【IoT用語集】IoT検定とは?

IoT用語集】IoT検定とは? – 記事

IoT検定とは、IoTや機器間接続=M2M等の技術やマーケットについての知識やスキルの可視化を行う検定のことです。IoT検定は、技術的な視点だけでなく、マーケティングやサービスの提供、ユーザーの視点から必要となるカテゴリ、スキル要件などを網羅し、それぞれの立場でIoTを企画・開発・利用するために必要な知識があることを認定します。2016年5月から試験がスタートしています。

検定の目的

IoT とはInternet of Things の略です。そしてIoTとは、ありとあらゆるモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続することにより、相互に通信し、センサから取集したデータにより自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことをいいます。
IoTの普及・推進は、各国や日本の国家戦略であるだけでなく、地域・企業の戦略としても重要な位置づけがなされています。すると、この戦略を支える人材が今後は大量に必要になりますが、IoTビジネスと技術の両面からの人材育成が次の課題となります。

他の検定との関係

従来からITエンジニア全般を対象とする情報処理技術者試験があるのに対して、総合的にIoTに対する理解とコーディネート能力を問う試験がないこと、とくにユーザーサイドにもコーディネーターやプロジェクトマネージャーといったロールを担うだけの高度の活用能力が必要と考えられることから創設されたのがIoT検定です。
なお、IoTに特化した試験としては、モバイル組み込み技術者向けに、このIoT検定とは別にIoTシステム技術検定という検定制度があります。

試験範囲・内容

①レベル
IoT検定は、レベルが1、2、3と三段階に分かれ、コーディネーターから最上流工程を担えるアーキテクト試験=レベル3まであります。現在はレベル2、3の試験が未施行で、レベル1試験はCBT(Computer Based Test)形式により毎日アークプロメトリック社の会場で受験することができます。
IoT検定は、「世界初のIoTに関する資格試験」であるということで、英語による受験や、世界各国のアークプロメトリックにおける受験が可能になることが予定されています。

②試験で取り扱われる分野
レベル1=IoTコーディネーターレベルで問われる分野は、次の通りです。

  • 戦略とマネジメント、プロジェクトマネジメント、人材育成と企業間連携、産業システム
  • 世界各国におけるIoTプロジェクトに関する知識、標準化に関する知識、法務
  • 製造および航空法等に関する知識、ライセンス、知的財産に関する知識
  • ネットワークデータ送信、WAN(インターネット接続)、PAN(Personal Area Network)
  • デバイス制御装置、電子工学、クラウドサービス、分散バッチ処理
  • データ分析データベースに関する知識、機械学習および人工知能に関する知識
  • セキュリティ、攻撃対策、認証技術、監視・運用

60分、70問の出題、合格点は6割です。

合格のメリット IoTプロ・コミュニティへの参加が可能に

IoT検定レベル1に合格すると、技術開発・教育・勉強会への参加のほか、コンサルティングなど、合格者を必要とする場が紹介される「IoTプロ・コミュニティ」への参加が可能になります。

IoT検定制度委員会

IoT検定の出題内容・合格基準・スキルセットの設定など、試験の企画を行うのがIoT検定制度委員会です。現在委員名簿には、委員長を中島洋氏とし、技術者出身の大学関係者・コンサルタント・中小企業診断士などが名を連ねています。その構成比率を見ると、技術者向けというよりも、ビジネス向け試験である性格が委員名簿にも現れているということができます。

IoT検定とメディア露出

IoT検定は2018年現在、受験者が1000人を超え、21都道府県で合格者が出ていますが、まだ知名度・受験者層が薄いことから、ソーシャルメディア・Webおよび活字メディアでの露出を積極的に行っています。フェイスブックの検定公式ページ、試験委員会の公式Twitter アカウントがあるほか、雑誌記事・ビジネス雑誌での露出が多数となっています。さらに、パートナーシップ制度の下、メディアパートナーとして、アイティメディアや日経BPが参加しています。

IoT検定のスポンサー制度

IoT検定には、スポンサーシップ制度があります。スポンサーシップ参加企業としては、KT-NET、 GMOクラウド、アークテック、メガテクノロジーといったIoTサービス関連企業が参加しています。スポンサーのほか、トレーニングパートナー・ガバメントパートナーといった制度もあります。後者としては、スマートシティ実証実験を行った大分県や横浜市の外郭団体の参加もあり、検定制度を中心とした人材育成・コミュニティ形成にも期待がかかるところです。

就職・転職・昇進への有効性は?

検定というと受験者からは気になるのが「それでどれだけ稼げるか」という問題です。この点、「プレジデント」は紙面で稼げる度5段階評価の「3」と評価しており、「転職には弱いが昇進には使える」との受験者からの評価がよくWeb上の記事にも見られます。ただし、上位試験がなかなか実施されないなど、スキルレベルに大きな変動がある可能性もあり、大幅難化といった予想もみられるところです。今後どのように推移するか、不確定要素が多いと考えられます。

まとめ

技術力においてはIoTの先端を行く国の一つである日本ですが、IoT関連の人材育成は、かねてからの人手不足も手伝い、「もっとも日本がIoTで課題とするところ」と言われて久しいものがあります。検定で人材のすそ野を広げることも一つのソリューションといえるでしょう。今後の動きに期待がかかります。

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