【IoT用語集】WoTとは?

IoT用語集】WoTとは? – 記事

WoT=Web of Thingsとは、Internet of Things を一歩進めて、Webプロトコルですべての機器をコミュニケーション可能なデバイスとしよう、という動きです。たとえば、HTMLやJava ScriptはWebアプリケーション開発・Webサービス提供に必須の言語ですが、ブラウザがあればWebページに情報が表示され、同じ動きが再現できるのは、Web言語であるHTML、通信プロトコルのHTTP/HTTPS、やスクリプトであるJava ScriptがWeb技術の標準規格として認識され、開発者がWebアプリ開発に用いるからです。
Webのオープン標準技術は、ほかに、インターネット上のリソース(資源)の識別子であるURI、データやメタデータ注6の記述フォーマットであるJSON、APIの設計原則であるRESTなどがあります。

ありとあらゆるものをネットワークにつなげてデータを収集し、分析・活用する技術がIoTとすると、WoTが目指すものは、IoTデバイスがWeb標準規格のもと、サービスを提供する端末になることです。
WoTが実現されると、例えば現在はスマートフォン・タブレットや一部の情報端末でしか利用ができなかった情報が各端末から入手可能になったり、スマートフォン・タブレットのような端末以外の家電が「コントローラ」端末として機能したり、IoTサービスがより便利で付加価値の高いものになる可能性が十分にあります。また、開発コストがオープン規格のもと、安価にできるようになります。

Webプロトコルによる標準化が意識される背景

現在IoT端末は、通信プロトコルをめぐって、標準化を目指す動きが盛んです。すべての端末が一定の約束のもと、同じように動くことができれば、先にも記した通り、開発コストは安くなり、よりIoTサービスの提供に注力することができます。
しかし、実際は、各ベンダーが、その持っているクラウドサービスに即した規格を標準化することに躍起であり、標準化団体も乱立している状況があります。実際にこうしたサイロ化・セグメント化は完全になくなることはないとはいえ、「産業標準」くらいの単位に落ち着かないとIoTの普及・活用は進みにくいといえます。

そこで、集約を目指すには、もともとマーケットにオープンな規格を利用して、Internet of Thingsを実現することができないか、というのが発想のもとになっています。
さらに、現在Web標準規格は技術革新が進んでおり、近時はWebブラウザ同士のコミュニケーションが可能になる技術の開発まで進んできています。理論上は、ブラウザを組み込める端末では、コミュニケーションを機器間で行うことがすでに数年前から可能になっており、実用化されつつあります。

Web標準化団体のW3Cがこの動きをけん引していますが、もともと規格そのものは浸透していることから、その動きが大いに注目され、WoTという用語も広まったものです。すでにIoTのメッセージ交換プロトコルの上位はHTTPやMQTTといったWebオープン規格が占めていますし、また、IoTサービスにおけるプログラミング言語にはJava Scriptが多く使われています。

WoTの対象レイヤー

上記のような背景により、Web標準規格はアプリケーションレイヤーに用いられることがもっとも効果的です。もともと各Web標準規格の開発理念は、アプリケーションで実現されるサービス志向が強いですし、技術的にもすでにアプリケーションにおけるJava Scriptによる開発の占有率を考えると効果的であるといえます。

すべてのIoTデバイスのアプリケーションがWeb規格で開発され、APIによる接続が可能になれば、IoTが目指す「一台でも多くののデバイスをネットに接続する」目標は、さらに達成が容易になると考えられます。質的にもアプリケーション間の接続ができることで、サービスの共通化・機器を問わないシームレスなサービス提供が図られることになるでしょう。

一例にすぎませんが、機器間を超えてデータを検索、メタデータによりエネルギーの消費状況を確認し、必要なところに必要なだけ供給するエネルギーマネジメントを行うことが容易になります。いったんデータをサーバに集積することも、頻度が少なくなるでしょう。端末を持つ消費者の需要把握とサービスのオンデマンドベースによる供給も、今までより容易になることが予測されます。

さらに期待されるIoTデバイスの多機能化・コミュニケーション端末化

IoTデバイスは、もともとコミュニケーション機能を持つ端末であるスマートフォン・タブレットのほかは、コミュニケーション機能を持たないものが標準的です。WoTを進めると、こうした機能が家電・設備などにも比較的容易に搭載可能になります。ゲートウェイ・コントローラー・データメッセージングにコミュニケーション機能が加わることにより、新しいサービスの創出が期待されます。

まとめ

上記の通り、Web of Thingsは、IoT社会をさらに加速させることが予測されます。特にブラウザをめぐる技術の発展により、IoT端末へのコミュニケーション機能搭載が注目されます。
Web of Thingsの目指すところは、日本でも総務省主導でかつて主唱されたユビキタス社会構想や、スマートTVの実証実験などでも実現が目指されたことがあり、国内でも多くの技術者が関心を寄せているものと思われます。日本市場を変えるポテンシャルも大いに期待されるWoTですので、実用化と発展に向けたW3Cのリーダーシップに期待したいところです。

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