【IMTS2018】MEMEX:工場全体の情報化による生産性の向上を目指す

【海外展示会2018】MEMEX:工場全体の情報化による生産性の向上を目指す | IMTS2018 – 記事

MEMEXとはどんな会社?

MEMEXはカナダ、オンタリオ州のトロント郊外、バーリントンに本社を置くマシーンモニタリング機器及び情報ツールを扱う企業です。製造業を中心にファクトリー・オートメーションにおける機械や設備の稼働状況をモニタリングし、ショップフロアのレベルの生産情報をオペレーションレベルで統合管理するテクノロジーを提供します。

現在、世界中で導入が進められているIIoT (Industrial IoT) ですが、MEMEXはそのパイオニアとして知られています。製造業のコンピュータライズのトレンドを作り出した企業であり、FAの情報化テクノロジーを代表する世界的プレイヤーです。「今日の工場を明日の工場へ変える」を企業ミッションとするMEMEXは、今後のIndustry 4.0を推進する中核の企業の一つであることは間違いありません。


MEMEXのIIoTプロモーション動画

今回のIMTSでは、Johnさんにお話を伺いました。

MEMEXはFAの現場における生産機械及び設備を言わば製造に関するデータ取得のためのポイントとして活用し、このデータリソースをネットワークにして生産現場の情報をモニターします。工場全体の情報化による生産性の向上を目指すエンジニアリング企業です。同社の提供する情報ツールとその関連機器は今後のIndustry 4.0の推進に伴う製造業における生産革命において、いかに製造現場にIIoTを導入し、活用していくかを左右する技術となります。これまでに既に、製造機械同士のネットワークや機械とオペレーションルームとのデータコミュニケーションを可能にしてきました。

今後はこのネットワークをインターネット上へ拡張できるように改良し、PCのほかスマートフォンやタブレットを端末として世界中で情報を共有できるシステムの構築をかかげます。M2M(Machine-to-Machine)の分野でのグローバルリーダーとして知られるMEMEXは、今後も製造業の情報化推進のための要求に応じた製品、サービスを提供していきます。

MEMEXのフラッグシップ製品と言えるMERLINは製造業のためのインターネット情報プラットフォームです。MES (Manufacturing Execution System) のためのマシーン・モニタリング・ソリューションとして、一つひとつの機械の稼働状況をモニターすると同時に、マシンの保全状況を常にアップデートしてメンテナンスや在庫の管理を行います。ショップフロアで何が起こっているのかをリアルタイムでモニターすることで、ダウンタイムを削減し、ジョブ間の生産性を高めることができるようになります。

MES ソフトウェア MERLIN


今回のIMTSで紹介しているIIoTツール、MERLIN Tempusは「全ての機械を情報ノードにして、オペレーター、エンジニア、マネージャーを結び付ける」ことを可能にするFAシステムです。生産管理分析ツールとして世界レベルの生産効率化を達成します。製造業の企業にとって企業間の競争に勝つために最も有益な情報は自社の生産に関する情報です。この情報を随時入手し、分析して、サプライチェーンの上流サプライヤーと共有することでOEE(Overall Equipment Efficiency)のベストプラクティスを自社の強みにできます。

MERLINはリアルタイムで継続的な改善計画を実施できるツールで、プラント全体のオペレーションをリーン化することを可能にします。このリアルタイムでの情報収集と分析によってOEEの劇的な改善が達成できるのです。工場内のすべての機器をネットワークで結び、古い機械も新しいものも同じプラットフォームでデータ収集することが本当の意味でショップフロア・トゥ・トップフロアの情報マネジメントを実現する鍵となります。

上の写真の青い機器が、MERLIN のハードウェアMTC-Oneです。一台で110台のセンサーデバイスを結ぶUSBプラグインツールで、このMTC-Oneで収集された情報はMERLIN Tempusでのリアルタイム分析の対象データとして利用できます。生産・加工・組み立てラインのエッジ・コンピューティングのデータ管理、および最大効率達成のためのモニタリングを行うツール・キットです。デュアル・イーサネット・ポートとワイヤレス対応で配線コストを削減するデザインになっています。

Tempusは「時」を意味するラテン語です。MERLIN Tempusは製造に関わる時間を測定、分析します。どのショップのどのフロアでどれだけ時間がかかったかを正確に測定します。データ・ドリブンな生産を可能にするインターフェイスを備え、インストールされた時点から、その機械の状態と稼動プロセスに関するセンサーの情報を取得します。この情報はユーザーが設定可能なダッシュボードの形でオペレーター、プラントマネージャー、エンジニア、製造マネージャーたちに送信されます。

Webベースでのやりとりも可能ですので、ショップフロアや別の場所にいるシニアマネージャのタブレットでも可視化したデータを確認できます。今、生産現場で起こっていることに基づいて、効果的な対策を検討することができるのです。システムは拡張可能なオープン設計で複数のプラントでのオペレーションにも対応可能。顧客でのプログラミングやカスタマイズは不要です。ダウンタイム削減、スループット向上により利益創出に貢献します。

上記はMERLIN Tempusのディスプレイ用ダッシュボードの表示ディスプレイです。マシニング・センターごとの作業時間が測定、表示されています。

MERLIN のデモ用のサンプルデータベースの画面。導入している企業名からもMEMEXがFAソリューションのグローバル・リーダーといわれる理由が分かります。日本の著名な製造業企業の名も見られます。ブースではMazakの欧州での導入事例についても説明いただきました。同社では65台の製造機械をMERLINで接続、情報をダッシュボードで共有してショップ・トゥ・トップの情報共有を実現しているそうです。

MERLINによるOEE改善

MEMEXでは工場の効率改善のためのベンチマークとしてOEE(Overall Equipment Efficiency)を採用するべきだと考えています。OEEは総合設備効率と呼ばれる指標で、特定の機械ごとの稼働率や歩留まりだけではなく、その生産に関わる一連のプロセスの全ての設備機器の効率を総合的に図る指標です。

MEMEXのMERLIN Tempusをショップラインに導入することにより、生産性を平均して10~50%改善することができます。OEEを10%向上することで利益率を20%以上、IRRは300% 改善することが期待できるそうです。このような比較は同じ製品の過去の生産データとの比較において目標値を設定することで可能となるものです。自社内のベストプラクティスを継続して積み上げていくことで、製造ラインの強みを経営に反映させることができるようになります。

OEEを測定する際は処理するデータの構造が階層的になってしまいます。このため、設備及び機械間のデータをネットワーク化せずに測定すると、データの集計が設備ごとの分析となってしまい複数製品の同時製造の場合のデータの分離ができなくなります。しかしながら、製造現場の効率を適切に測るためには、OEEを製品ごとのデータとして分析できなければならない、といいます。顧客は自社の過去最高の実績を元に改善目標値をおき、それを達成するOEEを求めていくなかで、理想的な効率の実現に結びつけることができるのです。MEMEXのMERLIN Tempusは、まさにこの目的に合致しており、製品レベル―プラントレベル―全社レベルと繋がる価値分析のツールとして、Industry 4.0のコンセプトを実現するツールと言えるでしょう。

インタビューの最後に…

絶対温度の発見者、物理学者ウィリアム・トムソン・ケルヴィンの言葉に、「測定できなければ、管理できない」とあります。この言葉がMEMEXのDNAには刻み込まれています。製造現場で測定できるデータのうち、今日実際のモニターされているのは2~3 %だけだそうです。平均的な設備稼働率は32%しかなく、このことを考慮すれば、MEMEXによる効率改善が20~50%であることも驚くには値しません。MEMEXによる財務効率の改善を通して、非効率の原因がどこにあるのかが特定されることで、工場の「隠れた生産能力」が発見されることも少なくないといいます。シフトを増やしたり新しい設備を購入したりする前に、プラントで本当に何が起こっているのかを知ること。これがわからなければ、全ての効率改善活動は間違ったアプローチになります。

MEMEXは大手製造業ばかりでなく、中小の垂直的製造機能を果たす企業や製造業以外の顧客へもその製品を提供しています。自社の機械やセンサー、デバイスがどんな状態にあるのかを知らない企業がいかに多いか、その例は数え切れないほど。IIoTとIndustry4.0 の導入が全産業的に推進されるにつれて、MEMEXのテクノロジーはリアルタイムのデータ取得を通じて、これからも一層生産性の改善を実現し続けるでしょう。

IMTSとは


IMTS(International Manufacturing Technology Show) は、アメリカで最も大きい製造業の展示会です。IMTS 2016では過去最高の出展企業数(2,407)を誇り、登録数(115,612)も過去3番目に多く、McCormick Place複合施設にて1,370,256ft2(127,300m2)もの敷地面積に渡って開催されました。IMTSはアメリカ・シカゴにて偶数年に1回開催され、117カ国のバイヤーとセラー(売り手)が集います。

2018年情報
名称: IMTS – International Manufacturing Technology Show
スポンサー: AMT – The Association For Manufacturing Technology
日程: 2018年9月10-15日 | 2020年9月14-19日
場所: McCormick Place・2301 S Lake Shore Dr・シカゴ、イリノイ州、アメリカ
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