数のバリエーションを持つ産業用ロボットを作成するKUKA(本拠地Augsburg)は、1898年に創業されたドイツのメーカーです。社名は、Keller und Knappich Augsburg(Keller氏とKnappich氏、アウグスブルグ)という創業者名、本拠地名からとられたものです。照明用アセチレン工場からスタートしたKUKAは、ガス溶接機器や抵抗溶接機器、摩擦溶接マシンなどの製造を経て、1973年に世界初の電気駆動式6軸型産業用ロボットの製造を開始。KUKAはその後、各種製造分野により分社化されていったものの、ロボット製造業界や溶接関連業界においては、世界でも有数のトップ技術を持つ会社であり続けました。

KUKAは従業員18000人を抱えた世界各地に現地法人や支社を持つグローバルな企業でしたが、2016年、中国の家電メーカー、ミデア(美的集団)に買収されました。その時点で「安全保障の危害は及ばない」としてKUKAの買収を認めたドイツ政府の見解を含めると、15万人もの従業員を擁するミデアの一員となったことは、KUKAにとっても決して悪いことではないのかもしれません。

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Industry4.0導入まで

これまでに自動車産業、航空宇宙産業界にて大いなる支持を得てきたロボットを製作していることからみても、KUKAがグローバル化、デジタル化を念頭に置いたオートメーションが大きな役割を果たすIndustry4.0を導入するのは、ごく自然な流れでしょう。

KUKAにおける生産ラインの新コンセプトは、既存するプロセスステップの分析からスタートしました。パートナーおよびKUKAシステムの社内専門家たちと共に、継続するロボット生産と平行して、さまざまな自動エレメントを含むライン生産を計画、構築。パートナーと社内専門家がSmart Factoryの進歩的なやり方を使用して実務を調査して評価したものをまとめました。

LBR iiwaおよびマトリックス生産

ロボット生産会社として、KUKAはまず自社の生産ラインにロボットを導入しました。まず、部品や工具の搬送を行うのが、無人の運搬車(AGV,automated guided vehicles)です。このAGVはすべて経路や運搬物がすべてプログラミングされていて、プログラミングされたどおりに生産用セル内を行き来して、製品を運搬、ウェアハウスを中心に移動、ロードやアンロード、製品の搬送を担当しています。生産セル内はモジュラー式に構成されており、セル内にロータリーテーブル、ツールホルダー、ロボットなどを配置し生産を行います。セル内で使用した工具はロボットによりAGV上に載せられ、AGVがツールストアまで運搬、次に使う工具をセル内に運んでくるのもAGVです。生産が変更する際も自動でセットアップ内容が変わるようになっています。もちろん加工時間内に行われるので、セル内のロボットが停止する時間はありません。

またLBR iiwaという名の軽量ロボットも導入しました。これは細かい計測を行ったりバーコードを読み取ったりなど、これまで人間にしかできなかった細かい作業を請け負います。ナビゲーション用ソフトウェアの管理により誤差はプラスマイナス1ミリメートルまでにおさまる正確な移動が可能となっています。

LBR iiwa およびマトリック生産導入による効果

例えばこれまでロジスティクス内における小型部品は手動で分けて準備や注文していましたが、RFIDスキャナーを使って、どの部品が在庫にあるのか、いつその部品が倉庫を出たのか認識する上、自動的に追加分も注文されるようになりました。RFIDのチップ技術のおかげで、エラーの発生しやすい作業も自動化に成功しました。またトルクの自動認識機能により、機械のパーツのネジ締め時の労働者の負担も減少しました。
その他に、

  • これまでと同じ生産面積でありながら、生産個数が上昇。
  • 生産の流れの最適化に成功、プロセス時間も短縮。
  • 各プロセスステップで導入されているデジタルチェックリストのおかげで、エラー頻度が明らかに減少、効率性は上昇。

など、つい最近まで限界があった人間とロボットの共同作業は、互いに調和して柔軟に対応できるようになってきました。ロボットは保護された別室で距離を取り、人間に監視されるものでしかなかったはずなのに、軽量ロボット・LBR iiwaの導入により人間とロボットが共同作業できるようになり、またAGVを使用することで完全ネットワーク化された生産システムが完成しました。

今後の展望

Industry4.0は議論がスタートしたのが2011年、関係者が合意したのが2013年という国家プロジェクトです。すでに2015年ののハノーヴァー・メッセにて、KUKAはIndustry4.0の概念に基づいて完成した「ビールを注ぐロボット」を紹介しています。

人間がビールを注ぐのはとても簡単ですが、同じ動きをロボットにさせるためには、グラスや瓶を割らずに持つことから、ビール瓶の王冠を開けるにも適切な力が必要なこと、泡が適切にできがるよう的確な角度でビールを注ぐ、といった細かい注意が必要になりますが、動画でもわかるとおり、このロボットは見事に人間がこれまでやってきた役目を果たしています。こういった「人間と同じ動きができるロボット」の開発は、KUKAのIndustry4.0が目標とするところでした。
また今後は周辺環境にインテリジェントに対応する移動型ロボットが主流になっていくでしょう。手動で移動できる軽量ロボットから、空間内で動作するKMR iiwaのようなシステムまで含めたのが移動型ロボットです。こういったロボットなら、直接人間と作業ができます。ナビゲーションを搭載するため、ロボットが自動で周辺環境のマップを作成でき、ネットワーク化された共通の「走行および移動プラン」を通してロボットの動きはさらに制御可能になっていくでしょう。成長し続ける市場において、ロボットをベースにした自動化ソリューションは、今後主流になっていくはずです。ロボットという先駆けた製品を扱うKUKAは、人間とロボット、それぞれの長所を生かし、短所を補うIndusry4.0を今後も上手く発展させていくことでしょう。

参考サイト

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