【IoT用語集】ICTとは?

IoT用語集】ICTとは? – 記事

ICTとは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略語です。通信技術、おもにインターネットを活用したコミュニケーションを意味しています。通信技術を利用したサービスや、産業全般のことを指し、現在ではIT=Information Technology(情報処理技術)という言葉の代わりに使用されることが多くなっています。
論者によっては、ICTがサービス・ITはインフラおよびハードのこととして、使い分けたり、通信サービスがある・ない、によって使い分けたりもします。しかし、多数の用例を比べてみますと、現在この二者がクリアに使い分けられているとは言えません。

民間と政府での「ICT」の用例

ところで、企業ではIT・ICTの言葉が併存している例が多くあります。企業のIT部門といっても、ICT部門ということは少ないでしょう。
これに対して、政府の国家戦略に関する各種ワーキングペーパーの中では、2000年代後半からはITではなく、ICTという言葉が使われています。諸外国の例に倣っているものとみられます。諸外国においては、通信を情報処理と切り離す用例はむしろ少数とみられます。
ICTという言葉を用いることは、政府で強く意識されていることのようです。

ICT活用を国家戦略と位置付けることの意味

現在、政府は総務省を中心として、情報通信に関する技術を社会的課題の解決手段と位置付け、国家戦略の中心の一つとしてICTの活用に取り組んでいます。2014年の「スマートジャパン・ICT戦略」が中心的な指針として機能しています。
このように、国が指針を書いて、ICT活用の戦略を公開することにはどんな意味があるのか、分析してみると、次のような意味があります。

一つには、ICT活用およびこれに伴う投資には、「目安」が必要だ、ということが言えます。
ITからICTに呼び名を変えている背景は、情報通信技術それ自体が変化した、というよりは、ソリューションがその向こうにある社会的課題を解決しないと高付加価値のソリューションにはなりにくいことや、情報通信技術を使ったサービスの発展があります。たとえば、メールの伝送技術や通信プロトコルといった電子メールの本質的部分は、この30年全く変化がないといってよいと思われます。しかし、電子メールの利用の頻度・活用の幅、そして取り巻く環境や課題・問題点はこの30年で大きく変化しています。なにが電子メールについての中心的課題か、見えにくくなっているとも言えます。

また、企業や公共セクターが投資を行う際、ICTに投資する割合も高く、すべての事業に投資することは不可能です。課題・問題点への取り組みも、出てくるものにすべて対応するわけにはいきません。
そこで、国がICT活用を国家的戦略と位置づけ、研究開発・投資のインセンティブを持たせて、民間セクターを重要課題に誘導することは一定の意味があります。そのための目安が政府の指針といえます。

もう一つには、ICT技術およびその応用に関する技術研究開発に効率性を持たせることがあります。指針があると、産・学・官は連携がしやすくなります。「官」には研究開発に関する国家予算の裏付けも付きます。
情報通信技術は、コミュニティを利用して、技術者等の専門家間の連携をさせることにより大きく発達してきた歴史があります。オープンソース等のコミュニティ活動を想起するとわかりやすいと思います。国がICTについて基本戦略を立て、この戦略に従った研究開発の場を提供することにより、横連携が進みやすくなります。そして、いざという課題に直面した場合に、即応しやすくなります。

政府によるICT活用の中心課題 社会的課題の解決

政府が指針を示しているICT活用においては、社会的課題の解決がその目的となっています。下記に挙げる社会的課題の解決(おおむねの方向性をカッコ内に記載しています)を主に進めることを目的とし、東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年までに一定の成果をあげることをマイルストーンとして設定しています。

  • 医療(スマートプラチナ社会・高齢化社会の医療に関する課題を主にリモートサービスで解決)
  • 教育(教育×ICT。タブレット・電子黒板・e-learningの活用)
  • 防災(公共情報コモンズ等)
  • 交通(ITS(自律走行支援))
  • 女性の活躍支援(ライフイベントに左右されないワークスタイル確立。たとえばテレワークの推進)
  • 社会インフラ老朽化対応(道路・港湾・空港の設備における自動化対応等)
  • 電子政府・電子自治体(e-Govサービスの利便性の向上、各省庁・自治体におけるサービスの連携)
  • ICT新事業創出(ベンチャー支援等。東京オリンピック・パラリンピックに向けた高付加価値のホスピタリティサービスなど)

まとめ

上記に見たように、ICT活用は、政府により、日本に存在する社会的課題の解決の手段と位置付けられています。しかし、民間における課題解決の効果が実感として現れるまでには至っていないようです。一方で、センサデバイスと、ネットワークを接続してビッグデータを収集・分析するサービスであるIoT=モノのインターネットに対応する減税も始まっています。何をきっかけに加速度的効果が表れてくるか、注目が集まるところです。

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