【IoT用語集】オンプレミスとは?

IoT用語集】オンプレミスとは? – 記事

はじめに

オンプレミスは、ITシステムのハードウエアを自社で保有・自社の設備内に設置・導入し、それらのリソースを自社で管理することをいいます。また、オンプレミスによるITサービスのこともオンプレミスと呼びます。
近年、クラウド(とくにパブリッククラウド)との対比でオンプレミスという用語が良く使われますが、1990年代までは、ITシステムの導入・運用はオンプレミスが唯一の手段でした。クラウドは、ネットワークを介してオンデマンドでITサービスが提供されますが、オンプレミスではネットワークを利用せず、その場所においてハードウエアにアクセスし、ITサービスの提供を受けます(原則形態)。一方で、クラウドサービスは、基盤であるインターネットが高速化し、大量データ転送が可能になった2000年代後半あたりから、急速に普及しました。そこで、オンデマンドであるクラウドと峻別・対比するために、オンプレミスの語が多用されるようになりました。

オンプレミスと「オンプレミス型プライベートクラウドサービス

オンプレミスは、自社導入・自社運用を特徴としますが、原則形態であるネットワークを介さないオンプレミスでのITシステム導入・運用は、非常に数が少なくなっています。例えば、東京に本社、静岡に支店があるユーザ企業があるとして、東京のシステムに静岡からアクセスが不可能、ということはあまり考えられません。自社導入・自社運用であっても、ネットワークを介して社内においては「オンデマンド」で、自社専用のサービスが提供される「オンプレミス型プライベートクラウドサービス」が、現在のオンプレミスの主流です。
なお、自社だけを設置場所とするには適切な施設や場所がないので、ハウジングのみは外部業者に行わせる、あるいは、専用ホスティングサーバとその保守のみのサービスを外部業者により提供させるといったアウトソースの形態による場合も、広い意味でのオンプレミスに入ります。
大まかに言って、自社でどれくらいサービスを行い、外部にどれだけ頼るか、その濃淡により、呼び名が変わるくらいに考えてよいかと思います。

オンプレミスのメリット

オンプレミスのメリットとして指摘されるのは次のような点です。

1.ソリューションの柔軟性
オンプレミスは、特定のハードウエアに拘束されないところが強みになります。ソリューションをハードウエアの選定・ソフトウエアの選定といったプロキュアメントの初期から行うことができるため、構築したいソリューションに調達を合わせることができます。このことから、開発の自由度・カスタマイズの柔軟性・ソリューション導入時の業務ルールの作りやすさなど、ソリューション構築および運用全体が柔軟に行えるところがメリットです。

2.セキュリティ インターネットに対してオープンではない
オンプレミスではハードウエアもソフトウエアも自社での設置・運用に限られ、外部に対して開かれたネットワークを利用する必要はありません。実際にVPNや専用線により運用されています。このことからマルウエア感染や外部からの攻撃に強いことが指摘されます。医療や防衛といった特定の用途のITサービスはオンプレミスが現在でも主流であり続けているのは、このメリットのためです。

オンプレミスのデメリット

1.導入スピード
クラウドサービス(特にパブリッククラウド)が、サブスクリプションフィーを支払えば利用できるサービスであるのに対し、導入のスピードが遅い点が大きなデメリットです。極端な例ですが、業務改善の必要性が生じ、あるソリューションを導入したら、すでに技術として陳腐化しており、ユーザが不便を感じるような例も、かつては今より高確率で生じていました。

2.導入コスト
すべてを自社で「丸抱え」ですので、導入コストは高くつきます。

3.スケールの拡張に柔軟に対応できない
技術的にはオンプレミスがスケールの拡張について不自由であるとは必ずしも言えません。しかし、例えばサーバ容量の増設などといった典型的なケースにおいて、クラウドであれば支払い料金を変えることによりすぐ対処が可能であるのに対し、オンプレミスの場合、新規ハードウエアの導入・通信回線の増設・通信パフォーマンステスト・場合によっては改善のための各種カスタマイズなど、時に難しい問題に直面します。

クラウドからオンプレミスへの回帰

近年、セキュリティの問題点や、クラウドにおけるデータマイグレーションコストの上昇などの要因から、オンプレミスをもう一度見直す動きが生じています。特にIT人員に限らず人手不足の状況が続く日本においては、新規のITシステム・インフラ導入に慎重に対応するべきケースも生じています。既存のレガシーシステムの活用のためにオンプレミスを選択することがあるようです。

まとめ

オンプレミス、クラウド、双方ともユーザにとって完全なITサービスはない、といってよいかと思います。実務的にポイントとなるのは、どのメリット・デメリットを重視して導入・運用を行うかの点にあります。それぞれの特質を十分に理解して使い分けを行っていきたいものです。

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