【IoT用語集】フィールドネットワーク(フィールドバス)とは?

IoT用語集】フィールドネットワークフィールドバス)とは? – 記事

各コンピューターが通信を行うための共通経路であるバスのうち、ファクトリーオートメーションに共通の通信経路をフィールドバスと呼びます。ネットワークの一種です。一本の通信線に複数のデバイスがぶら下がる形の経路=バス型トポロジーの構造を持ちます。上位層・下位層・最下位層の3層からなるのが一般的です。シリアルバスの一種ですので、リレー式に通信データが伝送されます。

機能

フィールドネットワークは一本のシリアルケーブルを用いて、複数のデバイスを接続できる構造をもっているので、同時に多くの機器を計測・制御するために利用されます。
もしも、フィールドネットワークがなかったら、制御機器1台で多数のデバイスをコントロールすることは困難です。例えば、スイッチを同時に操作するといった方法で、同時に機器を制御するといった方法が可能ですが、工場で要求される時間厳守のリアルタイム性を担保することになりますが、機器の数・配線の方法が非常に不効率になります。
また、オフィス系通信ネットワークとの違いとしては次のような特徴があります。オフィス系の伝送する情報は、音声やテキストのマルチメディア情報や、プログラム情報ですが、フィールドバスの伝送する情報は、コード化された信号・操作情報・装置の状態の情報であるフィールド情報のみです。オフィス系と比較すると、リアルタイム性の要求も確実性・厳格性が求められます。

オープンフィールドネットワーク

フィールドネットワークの大きなメリットの一つに、構築の容易性・コストの低減が可能という点が挙げられますが、これは市場に公開されているオープン規格のフィールドネットワークにおいて最もよく実現されます。オープンフィールドバスの規格や機器の準拠規格は、Web等で容易に入手が可能です。
オープンフィールドネットワークの構築において、通信速度・伝送データ量・伝送距離・ケーブルなどの仕様によりどの規格を利用するか選択することとなります。

フィールドネットワークの形態分類と具体例

下記に主要なフィールドネットワークの分類と具体例を挙げます。下記に挙げるものはオープンフィールドネットワークであり、すべて日本市場で利用が比較的に容易なものです。

①上位層 コントロールバス
PLC・DCS・制御用パソコン・HMI(Human Machine Interface)相互に情報交換をするためのネットワークです。別名は コントローラ上位ネットワークです。なお、ここで接続対象となるPLCとDCSは制御機能をつかさどるデバイス・システムであり、フィールドネットワークにおける最重要要素です。PLCとは、Programable Logic Controlerの略で、制御用途に特化されたコンピューターです。DCS(Distributed Control System)は制御用に供される分散型のシステムです
例:ControlNet 、CANopen 、FL-net 、Modbus 、Modbus Plus

②下位層 フィールドネットワーク
別名コントローラ下位ネットワークです。制御機器と、フィールド機器間をデジタルネットワークにしてつないだものです。さらにFA系(Factory Automation)、PA系(Process Automation)に分類されますが、PA系は普及の歴史が浅く、普及率も相対的に低くなっています。オフィス系のネットワークのように、TCP/IPプロトコルを利用することは難しいものの、オフィス系のEthernet ベースのフィールドバスが近年では主流になってきており、オフィス系ネットワークとの近接傾向がみられるのも特徴的です。
FA用フィールドネットワーク
例:DeviceNet ・ PROFIBUS-DP ・ CC-Link ・Interbus
PA用フィールドネットワーク
例:PROFIBUS-PA ・Foundation Fieldbus

③最下位層 センサーバス
センサ・アクチュエータからの信号を高速に伝送するネットワークをいいます。制御指令やメッセージは扱いません。別名 デバイスバス、センサーレベルネットワークまたはビットバスともいいます。
例:AS-Interface ・CAN ・EC-NET

安全用バス

上記のフィールドネットワークの形態分類に加え、用途の上で、工場の生産ラインの制御に向けられるフィールドネットワークに加え、安全用バスを加える動きが2000年代からは盛んになっています。安全用バスは、制御ではなく主に監視機器およびバックアップ用の通信として使われます。制御系の通信を標準通信として、安全用通信を加え、ネットワークを二重にもつイメージです。
監視機器はさらに進んで、生産ライン、なかでも設備の機能および故障の可能性のチェック機能を持ちます。人の手で行うとばらつきあるいはミスがでる機能を監視機器に追加し、安全用バスの構成要素とするのが一般的な用法です。

産業用Ethernet の活用

 
Ethernetはもともとオフィス用の通信方式として標準規格化されたものですが、産業用となりますと、TCP/IPプロトコルが利用できないために、利用価値が低いものとされていました。しかし、通信コストを考えた場合、Ethernetを産業用にも利用する動きが近年は盛んで主流になっています。先にフィールドバスについて見た通り、Ethernet通信線 に親和性のあるバスの開発普及が進んでいます。

まとめ

フィールドネットワークにおいては、情報伝達の信頼性を重視し、また、即時性も厳格に求められる領域であることから通信線も含めたオープン仕様化に困難が生じることもありました。しかし、2000年代からフィールドネットワークのオープン化が強く意識されるようになってきています。開発・技術革新も仕様がオープンな中から行われます。オフィス系ネットワーク系技術の開発手法においても近接化がみられるといえるでしょう。

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