【IoT用語集】オープンネットワークとは?

IoT用語集】オープンネットワークとは?

オープンネットワークとは、市場に公開されている規格(オープンプロトコル)により、通信ネットワークを構築することおよび通信ネットワークの総称です。オープンプロトコル準拠のデバイスを通信ネットワークに接続することにより構築します。メーカー・ベンダーを問わず、デバイスが準拠するプロトコルが同じであれば、相互に接続が可能になります。
広義には、産業用・オフィス用のネットワークを指し、身近な例としては、WiFiや、Bluetoothなど、PC・タブレットその他周辺機器が接続できるネットワークもオープンネットワークです。WiFi 準拠の機器・Bluetooth準拠の機器であれば、ユーザーはインターネットおよび機器間相互に接続可能な機器として判断し、利用することができます。

フィールドネットワークにおけるオープンネットワーク

通常オープンネットワークは、産業用のフィールドネットワークにおけるオープン規格準拠のネットワークを指します。従来、フィールドネットワークは、使われる用途・通信方式をめぐってセグメント化・サイロ化がオフィス用のネットワークのネットワークと比べて著しい分野でした。
しかし、それでは開発コストを合理的・効率的に配分し、技術革新を行うことができません。また、オフィス用のネットワークで開発された技術の取り込みも難しくなります。
そこで、近時はフィールドネットワークの分野においても、もともとオフィス用のネットワークであるEthernetの通信方式をベースとして利用したオープンネットワークが開発され、プロトコルの標準化も進みつつあります。

フィールドネットワークとオフィス用ネットワークの近接と融合

上記のように、IoTの発展につれて進歩してきたセンサ技術・ビッグデータの解析・分析技術・AIの利用により、FA(ファクトリーオートメーション)・PA(プロセッシング・オートメーション)等の一層の合理化・効率化を図ることが可能となり、多くのメリットが生まれることとなります。とくにIoTによるセンサ技術の発展とビッグデータの利用により、インダストリー4.0の目指す合理的・効率的製造業の実現を後押しできることが両者の近接・融合によるメリットといえます。

フィールドネットワークの主要オープンプロトコルについて

フィールドネットワークは、通信と制御系の機器をつなぐネットワークです。各機器の通信プロトコルは、伝送速度・伝送データ量・伝送距離・消費電力量といった要素から用途に最適なものを選び、通信と機器を配置して構築することとなります。
フィールドネットワークは、上位層・下位層・最下位層のネットワークに分かれます。上位層で主にコントローラーとなるコンピューターと機器の通信を行い、下位・最下位層において、制御系の信号のやり取りを行います。上位層をEthernet で接続し、その下位にEthernet 派生プロトコルを用いるなどして、Ethernetへの親和性を高め、かつ、規格をオープンにすることが、より多くの機器の接続や、IoTの利用を可能にするポイントです。

下位層オープンネットワークプロトコル

下位層フィールドネットワークは、制御機器と、フィールド機器間をデジタルネットワークにしてつないだものです
産業用IoTの分野でよくつかわれるオープンネットワークとして、Ethernetベースのネットワークがあります。EtherNet/IP、EtherCAT、CC-Link IE Field、PROFINEが主に使用されています。

最下位層オープンネットワークプロトコル

最下位層は、センサ・アクチュエータからの信号を高速に伝送するネットワークです。制御信号は取り扱いません。オープンネットワークとして、CANopenがあります。これは物理層のコントロールに利用するCANを利用したプロトコルです。CANから派生したプロトコルとしてはほかにファクトリーオートメーションで利用されるDeviceNet、バス・トラックのSAE J1939、農業機器の分野で使われているISO 11783、船舶用NMEA 2000、航空機のCANaerospaceなどがあります。

オープンネットワークの課題

オープンネットワークの課題は二つあります。

  • リアルタイム性の確保
    Ethernetで、産業用ネットワークに要求される厳格なリアルタイム性を実現できるかどうか、これまで長らく疑問・課題とされてきました。制御機器の信号は、生産ライン・プラント全体に速やかに行き渡るべきものです。この点、コード化された信号プロトコルにさらに限られた伝送速度で対応することは技術的には可能であり、近時では仕様の正確性があれば実現できるものとされています。

  • 情報セキュリティおよびサイバーセキュリティ
    サイバー攻撃による影響は、オフィス用のインターネットよりも産業用ネットワークのほうが深刻であるといえます。生産ラインの停止・有害物質の排出・事故など、FAの制御がマヒすると、深刻な懸念事項が生じる可能性があります。情報セキュリティサイバーセキュリティ対応は、オフィス用のそれよりも高い基準で求めることが必要であると考えられます。産業用の標準についての認証制度などが今後この分野の安全性を高めていくものと思われます。

まとめ

以上のとおり、産業用オープンネットワークはIoTの活用により、日本でも製造業の生産性を高める効果を呼び込める見通しです。プロトコルの標準化、ダウンサイジングを進めることで、さらに進化が期待できると考えられます。

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