【IMTS2018】MachineMetrics:人工知能を利用した予測型分析ツールで生産工程の最適化を

IMTS2018】 MachineMetrics人工知能を利用した予測型分析ツールで生産工程の最適化を – 記事

MachineMetricsとはどんな会社?

MachineMetricsはアメリカ、マサチューセッツ州ノーザンプトンに本社を置く、IoT情報プラットフォームを提供する企業です。CNCマシン、ツール及びエンジニアリング会社として知られるRober E. Morrisと2018年4月にパートナーシップ契約を結び、同社のブランドとして主に製造業向けに生産工程の分析ツールとネットワークプラットフォームを販売しています。製造ラインのエッジでのネットワーク・コネクションとリアルタイムのデータ分析を生産情報として活用するダッシュボードシステムで広く知られています。人工知能を利用した予測型分析ツールが特徴的で、北米を中心に50社以上の企業に導入されています。今後のIIoTIndustry4.0の拡大による製造業の生産性向上を標榜する企業の一つです。

今回のIMTSでは、Staceyさんにお話を伺いました。

MachineMetricsの生産管理・分析プラットフォームはProduction、Health、Service三つのレベルで構成されています。

  • MachineMetrcis Productionは、ショップオペレータから製造マネージャー、及び経営層のためのツールで製造プロセスの状況をリアルタイムで可視化し、ダウンタイムを分析します。
  • MachineMetrics Healthは、マシンの稼働状況をリアルタイムでモニタリングし、メンテナンスマネージャーやプロセスエンジニアに必要なアクションの情報を提供します。人工知能を用いた予測分析や予防保全(PM: Preventive Maintenance)もサポートされています。
  • MachineMetrics Serviceは、マシンの情報を離れたところでモニターし設備サービス会社に必要な情報を提供します。

この三つの機能が統合して働くことで、単に生産能力を改善するだけではなく、設備全体の効率(OEE: Overall Equipment Efficiency) を高めて工程全体の生産性向上(OOE: Overall Operating Effectiveness)につなげるのです。

MachineMetricsはOEEとOOEの関係を、生産効率を計算する際の分母となる時間の違いとして理解します。OEEは機械の生産計画に沿った時間を全時間とし、その中での実稼働時間やアウトプットのパフォーマンスを効率のロスと考えます。これに対してOOEではマシンの稼動計画上のダウンタイムを加えた全オペレーティングタイムを全時間とするのです。このように考えることで、個々の生産効率の積として二つの効率を理解し、更に上位の効率概念(TEEP:Total Effective Equipment Performance)を改善することにつなげます。

MachineMetrics Production

IMTSのブースでの展示はMachineMetrics Productionを中心としたものです。MachineMetricsの製造分析ツールのコアといえるのがMachineMetrcis Production。生産ショップデータをエッジで処理し、リアルタイムで分析してERP(Enterprise Resource Planning)及びMES(Manufacturing Execution System)と統合します。

MachineMetrics EdgeをEthernetポートに接続するだけで既存のCNC加工機へのネットワークが完了する「セルフインストール」。EdgeのソフトウェアによってマシンのデータはリアルタイムでMachineMetricsのクラウドへ転送されます。タブレット端末でファクトリーフロアで起こっていることを現場で入力すれば、ダウンタイムのデータとその関連情報がMachineMetricsで共有され、パフォーマンスダッシュボードにリアルタイムで反映されるのです。このデータはOEEの改善のため、ボトルネックの分析データとして活用できます。

こちらが既存のマシンのデータをそのままエッジでMachineMetricsのプラットフォームに乗せるハードウェア。MachineMetricsの自社ブランド品です。こちらのハードウェアはほぼそのコストで販売しているとのこと。MachineMetricsはソリューション及びプラットフォームの企業であり、ハードで利益を出す気はないのだそうです。
既存のマシンからのデータはアナログでもデジタルでも、そのままクラウドへつなぐことができ、データの構成はライン外からでもスクリプト言語で記述することができるので、コントロール・エンジニアなしでもロジックが構築できます。

マシンからで取得されたデータは、MachineMetricsのディスプレイ上にリアルタイムでパフォーマンスが表示されます。設定された警告や時系列のデータも同時に確認できる上、このままデータを他のデバイスや場所に転送できるので、状況の改善や対策を迅速に検討、実施できるのです。稼働状況のデータは指定の時間、又はシフトごとに傾向の分析が可能で、改善の機会を逃しません。アラート発生時は、採るべきアクションを認識して必要な担当者に必要な時間にアナウンスします。アラートはショップの端末だけではなく、モバイルへのテキストまたはメールでも送信されます。アラートは稼働状況の警告だけではなく、ダウンタイムの報告やOEEの変動なども対象となるようにできます。AI機械学習を使って機器の稼動トラブルも予測。ワークフロー全体に亙ってトラブルの影響をフォローし、状況の再設定を行うので全体パフォーマンスの悪化を最低限に抑えることができるのです。

上記はMachineMetricsのダッシュボード。画面には複数のマシンの稼働状況が一覧表示されます。大型のディスプレイのメイン画面にはそれぞれのマシンの稼動状況とそのKPIが、見やすいグラフと数字で表示されます。一つひとつのマシンはカラーコードで示されたタイルの形になっており、リアルタイムパフォーマンスが一目で分かる当に工夫されています。フロアの状況が全体として見渡せるので、全体の計画達成の進捗を視覚的に理解することができるでしょう。ショップレベルに設置されるオペレータ用デバイスは、タブレットで稼働状況のデータを確認するだけではなく、タッチパネルから個別のマシンでの情報を入力できます。

ダウンタイムについての情報や部品の不良などの品質情報についても、マシンショップのすぐ近くに情報インターフェースが配置されているため、数値情報以外の情報もMachineMetricsではリアルタイムで共有、蓄積します。ダッシュボードはユーザー側でカスタマイズできます。付属のMachineMetrics APIを使ってマシンの状況やパフォーマンスを好みのKPIの形で表示することができます。

分析ツールは発生したアラートやオペレータの入力したショップ情報を使ってダウンタイムを計算し、指定された時間についてパレート図を作成。これによってダウンタイムの要因となるボトルネックを容易に見つけることができます。パフォーマンスのレポートはジョブごと、マシンごとはもちろん、製品番号やオペレーションについても作成でき、多元的な工程の管理ができるようになっています。生産計画にリンクさせてサイクルタイムやシフト間のパフォーマンスの変化を追い、OEEの測定項目の抽出やオペレータごとの効率、セットアップタイムの測定を行います。

型換え時のセットアップタイムなどについては、社内のチャンピオンデータをモデルに使うなどしてシフト間、担当者間の差を改善したりすることができるでしょう。また、製品別のOEEが計算可能になっていることは、単にプラント内の効率改善にとどまらず、販売計画と生産計画のリンクを可能にします。MachineMetricsのデータを上位ERPと共有して経営効率改善のリソースとして活用できます。

デモ動画

最後に

MachineMetricsのシステムは導入時のインストールが簡単で、既存のマシンショップについてもそのままレトロフィットできます。このため、複数のプラントへの同時導入が容易で、生産拠点が複数ある場合でも情報の一元管理が可能です。同社のシステムはSnap-on、Gardner Denverをはじめとして多くのグローバル企業に導入されています。精密加工機ばかりではなく、自動車産業向けスタンピングや、モールド成型工程にも導入されており、平均で10%のサイクルタイム短縮、20%以上の効率改善に貢献しているそうです。

MachineMetricsはシンプルで使いやすいソフトウェアで、ユーザーが設備の稼働状況をリアルタイムに見ることができるだけではなく、生産工程のボトルネックを目に見えるようにすることを可能にします。同社のターゲットはスマートマニュファクチャリングを工場のショップフロアに落とし込むこと。IIoTの実現のためのプラットフォームとして工場のデジタル化を押し進め、Industry-4.0の時代に向けてユーザーが垂直統合型のアプリケーションを構築できるようにすることを目指していきます。

IMTSとは


IMTS(International Manufacturing Technology Show) は、アメリカで最も大きい製造業の展示会です。IMTS 2016では過去最高の出展企業数(2,407)を誇り、登録数(115,612)も過去3番目に多く、McCormick Place複合施設にて1,370,256ft2(127,300m2)もの敷地面積に渡って開催されました。IMTSはアメリカ・シカゴにて偶数年に1回開催され、117カ国のバイヤーとセラー(売り手)が集います。

2018年情報
名称: IMTS – International Manufacturing Technology Show
スポンサー: AMT – The Association For Manufacturing Technology
日程: 2018年9月10-15日 | 2020年9月14-19日
場所: McCormick Place・2301 S Lake Shore Dr・シカゴ、イリノイ州、アメリカ
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