【IMTS2018】 KUKA:世界先駆けのコラボレーティブロボットで生産性の向上を

海外展示会2018【IMTS2018】KUKA: 産業用ロボット、モバイル車両 – 記事

KUKAとはどんな会社?

KUKAはドイツのアウグスブルグに本社を置く産業用機械のメーカーで、中でも産業用ロボットの分野では世界的に有名なリーダー企業です。ロボット本体のほかにコントローラ、ソフトウェア、直動機械の研究・開発から製造、販売を手がけています。多方向移動プラットフォームのomniMoveは産業機械を載せて移動するモバイルベースとして市場に投入されています。KUKAのロボットは自動車や家電の他、航空機、食品、医薬品、プラスチック、一般消費財と幅広い産業分野で活躍しています。用途もマテリアルハンドリングの他、アセンブリ、梱包、パレタイズ、溶接や表面処理など多岐に亙り、ロボットをはじめとする自社のマシンを使った統合型の産業機械や生産システムでの販売も手がけています。産業用ロボットの分野では新しいアイデアを実現して市場に提供するイノベーティブな企業として定評があります。

今回のIMTSでは、Matthewsさんにお話を伺いました。

KUKAのロボットはこれまで多くの顧客の工場で生産に関わる作業に携わってきました。KUKAの六軸ロボットは製造業での梱包、パレット積み・下ろし、溶接などで活躍しています。このような従来型の用途では、ロボットオペレータとは隔離されたスペースで重量物や危険物を扱うことが主な作業になります。今後のIndustry 4.0の進展につれて、ロボットにも今まで以上に高度な働き方が求められています。コラボレーティブ・ロボット(協働ロボット)と呼ばれるタイプの、人と同じ作業現場で人と一緒に働けるロボットはそのうちの一つで、KUKAが世界に先駆けて開発したロボットです。

上記動画の日本語記事はこちらより

今回IMTSで展示するLBR iiwaは7~14kgという軽量ペイロード用に開発された作業ロボットで、従来のロボットよりも細かい作業を、人が作業している隣で行うことができます。Iiwa はintelligent industrial work assistantの頭文字をとった言葉で、人と同じ環境で人を助ける、というコンセプトをがあります。

LBR iiwa

LBR iiwaに内蔵されたジョイントトルクセンサーはロボットに与えられた外力を検知し、即座に動きを緩めることができます。LBRが作業している最中に人がロボットに触れれば、次の瞬間にLBRは作業スピードを落とし、事故を防ぐのです。この繊細なセンサーとポジションコントロールで、LBRはデリケートな材質の部品も壊したり傷つけたりせずに扱うことができるのです。全ての軸に内蔵されたセンサーとフォースコントロールの働きで、扱う部品の形状を素早く認識し、ハンドリングでの力の加え方を調整して正確な位置決めを可能にします。ロボットのプログラミングは簡単で、動作位置を覚えさせることでその間のアームの動きをロボットが理解します。製造ラインでの作業者にとって、三本目の手として役に立つはずです。

KUKAのKMP1500は産業ロボット用のモバイルプラットフォームとして開発された全方向移動型車両です。KUKAのロボットを載せて移動できる作業ベースとして使われます。プラットフォームの積載荷重は最大1500kg。KMRはSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)という自己位置測定機能を内蔵しており、工場内で自分がどこにいるのかを工場の地図上の点で理解します。レーザースキャナーを備えていますので目的地までの経路を自動でナビゲートすることができます。現場にロボット用のガイドレールをつけたり、標識をマーキングする必要はありません。AGVの安全基準を満たしており、経路に障害物があれば自分でそれを避けて迂回路をとることができます。前後左右だけではなく全ての方向に移動でき、車体の位置を5mmの精度でポジショニングすることができます。

写真ではKMRにLBRが載せられています。KMRとLBR iiwaは共通の多機能コントローラKUKA Sunriseで操作できますので、両者は簡単に一体化が可能です。KMRとLBR iiwaを組み合わせたKMR iiwaはセンシティブロボットとフレキシブルプラットフォームの合体と言えます。KMRは動力としてリチウムイオン電池を内蔵し、これはLBR iiwaの電源としても使うことができます。KMR iiwaは工場内の組み立てラインでの部品の搬送に活用されており、ある顧客の工場ではワークステーションと資材置場の間での移動で力を発揮しているそうです。KMR iiwaはERPと連動して部品在庫の状態をリアルタイムで更新、管理しています。

精密部品を扱う生産工程での部材の取り回しにはLBRのハンドリング能力が活かせます。SMTによる電子部品アセンブリではチップリールの管理ツールSIPLACE(同社製パーツ管理タワー及びツール)とKMP iiwaの協働により生産性を最高度まで高めることができます。

ブースにはバリ取りロボット Grind Masterも展示されていました。バリ取り工程は金属ダストなどが発生するため作業員の健康上の問題から早期の機械化が求められていました。これまで、自動車などの製造工程での金属材料の切断面の処理は機械化が難しく、品質維持のために手作業に頼るところが大きかったのですが、KUKAのロボットはこの工程の機械化を可能にしました。さまざまな形状の部品が流れるファウンドリー工場での作業に対応するため、コンパクト6軸ロボットKR AGILUSを使ったこのシステムは、高速で精密な加工を行い、モデルチェンジやアップグレードによる変更にもフレキシブルに対応します。サイクルタイムとセットアップ時間を短縮して生産効率を高め、ほぼ3年で投資回収できるといいます。

直観式ロボットプログラミングツール VUDU

KUKAのブースで、ロボットプログラミングのオプションツールとして紹介されていたVUDUはロボットの作業動作を簡単にするためのシステムです。KUKAのロボットの取扱荷重、作業距離、用途に応じて提供されるコントローラーとタブレットを使って動きをプログラムします。プログラムの仕方は簡単で、タブレットでロボットをコントロールして、それぞれの作業手順を位置と動作の組合わせとして定義していきます。作業オブジェクトの位置、アームの位置と角度、作業の手順と時間。それぞれをオペレータが目で見ながら指示していくだけで、タブレット上には自動的にプログラムが記述されていきます。全ての作業を指示し終わったら、タブレット上のプログラムを走らせれば、ロボットはさっき指示した通りの動きを繰り返すのです。

LBRのようなコラボレーティブ・ロボットが配置されるのは生産現場のショップ・フロアで、作業をするワーカーがいる状態での使用が想定されます。このような環境では職場ごとにロボットのプログラミングを行うエンジニアがいることは期待できません。従来のようにロボットについての専門知識を持つ担当者がいなくてもロボットを動かせるような、そんな要求に応えるために開発されたのがこの直観式プログラミングです。ロボットを使うワーカーはロボットが行う作業を実際にロボットにさせて、そのキーとなる位置でロボットの状態を登録します。後でそれぞれの点を時系列でつなげば、全体の流れが一連の動きになるようにコントローラーがプログラムを自分で書くのです。これでロボットを使う人がロボットのプログラムを知らなくても、いわば人の作業員に教えるようにロボットに作業を伝えることができます。

KUKAでは教育の現場でロボットを導入していく動きに対しても提案を行っています。KORE(Kuka Official Robot Education)プログラムと名づけられたこのプログラムは高校や大学、コミュニティカレッジでのSTEM(Science, Technology, Engineering and Math)やメカトロニクスの教育を行う現場にKUKAのロボットを置き、ロボット教育を進めてもらうものです。生徒に実際のロボットを使ってプログラミングやオペレーションを経験してもらうことで、ロボットについての基本的な知識やコントロールの概念を理解する役に立つと考えています。KUKAでは産業用の軽荷重ロボットKR-6を使ってKOREセルを作成し、ポータブルトレーニングカートとして提供しています。

最後に

KUKAの発祥は1898年Keller und Knappich Augsburg社の創設に遡ります。ガス灯の製造販売に始まり、ガス溶接機を開発したこの企業はその後さまざまな産業用機械を手がけ、フォルクスワーゲンやダイムラーベンツ社の自動溶接機を手がけたことから搬送ラインの自動化に取り組みます。1971年に溶接搬送ロボットの開発により極めてコスト効率の高い自動化ラインを実現。1973年に世界初の産業用6軸ロボット、96年にはPCベースのロボットコントローラを開発しました。2007年に製造した取回荷重1,000 kg作業距離3200mmの大型ロボットは世界最大最強の6軸ロボットとしてギネスブックに認定されています。

今日、KUKAは世界の産業用途での自動化ソリューションのリーディングサプライヤーとして世界の技術標準を担う企業になっています。KUKAは自動化におけるイノベーションとIndustry 4.0のドライバーとなることを標榜しています。今回の展示でも軽量ロボットのあり方の提案を軸にして、人間と協調して働く次世代のロボットの姿を目の当たりに見せてくれました。モバイルプラットフォームに乗ったケーブルレスのロボットや直観式プログラミングも、KUKAならではの先見性と技術力を感じさせてくれました。ここ数年の間に産業用ロボットの技術はAIIoTを取り込んで、その姿を大きく変えていくでしょう。その中でKUKAは継続して新しい技術の姿を実現し続けてくれると思われます。

IMTSとは


IMTS(International Manufacturing Technology Show) は、アメリカで最も大きい製造業の展示会です。IMTS 2016では過去最高の出展企業数(2,407)を誇り、登録数(115,612)も過去3番目に多く、McCormick Place複合施設にて1,370,256ft2(127,300m2)もの敷地面積に渡って開催されました。IMTSはアメリカ・シカゴにて偶数年に1回開催され、117カ国のバイヤーとセラー(売り手)が集います。

2018年情報
名称: IMTS – International Manufacturing Technology Show
スポンサー: AMT – The Association For Manufacturing Technology
日程: 2018年9月10-15日 | 2020年9月14-19日
場所: McCormick Place・2301 S Lake Shore Dr・シカゴ、イリノイ州、アメリカ
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