【IMTS2018】ATI Industrial Automation:ロボティクス技術による生産性の向上

【海外展示会2018】ATI Industrial Automation:ロボティクス技術による生産性の向上 | IMTS2018

ATI Industrial Automationアメリカ、ノースカロライナ州に本社を置くロボットアクセサリー部品のメーカーです。1989年以来、ロボットの生産性向上を目指してセンサーなどのロボットを使ったファクトリーオートメーションのための機械を製造、提供しています。特にロボット・エンドエフェクターと呼ぶロボットアームの先端部分の部品に強く、航空、自動車、電子機器などの産業を始めとして、バイオテックなどの先端研究分野でも広く知られています。

今回のIMTSでは、担当のDavidさんにお話を伺いました。

ATI Industrial Automationとはどんな会社?

ATI Industrial Automationは、ロボティクス技術による生産性の向上を目指すエンジニアリング開発企業です。顧客満足を最優先にお客様の役に立つことを企業価値として掲げ、ロボット・オートメーションの発展におけるグローバルリーダーと言えます。自動ツールチェンジャーや多軸式フォース/トルクセンサーを中心に、ロボット・デバーリング(面取り)・システムなどを販売しています。特にロボットがハンドリングする部品や、素材と接触する点における物理的な技術とその周辺の情報処理に強く、接触・モーメント・衝突のコントロールを利用してロボットによるハンドリングを高精度に制御しています。
エンドエフェクターは、ロボットの手に当たる部分で、手首に当たるジョイントの先につく動作部分の機構を指します。グリッパーだけではなく、関節の回転モジュールや部品替えのための取り回しアダプター、プレス・塗装・溶接などのアタッチメントなどを提供しています。強みであるセンサーとエンドエフェクターという機構を組み合わせて、ロボットをファクトリーオートメーションに高いレベルで融合させることを目指す技術開発がお客様に高く評価されている企業です。

IMTS展示製品

ロボット・エンドエフェクター MC-10

今回のIMTSで紹介しているツール・チェンジャー「MC-10」はロボットのツール替えを素早く、低コストで実現するための手動式ツールチェンジャーです。

特にコラボレーティブ・ロボット(Cobot:コボット)のロボット・アームで行われる作業をターゲットに新たに開発されたツールです。人が操作しやすいようにデザインされたジョイント機構を持ち、ツイスト式ロックシステムでアタッチメントをハンドリング部分に適切に固定します。10キロまでの荷重を扱うことができ、アタッチメントの簡単で確実な着脱を可能にします。
展示ブースにはツールを使用したロボットとしてバリ取りやマテリアル・ハンドリング、工作機械などが展示されていました。いくつかのメーカーのロボットが複数展示されており、MC-10を使ってそれぞれのロボットのエンドエフェクターを自在に取り替える様子が見られました。

今後、ロボットが工場で人間と協働して作業をするようになっていく過程で、人にとっての使い勝手を考えたロボットの設計が必要になっていくのでしょう。ATI Industrial Automationが目指す開発の方向性がロボットの利用場面を柔軟にしていくことについて、無人化だけが目標ではない、今後のファクトリーオートメーションのあり方を見せられた気がしました。

フォース/トルク・センサー Axia 80

展示されている多軸フォース/トルクセンサー Axis 80は、XYZ三次元の方向からの計測値を出力し、それぞれのトルク成分を測定する六軸センサーです。物理的測定値を電気信号に変化するトランスデューサーが複雑な動きをするロボットのエンドエフェクタに内蔵され、ロボットによる製品検査やアセンブリ、切削、研磨などのハンドリング機構を構成しています。産業用用途のほかに、研究用途では医療分野のロボットによる手術や触感探知、リハビリテーションなどにも利用されているセンサーです。

Axia 80は、ATI Industrial Automationが提供する最も高性能で低コストなセンサーです。全ての電子部品はトランスデューサーの内部にビルトインされているのでサイズも小さくコストが抑えられている上、ロバスト性にも優れています。精密切削により航空機用アルミニウムから削り出されたセンサーボディは300gと軽量で非常に強度が高く、許容単軸荷重は測定限度の5倍以上あります。塵埃及び耐水特性も高く、IP64を取得しています。

この多軸センサーはロボットアームのエンドエフェクタとしてだけではなく、電子部品のアセンブリや研磨工程でのフォース/トルク・センサーとしても用いられています。測定値をリアルタイムで測定、フィードバックしマシンの制御に使うことができます。ブースでは電子部品のボードアセンブリのステージが展示され、多心ケーブルコネクターのインストール用の圧力センサーとして、ボードに加えられる圧力をリアルタイムで表示するシステムが展示されていました。

また、Axia 80を用いた接触センサーとして、曲面加工された材料の表面処理の際の圧力を連続的に測定するシステムが展示されていました。三次元曲面の表面に沿って動くロボットアームの先端に取り付けられたセンサーが、アーム先端が移動するにつれて圧力の変化をリアルタイムで測定しディスプレイに表示する様子が見られます。

面取りロボット及び面取りエンドエフェクター

従来は手作業で行っていた加工部品の面取り工程を自動化するためのツールと、このツールを組み込んだハンドリングロボットによる面取り工程を実現しました。従来は適当なツールがなかったために、直線形状以外のほとんどの面取りはロボット化できなかったのだそうです。材料のエッジに凹凸がある場合に、その材料自体の形状と加工機の材料ハンドリング軌道の両方の精度を同時に満たすことで、信頼性の高い面取りシステムを実現することができました。対応できる部品材質と固定治具の範囲も広く、同じシステムを使って加工材料のバリ取りやエッジブレークの処理も可能です。

ロボットが加工材料をハンドリングして、固定された面取りツールに接触させて処理するシステムだけではなく、ロボットがツールを持って部品の周辺にわたって動かすことで材料を加工するシステムも可能です。ブースには両方のシステムが展示されており、お客様のラインに合わせて自由システムを構成できます。ロボットメーカーではなく、ロボットを用いたソリューションエンジニアリングを提供することを目的とする企業としての意識の高さを感じました。

仕上げ用ツールとしてアクシャル加工とラジアル加工の両方のツールが用意されています。アクシャル加工の仕上げで使うツールとしては、表面処理用のVersaFinishと面取り用のSpeedeburrがあり、上のロボット面取りシステムはこの双方を使って処理する様子を見せてくれました。一方でラジアル加工の面取りツール Flexdebur がロボットまたはNC制御で使える用途として、面取りやパーティングラインの除去があると言います。

展示動画

インタビューの最後に…

ロボット技術の産業(製造業)への導入傾向は1980年代末に一度、伸びが止まりました。ATI Industrial AutomationのRobert Little CEOも経験したこの期待はずれの停滞は、ロボットが人間に比べて多機能ではなかったことが原因と考えられています。人は何でも教えればできるようになるのに、ロボットはできることが決まっていて、頭が固い上に不器用だったのです。油圧で動かす当時のロボットアームは「まるでゴリラの手」だったと言います。1989年にLittle氏がATI Industrial Automationを設立したのは、この状況を突破するためでした。

空気圧作動のグリッパーにより精密な動きを可能にし、ツールチェンジャーによりエンドエフェクターを交換できるようにしたことで、一台のロボットがいくつもの仕事をこなすことができるようになりました。MC-10には振動除去と脱落防止のフェイルセーフがついており、フォース/トルク・センサーをつけることでフィードバック改善が実現できます。Axia 80はこれまでの産業用ロボットに装着されているセンサーに比べて5倍の精度があり、人間の指先の感覚に近い圧力差を測定できるそうです。

ロボットの作業精度が人間のそれに近くなり、一台のロボットがこなす作業の種類が増えることで、全体的なロボットのコストが下がり、ロボットファクトリーオートメーションの導入がさらに進むことになるでしょう。ATI Industrial Automationが切り開いているエンジニアリング技術は、ロボットの能力を全般的に高め、コラボレーティブ化を進める原動力になっているようです。

IMTSとは


IMTS(International Manufacturing Technology Show) は、アメリカで最も大きい製造業の展示会です。IMTS 2016では過去最高の出展企業数(2,407)を誇り、登録数(115,612)も過去3番目に多く、McCormick Place複合施設にて1,370,256ft2(127,300m2)もの敷地面積に渡って開催されました。IMTSはアメリカ・シカゴにて偶数年に1回開催され、117カ国のバイヤーとセラー(売り手)が集います。

2018年情報
名称: IMTS – International Manufacturing Technology Show
スポンサー: AMT – The Association For Manufacturing Technology
日程: 2018年9月10-15日 | 2020年9月14-19日
場所: McCormick Place・2301 S Lake Shore Dr・シカゴ、イリノイ州、アメリカ
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