【IoT用語集】IoT推進コンソーシアム(ITAC)とは?

IoT用語集】IoT推進コンソーシアムITAC)とは? – 記事

IoT推進コンソーシアムとは、経済産業省と総務省が、『日本再興戦略』改訂2015-未来への投資・生産性革命-」(2015年6月30日閣議決定)に基づいて、IoT、データ、AIの戦略的活用を目標として産・官・学の連携と投資の呼び込みのために立ち上げた団体です。法人会員企業は現在3600社を超えており、ITベンダー・デバイスメーカー・その他製造業・サービス事業者以外に、投資家・金融法人・各種コンサルティングサービス業者・法律ないし会計事務所・医療福祉サービス事業者など、きわめて幅広い産業セクターからの参加があります。
目的として次の内容を掲げています。

「産学官が参画・連携し、IoT推進に関する技術の開発・実証や新たなビジネスモデルの創出推進するための体制を構築することを目的として、①IoTに関す る技術の開発・実証及び標準化等の推進、②IoTに関する各種プロジェクトの創出及び当該プロジェクトの実施に必要となる規制改革等の提言等を推進しま す。」(引用:IoTコンソーシアムHPより)

このコンソーシアムは設立の趣旨で説明されているように、ドイツインダストリー4.0や、アメリカのIIC(Industrial Internet Consortium)などの世界各国の取り組みに影響を受けているものです。

活動内容 IoT推進をけん引する

このコンソーシアムの活動は、技術開発WG(スマートIoT推進フォーラム)、先進的モデル事業推進WG(IoT推進ラボ)と3つの専門ワーキンググループ(それぞれにサブグループあり)の運営を通じて、IoTの推進とその密接関連領域に関する研究・実用化促進活動、課題解決を行うことに向けられています。とくに、日本情報経済推進協会に事務局をおいているIoT推進ラボは、IoTに関する各種のプロジェクトの最上流に位置して、プロジェクトの推進のためにボトルネックとなる可能性のある規制緩和のための提言や、その他の政策提言を行っています。また、スマートIoT推進フォーラムは、技術開発・実証実験の推進や標準化を企画立案、実施することが中心的活動です。専門ワーキンググループは現在喫緊の課題となっているセキュリティや、欧州等で法改正または新たな立法の動きが活発になっているプライバシーないしデータ保護の問題点を扱っています。

準天頂衛星SWG 準天頂衛星「みちびき」の国際利用に向けた活動

2018年11月から、いよいよ「みちびき」が運用開始となりますが、従来の民生用人工衛星による測位システムより高精度の「みちびき」をどのように活動し、国際的ビジネスとして売り込んでいくかは、日本の国家戦略上の課題とも言えます。
「みちびき」を利用したIoTサービスの可能性を探ると同時に、国際的な投資の呼び込み・新ビジネスの開発など、日本のIoTサービスの目玉ともいえる「みちびき」関連サービスに関する課題を検討するサブワーキンググループも、コンソーシアムの事業の一つです。

カメラ画像利活用SWG 対立利益=プライバシーへの配慮と経済活動の調和を探る

 
画像認識・画像分析技術により、道路・公共交通機関を監視し、渋滞や混雑を緩和・コントロールすることは、IoTが実現する主要なメリットの一つとされます。自動運転もこの技術に依存します。しかし、画像を記録することはプライバシーとの衝突が懸念されます。カメラ画像利活用SWGは、プライバシーに配慮した実証実験に関するガイドラインや、実証実験を通じて判明した課題を提示し、とくに東急電鉄の実証実験上得られたデータ・提言は、国際的にもこの領域の先進的視点を示すものとされています。

IoTに関するセキュリティ問題に重要な視点を提供する「ガイドライン」および報告書

IoTには次世代の産業を支える牽引車となることが期待される一方で、IoTのセキュリティ問題は、IoT推進にとってボトルネックイシューとなりうる重大な問題といえます。IoTデバイスがより軽量・小型化・コモディティ化し、ネットワークの省エネ化・通信データ転送量も軽くなり、普及に弾みがついています。その一方で、セキュリティに必要なネットワークおよびデータの暗号化・冗長化が構造的に十分とは言えない中、サーバにビッグデータは蓄積され、悪意あるものは外部からビッグデータを狙う、といった深刻な状況があります。
2018年に入ってからのセキュリティWGの報告書の内容は、おおむね下記のようなものです。

IoTが多くのデバイスをつなぐネットワーク、そしてクラウドサービスから構成されることから、構成要素すべてを包括する「サプライチェーン全体」のセキュリティマネジメントが意識されています。同時に、認証形式・セキュリティツールについての個別の留意を要することの指摘があり、さらに、

  • 守るべき範囲や想定されるリスクが分野(ユースケース)により異なる。
  • 不正アクセスや標的型攻撃等の対策として、産業サイバーセキュリティ研究会の下に設置されたサブワーキンググループで、攻撃の実態を踏まえつつ、対策を検討する。

などとされています。

まとめ

IoT推進コンソーシアムの問題意識は、上記に見たようにIoTの技術開発より、どちらかというと活用に関する諸課題の克服に重点が置かれており、産業界のIoTに関する利害調整の場所といった色彩も強く感じられる活動内容となっています。たしかにドイツや米国のIoTに関する主要コンソーシアムよりも後発ではありますが、それだけに成熟性の高い活動内容であるとも言え、その報告書・データの利用価値は高いものと考えられます。今後も活動に注目が集まることとなるでしょう。

2222年までは世界のIoT分析市場が33.39%のCAGRで成長。その成長を担う企業と市場予測 世界のIoTに関するレポート公開中